先週のレポートでも少し触れましたが、世界経済全体が視界不良状態に陥ってきています。
【参考記事】
●米雇用統計が悪い結果で株安・円高に。今後の相場展開はどうなる?(今井雅人、4月12日)
金融市場は混沌としてしまった状況ですから、やはり方向感が定まらず、マーケットも上げ下げを繰り返す展開です。
■先進国も新興国も景気回復に黄色信号
2012年4月に発表された米雇用統計を受けて、米国経済の回復にも、やや黄色信号がともった印象ですが、それでもまだ決め打ちはできず、もう少し状況を見てみる必要がありそうです。
FOMC(連邦公開市場委員会)のメンバーの最近の発言を聞いてみても決定打に欠け、先が読めない中で若干ブレているように思います。
また新興国を見ても、ちょっと怪しい動きが続いています。
ブラジルの中央銀行は、4月18日(水)の会合で0.75%の利下げを2回連続で実施し、政策金利を9.00%としました。世界経済の先行き不透明感や国内産業の業績悪化に対応した結果です。
また、インドの中央銀行であるインド準備銀行も4月17日(火)、主要政策金利であるレポ金利を8.50%から8.00%に引き下げることを決定。インドは、2009年4月以来、3年ぶりの利下げとなりました。
先進国、新興国ともに、この先、不安定な経済状況が続くことが心配されます。
■不安材料の筆頭は、欧州経済危機の再燃
そして、不安材料の1つとして懸念されるのが、欧州経済危機の再燃です。
ギリシャの再建策が前進し、市場はいったん落ち着いてきていたのですが、ここに来て気になる材料が出てきました。
以前当コラムでも以下のように、欧州経済危機が「負のスパイラル」に入り込む可能性がある、とお伝えしたことがあります。
欧州では今後緊縮財政を迫られ、そのことが景気を後退させる要因となって実体経済がさらに低迷する。そうすると、経済の低迷により税収が落ち込んで、財政再建が予定通りに進まない。その結果、ますます緊縮財政を行わなくてはいけなくなる――
この「負のスパイラル」がここに来て現実化しているかもしれないのです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■「負のスパイラル」で欧州経済危機はさらに深刻化
その証拠に、イタリアでは、モンティ首相が債務危機対策として、2011年12月に200億ユーロ規模の緊縮計画を成立させたものの、こうした措置によってイタリア経済は、リセッション(景気後退)に陥りました。
また、スペインのラホイ首相は2012年3月、赤字削減の従来目標が達成できないことを明らかにしています。
そして、景気の悪化は金融機関の経営も圧迫しているのです。
イタリアの銀行協会によれば、2月には、イタリアの民間銀行の融資全体に対して不良債権比率が6.3%にまで上昇。
これは2001年以来、実に11年ぶりの高さです。
スペインも同様で、スペイン中銀が発表したところによれば、スペインの民間銀行の不良債権比率は2月で8.16%と、1994年以来の高水準となっています。
景気がリセッション入りしたことから、今後も両国の民間銀行の不良債権率は上昇することが予想されます。
■マーケットは、しばらくもみ合いが続く
冒頭に申し上げたように、今は本当に世界経済が落ち込んでしまうのかどうか、決め打ちできない状況です。
したがって、マーケットの動きとしては、「もみ合い」が続くと思っています。
為替相場もレンジ入りでしょう。急に円高が大幅に進むようなことも今のところは想定していません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
ただ、欧州の問題が今後、大きな火種になる可能性は十分にありますから、今からその点には注意を払っておくことをおすすめします。
欧州経済危機には注意を払いつつ、引き続き今後の世界経済の行く末に、注目していきましょう。
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