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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

QE3観測で上値の重い米ドル/円だが、
76円台に入れば実弾介入の可能性高まる

2012年07月26日(木)17:44公開 (2012年07月26日(木)17:44更新)
西原宏一

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■ユーロクロスは下げ渋りの展開

 みなさん、こんにちは。

 このコラムで毎回取り上げているユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)ですが、今週(2012年7月23日~)は久しぶりに調整色の濃い相場展開となりました。

 7月20日(金)からスペイン情勢が悪化し、スペイン10年国債の利回りは一時7.751% と急騰。

 スペインの資金調達能力はさらに低下し、スペイン株は急落しました。

 しかし今週(7月23日~)のユーロ/豪ドルはこの環境下、上値は重いものの、下げ渋っている状態です。

 7月23日(月)に安値の1.1684ドルに到達して以降、スペイン情勢の悪化にも関わらず下値が限定的となり、現在1.1760ドルで推移。

ユーロ/豪ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 4時間足

 ユーロ/英ポンドも0.7755ポンドの安値に到達した後は、7月25日(水)に発表された英第2四半期GDPが悪化したことから、反発に転じ、一時0.7857ポンドまで上昇しました。

ユーロ/英ポンド 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/英ポンド 4時間足

 8月の夏期休暇を控えた市場参加者の買い戻しもあり、6月より急落していたユーロクロスは徐々に下落幅を縮小

 スペイン情勢の悪化にも関わらず、ユーロクロスに関してはユーロは下げ渋りの展開となっています。

■ユーロ/米ドルは巨大なバリア1.2000ドルの手前まで下落

 ようやくユーロクロスは下げ幅を狭めてきましたが、続落したのがユーロ/米ドル

 7月19日(木)までは、ユーロの負債問題はユーロクロスを押し下げるのみで、株の下落には結びつきませんでした。

 しかし、7月20日(金)から始まったスペイン情勢の悪化を株式市場は嫌い、同日からS&P500指数は下落を開始。

 スペイン情勢の悪化がリスクオフ相場を誘因することになり、総じてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が下落しました。

 S&P500指数と相関性の高い豪ドル/円は一時79.53円、ユーロ/円は94.11円まで急落。

 ユーロ/円の下落はユーロ/米ドルの売り圧力となり、加えてSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が外貨の調整でユーロ/米ドルを売り始めたとの噂もあり、ユーロ/米ドルは一時1.2042ドルと巨大なバリアがある1.2000ドルの手前まで下落しました。

ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 しかし、米国経済指標の悪化に加え…


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