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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

仏格下げが「プロ」の絶好の利食いの場に。
ギリシャ破綻があれば好材料になり得る!

2012年01月20日(金)15:05公開 (2012年01月20日(金)15:05更新)
陳満咲杜

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 1月17日(火)午後のレポートでは、ユーロの買い戻しの蓋然性を詳しく説明していた。

 「先週金曜日、S&PはフランスなどEU9カ国の格下げを敢行、ユーロ売りを再燃させた。しかし、ユーロなど外貨の下げは限定的で、ドルインデックスが0.79%高しかならず、現執筆の時点ではむしろ反落している。

 本日S&P幹部がブルームバーグテレビにてギリシャが近くデフォルトになるとの見方を示したことに鑑み、今回の『S&Pショック』が驚くほど軽微なものに留まっていると言わざるを得ない。

 もっとも、S&Pの格付けはEUソブリン危機の進行と緊密な関連性を有し、S&Pの決定が発表される度に、為替マーケットと商品マーケットが変動してきた、こういった関連性の解明によって示唆に富むヒントを得られるかもしれない。

 2009年12月16日、S&P社はギリシャソブリンをA-からBBB+に格下げ、EUソブリン格下げの幕を開けた。当日は、当然のようにユーロが売られ、ドルインデックスが上昇していたが、原油と銅はそれぞれ2.29%と1.78%も暴騰し、パニック的な反応を示した。

 ドルが買われたものの、ドル安トレンドの終焉が確信できなかった雰囲気の中、最初の『S&Pショック』は商品への「質の避難」を引き起こした。

 その後、ユーロ安/ドル高は猛烈なスピードをもって展開されたことは記憶に新しい。2010年4月27日、S&Pがギリシャソブリンをジャンク債のレベルへ引き下げ、ポルトガル国債の2段階格下げを決定、当日ドルインデックスは1.26%の大幅高となったが、原油は逆に1.98%の大幅安となり、その他商品も揃って下落した。

 そして、2011年9月19日、S&Pはイタリアソブリンを格下げと発表、見通しもネガティブに据えた。これを受け、当日ドルインデックスは1.03%高に買われ、原油は2.7%安、銅は1.78%安に売られた。つまり、ドル高は商品安をもたらし、こういった教科書通りの相関性をもって『S&Pショック』の蓋然性は証左されていた。

 しかし、今回は違っていた。13日のパフォーマンスではドルが僅かな上昇しか達成できず、原油もわずか0.3%安しかならなかった。現執筆の時点では、ドルインデックスは81関門割れとなり、WTI原油は100.60を回復している。『S&Pショック』は確実に弱っている。故に、ユーロ安トレンドが続くとしても、一旦一服、至って反騰してくる公算が大きいと見る。

 言うまでもないが、ユーロ売りポジションの積み上げと比率して、市場センチメントが依然ユーロ安に傾いたままであるが、以下に2点を追加的な説明材料として記しておく。

 まず、一時7.87%まで高騰していたイタリア6ヶ月物国債の利回りがすでに5%以下に落ち着き、昨年12月28日入札された90億ユーロのイタリア同国債の利回りは何と3.25%に低下していた。

 次に、ご親切にもユーロ崩壊するぞ、するぞと常に警告を発しているあの大物投資家のソロス氏は、実に昨年11月上旬にて20億もの資金を投入し、破産していたMF Globalからイタリア国債を購入し、すでに2億の利益を乗っているという。

 ちなみに、ソロス氏のお名前(Soros)は左から読んでも右から読んでも同じだが、彼の発言を表から読むと裏から読むと雲泥の差もあるようだ」

 以上、会員向けのレポートから引用させていただいた。

フランスの格下げはショート筋の絶好の利食いの場となった

 また、筆者は「ツイッター」でも注意を喚起した。1月16日(月)には、次のように連続して、ユーロ相場の変化の兆しを示唆した。

 「フランスの格下げとギリシャのデフォルト、ショート筋の行動を促すビッグイベントとして期待されてきただけに、片方の実現で投機筋の行動パターンに変化をもたらすか」

 「ブル(牛)にしても、ベア(熊)にしても、ピッグアウト((欲張り)すぎるとピッグ(豚)になる)」

 前者は、「悪材料出尽くし」という視点よりも、ショート筋の目標達成感からの推測である。プロの投資家であればあるほど、どこで市場から身を引くかをよく知っている。だから、フランスの格下げは絶好の利食いの場となったわけだ。

 後者に関しては、「ユーロを売ってさえいればもうかる」といった状況がしばらく続いたことから、当然の結果でもある。ベア(熊)がピッグアウト(欲張り)になりがちであったため、ピッグ(豚)になるリスクは高かった。

 まさに「強気をブル(牛)、弱気をベア(熊)、どちらでも報われるが、どん欲なホッグ(豚)は、めまぐるしく動いて小手先で投資したり、深追いし、一分の得にはならない」というウォール街の格言どおりとなった

ギリシャのデフォルトは「好材料」にもなり得る!

 さて、ギリシャのデフォルト(債務不履行)の有無が次の焦点との見方が、マーケットで広がりつつあるようである。最後に、やや違った視点でこの問題の本質を見てみたいと思う。

 また「ツイッター」からの引用で恐縮だが、筆者は次のように指摘していた。

「ギリシャがいつデフォルトかとよく聞かれるが、事実上すでにデフォルトが発生している状態だ。問題はCDSが有効かどうかにある。秩序あるデフォルトになれば、CDSも実行され、マーケットがパニックにならないばかりか、歓迎して再びリスクオンになろう」

ギリシャの「秩序あるデフォルト」とは、ヘッジファンドがCDSの権利を行使できることである。CDSの権利さえ行使できれば、プロの債権者はかなりの部分のリスクをヘッジできるため、むしろ、ギリシャのデフォルトは「好材料」にもなり得る

 ゆえに、ユーロのリバウンドがさらに継続する可能性も考えられる

 ただし、「リバウンド」という言葉が示すように、あくまでも一時的な反動であり、「ユーロ安」というメイントレンドがなお継続しているという前提は崩れていない

 なお、ユーロのメイントレンドについては、結局のところ、前回のコラムでも説明した「ユーロ売りがバブルかどうか」しだいである「過去最高のユーロ・ショートはバブルか?ユーロキャリーが広がりつつある可能性も」を参照)

 結論を申し上げると、筆者はユーロ売りは段階的な「プチバブル」であって、「本格的なバブル」ではないと見ている。

 このあたりの論議に関しては、また次回に譲ろう。

(2012年1月20日9:25執筆)

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