昨日の欧州時間ではスペインやイタリアの信用スプレッドがどうなるかに関心が集中した。そもそもヨーロッパ人は長いバカンス休暇を取るのが習いだ。よって夏のこの時期に政策の重要決定もないものとされているし、よほどのことでもない限りは金融当局による緊急会合なんてものも開催されない。だからあとは自然の任せるままとなるのが通例である。
普通の夏だったらイベントも少ないので、しかるにマーケットの動きもなくなるのだが、今年のそれは違う。日々刻々と信用スプレッドは拡大しているので、ほおってはおけない状況のはずである。米国債やドイツ債など安全資産とされている国債の上昇が止まるか、スペインやイタリアのような信用問題を抱えた国の国債が下げ止まるかしないと、マーケットは不安に脅かされたままで夏を過ごすことになる。
そうしたこともあってユーロ売りには、一種のコンフィデンスのようなものが出て来ている。これはテクニカル分析で説明すると、ただ単に下落トレンドなのだという言葉で済まされてしまいそう。しかし日々の取引のなかではどこかでユーロを売りこんでいっても、どこかで必ず報われるといった安心感というか、翌日もレベルがどこにあってもユーロ売りから入りたいという意欲を醸し出すのである。一時期、猛烈な円高に悩んでいた90年代の円相場のように、いったん方向付けがなされると流れを変えるのは容易ではない。理屈ではないのだ。
とくに今回のユーロの下げ相場では、下げトレンドの根強さが確認されたと思う。とくに先週のバーナンキ発言への期待だけでリスクテークが進んでしまった時期に、米国株は急上昇し、原油相場も77ドル台から93ドルまで戻したにも関わらず、ユーロも戻るには戻るのだが、次の大台をアタックするといったトレンドをブレークするようなリトレースはまったくなかった。
このようにユーロが次第に戻りの限度を切り下げていったというのが結果であった。これにはリスクオンによってユーロロングで臨んだプレーヤーにとっては期待外れの動きだったに違いなく、最終的には悪いコストのポジションを積み上げることにつながってしまった。
そういうわけで私も俄然、ユーロベア。売るのはユーロドルでありたいが、手が出しにくかったらユーロ円でもユーロポンドでもよいと思っている。欧州序盤では1.21台の前半だったが、このまま欧州勢に売り込まれるのも悔しいので、私も売った。
売った以上は安値のメドが必要だ。前日の安値が1.2067だ。これが第一のサポートとしてワークするのは当然だ。私もその直前ではいったんは買い戻す。下抜けすれば、またそこから売っていくだけだ。第2のサポートは1.2000というサイコロジカルな節目だろう。そこを割れると金融危機のあとにつけた2010年の6月につけた1.1875であろう。
これも5月初旬にスペインが格下げされて騒いだ後の突っ込み会ったのは記憶に新しい。次は2005年の秋にフランスの財政問題で1.36台から下げてきた1.1640となろう。今年になってユーロドルは1000ポイント近く落としてきているので、この辺までは射程に入っているといっても過言ではないだろう。
アゲインストに持って行かれる局面は少なかったが、すでにポジションがユーロショートのほうに傾いているせいか、欧州時間では落ちにくかった。バレンシアに加えてカタロニア州も支援を要請、そしてスペイン債の10年ものは7.6%を越えてきている。材料は十分になるのに、ユーロドルは1.20台に足を突っ込むのがやっと。私は前日の安値のちょっと手前でOCO注文の利食いをセットして寝たのだが、夜中に安値だけは更新していたようだ。
今日は早朝に発表されたアップルの決算が予想以下だったこともあって、グローベックスでの米国株は大きく下がっている。それにつれて日本株も安い。マーケットは必然的にリスク回避モードに入らないといけないわけで、この動きは今晩のニューヨーク時間になるとより顕著になるものと思われる。
欧州序盤ではECB理事がESM(欧州安定化メカニズム)に銀行免許を付与する論拠はあるという発言が伝わって、ユーロは急騰してきた。1.20台後半で安全を考えて一度逃げた。ただ状況に変化はなく、ユーロ売りをしていくのが妥当だろうし、今晩も経済指標などファンダメンタルズなものは無視されるだろう。それくらい欧州の信用不安は深刻なものと考えている。
日本時間 18時30分
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