かなりきな臭くなってきました。
もともと、ギリシャ以外のEU(欧州連合)諸国の国民から、自らの税金をギリシャ救済のために投入していることに対して、疑問の声があがっていました。それが、ますますエスカレートしているのだと思います。
そもそも放漫運営で破綻の危機に瀕しているギリシャを、何ゆえ自分達の税金で助けなければならないのかと、怒りに似た国民感情が広がっているのではないでしょうか? 状況はさらに厳しくなってきました。
■EU内の銀行に「ギリシャ・ショック」の波が押し寄せている
もう1点の心配材料は、この問題が欧州の金融機関の経営に大きな影響を与えるということです。
9月14日(水)に、有力格付け会社のムーディーズはフランスの第2位と第3位の銀行の格付けをを格下げしました。
国際決済銀行(BIS)の6月の報告によると、フランスの銀行は、日本円にして約4兆3600億円ものギリシャの債権を持っています。
つまり、EU内の金融機関に「ギリシャ・ショック」の波が押し寄せているのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
欧州の混乱は世界全体に波及しており、株式市場は世界的に低迷し、長期金利(10年物国債の金利)は急低下しています。
そうなると、ユーロ/円だけではなく、全体的に円高が進んでしまうことになります。足元の円高の背景は、ここにあります。
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円買い方針は、まだまだ維持します。
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