■QE3の内容によってはユーロ/米ドル反発の可能性も
しかし、米国経済指標の悪化に加え、米国株が下落に転じると、マーケットでは前コラムでご紹介した米QE3(量的緩和第3弾)に対する期待感が高まります。
【参考記事】
●なぜ、米ドルはユーロより弱くなった? 根強い「9月13日QE3決定説」が影響か(7月19日、西原宏一)
7月25日(水)の米主要紙は、いっせいにFRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和が近づいたことを報道。
ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルは、来週、7月31日~8月1日もしくは9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加緩和が行われるのではないかという記事を掲載しました。
記事の内容は金融緩和が行われることが前提となっており、問題はいつ、どのように追加緩和が行われるのかが焦点になっています。
FRBの追加緩和期待で、下げ足を速めていたS&P500指数は下げ止まり。
1.20ドル台半ばまで下落していたユーロ/米ドルも、1.21ドル台半ばまで反発しています。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
スペイン情勢を筆頭にユーロ負債問題は一向に改善を見せず、中長期のユーロ下落トレンドは変わらないのでしょうが、米QE3の内容によっては、いったんユーロ/米ドルは調整で反発する可能性も。
ユーロ/米ドルは、先行して下落していたユーロクロスの動向と米QE3の行方に注目です。
■米ドル/円76円台は実弾介入の可能性が高まる
QE3予測の高まりを受けて、上値が重くなってきたのが米ドル/円。
今週(7月23日~)、米ドル/円が78.00円を割り込むと、市場の予測どおり、本邦当局者からの口先介入が飛び出し、米ドル/円は一時78円台ミドルまで反発。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ただ、実弾を伴っていない介入であるため、QE3期待の高まりとともに、米/ドル円は依然じり安に推移。
サポートは6月1日(金)の77.65円ですが、仮にその水準を割り込むと介入警戒感が高まります。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
76円台に入ると実弾が出る可能性がさらに高まり、仮にBOJ(日本銀行)が介入を決行したとすると、少なくとも80.00円までは押し上げると想定されるので、当面、米ドル/円のマーケットは米QE3の行方と本邦の介入に警戒しながらの神経質な相場展開になりそうです。
米ドル/円の基調は米金利の低下により、米ドル下落。
76円台は実弾介入の可能性が高まり、介入により80円台を回復すれば、本邦輸出勢の大量の米ドル売りが持ち込まれることが予想されます。
当面、米ドル/円は76.00~80.00円のレンジを乱高下する展開が濃厚です。
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