■OMTというバズーカでユーロ/米ドルが急騰!
みなさん、こんにちは。
為替市場では、9月6日(木)に開催されたECB(欧州中央銀行)理事会の決定を受け、ユーロ/米ドルが急騰。
一時1.2937ドルという高値をつけ、2012年7月24日(火)の安値である1.2042ドルから約900ポイントも急騰しています。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
今回ECBから発表されたOMT(※Outright Monetary Transaction)というバズーカですが、これは国債に関して「今後格付の悪化にも関係なく」「無制限に購入する」というもの。
これには不胎化することや、3年以内という条件はついていますが、この決定により南欧諸国の国債の利回りは急低下。
また、多くの投資家からヘッジ外しのユーロ買いが断続的にマーケットに持ち込まれています。
(※編集部注:ECBが南欧諸国の国債を直接買い入れる新しいプログラム)
■ユーロ/米ドルの1.3000ドル超えもありえるか?
加えて9月7日(金)の米雇用統計の悪化により、QE3(量的緩和第3弾)への期待が高まりました。
米雇用統計の悪化というバッドニュースがQE3というグッドニュースに変貌し、ユーロ/米ドルは1.26ドルミドルのレジスタンスを突破し急騰。
今週(9月10日~)の高値である1.2936ドルというのは、2012年2月24日高値1.3480ドル付近と、7月24日安値1.2040ドル付近を結んだフィボナッチ・リトレースメントの61.8%戻しのポイントでもあります。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ただ、1.3000ドルには厚いバリアが控えており、そこでようやく上げ止まったという展開。
8月23日(木)の記事でもご紹介したように、1.3000ドルはゴールドマン・サックスのターゲットです。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルが1.25ドルの巨大バリアを突破!上値のメドは1.26ドルミドル(8月23日、西原宏一)
モルガン・スタンレーも最初のターゲットが1.2700ドル、第2ターゲットが1.3000ドルでしたので、今回米系投資銀行のターゲットである1.3000ドルを1カ月強でほぼ達成したことになります。
この後の展開は、日本時間、明日9月14日(金)未明に発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表次第。
「QE3」に関しては、マーケットでかなり織り込まれているので、sell the fact(事実売り)によるユーロの反落にも要注意。
米系の友人に聞くところによれば、欧米の市場参加者は1.3000ドル超えも想定し始めているようですが、オプションマーケットでは1.3000ドルを越えたオプションの出会いをあまり聞かないので、これにはまだ材料不足なのではないでしょうか。
1.3000ドルをほぼ達成したユーロ/米ドルの行方は、明日9月14日(金)のFOMCの発表次第です。
■米ドル/円は77円台で口先介入、76円台で実弾投入か
QE3期待の高まりは、長らく78.00~79.00円というタイトレンジで膠着相場を続けていた米ドル/円相場にも影響を与えています。
総体的な米ドル下落の中、米ドル/円もついに78.00円を割り込み、一時77.68円まで下落。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
市場参加者のマーケットのコンセンサスは、77円台で「口先介入」、76円台で「実弾投入」というものですが、実際、9月12日(水)に安住淳財務相から、為替マーケットに関する下記のコメントが飛び出しました。
投機的な動きは明らかだ。断固たる措置はとるときは必ず取る
(出所:ロイター)
このコメントが出たのは77円台であり、マーケットの想定内ですが、このコメントの中に「必ず」という文言が追加されていたところが注目されています。
8月からのユーロ/豪ドルの急反発と、ユーロ/米ドルの約900ポイント急騰というマーケットを経て、欧米の短期筋が次に注目しているのが米ドル/円。
全体的な米ドル安トレンドの中、仮に76円台に突入した場合、当局から「実弾が投入」されるかどうかに市場の関心が移行しています。
仮に介入が入れは、3円ほど上昇するケースが多いため、一気に80円台を回復する可能性が濃厚。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
9月13日(木)、本稿執筆時点での米ドル/円は77.70円で依然、上値の重たい展開となっています。
当面、米ドル/円と本邦当局の動向に注目です。
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