先週の当コラムで米国の雇用統計が非常に重要になってくるというお話をしました。
【参考記事】
●円売りポジションがここ数年で最大規模に。今回の米雇用統計は非常に重要!(4月5日、今井雅人)
■景気回復期待へ冷や水を浴びせた米雇用統計の結果
コラム掲載の翌日、4月6日(金)にその米雇用統計3月分が発表されました。
失業率は8.2%と予想の8.3%よりは若干良かったのですが、問題は非農業部門雇用者数の変化でした。こちらが前月比12万人の増加にとどまってしまい、予想されていた20万人の増加を大きく下回ってしまいました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
これで、ムードが一気に変わってしまい、株は崩れ、為替市場も円高一色となってしまいました。やはり、米雇用統計への市場の関心はとても高かったということだと思います。
米雇用統計はここ2~3ヵ月、非常に好調な結果となっていて、景気回復への期待が高まっていたところへ冷や水を浴びせられた状況となりました。
これでここからの相場予想が非常に難しくなってしまいました。ニューヨークダウの上昇トレンドも崩れてしまっています。

(出所:米国FXCM)
また、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)とも下降トレンドを作ってしまっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 VS 円 日足)
■円売りポジションはまだたまっている状態
しかし、2月14日(火)に日銀が一層の金融緩和をして、実質的なインフレターゲットを設定した時点の米ドル/円は77円台で、日経平均は9000円程度でした。
現在、米ドル/円は81円前後、日経平均も9500円近辺ということですので、まだ、金融緩和発表時点の水準にまでは戻っていません。

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
今後、日銀は実質的なインフレターゲットにある程度縛られることになりますので、次回の会合、あるいはその次の会合で一層の金融緩和を迫られることになると市場関係者はみています。
ですので、一気に“元の木阿弥状態”にまで下がりきってしまうことはないと思います。
ただ、注目しておきたいと先週お話ししたIMMのポジションを見ると、まだ円売りポジションがたまっている状況ですので、もう少しの下押しはあるかもしれません。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
■今後の展開が読みにくい混沌とした現状
さて、そろそろ日本の各機関投資家、企業などの新年度の新規投資が始まる時期に入ってきました。しかし、これだけ状況が混沌としてしまった中では、スタートから一気にどこかに新規投資するというのはリスクがあるということで、かなり慎重になると思います。
ですから、そういう意味からの円安や株高というのはちょっと考えづらい状況にあるとは思います。
申し訳ありませんが、今の状況下では今後どうなるかよくわかりません。おそらく、何か新しい材料が出て、それに反応して次の展開が開かれてくると思います。今のところそれが何かというイメージはあまりありません。
何かが出てきましたら、また、自分のブログやGI24ニュースのコラムなどで紹介したいと思います。
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