Q 孤独を感じたりはしませんか?
「感じますね、特にプロ1年目はなんて孤独なんだと」。
プロ契約をした1年目は1日平均16時間くらい練習をしていたらしく、目は痙攣し、長時間、画面に向かっていることで精神も病んでいったそうです。
「それで結果が出なかった日にはもうボロボロ」。
どんどん体調も悪くなっていき、いよいよ限界かと思った時、梅原さんは自分なりにゲームとの距離感を考えたそうです。
すべての時間をゲームに使うことがプロだという思いからとにかくがむしゃらにやっていたようですが、結果的に自分を追い込んでいたのです。
そんな状態で挑んだ世界大会では見事2連覇を果たした梅原さんですが、ご本人は「うっかり結果が出てしまった」と言うのです。
心身ボロボロになるまで頑張って、仮にいい結果が出たとしても、それを続けるのは無理。
何よりゲームをやっていても楽しくなくなってしまったことに気づいたそうです。
何事も休憩と練習のバランスが必要で、継続するということが大事なんですね。
ノンストップで走り続けた1年目、2年目に対し、3年目は割とリラックスしたいい状態で試合に臨むことができたようです。
結果は世界5位と数字だけ見れば前年から順位を落としたことになりますが、精神的に安定していたという点では満足のいく1年だったとのこと。
梅原さんは最初の頃を振り返って「寂しいし孤独だしキツイ」とおっしゃっていましたが、1回はそういう経験をすることで初めて気づくこともあると言います。

何かを一生懸命やるということはその道を極めるためには当然必要なことではありますが、それを続けるためには肩の力を抜くということも覚えなければいけないようですね。
そんなさまざまな経験をされてきた梅原さんですが、勝負の世界では勝つこともあれば、当然負けることもあります。
これまで多くの対戦を経験してきた梅原さんに勝敗に対する考え方についてうかがいました。
Q 勝った時、負けた時のそれぞれのメンタル状況を教えてください。
「勝った時ほど俺はチャンレンジャーなんだ、と思い込ませるようにしている」というのが梅原さんの考え。
勝つと周りからマークされ、勝てば勝つほど勝ちづらくなっていくのだそうです。
なので、勝った時ほどヤバいと思わなければいけないと言う梅原さん。
反対に負けた時はその後の対策を立てればいいという意味では気が楽なようです。
勝った時は相手の自分に対する次の対策を考えなければいけないため、勝っている日ほど練習時間を増やし、甘えないようにするそうです。
勝てばうれしい、負ければ悔しいからもっと練習をする、というのが一般的な感覚だと思うのですが、梅原さんは逆なんですね。

こうした考え方は、他のゲーマーを観察しているうちに身につけたそうです。
勝った時はいつもより早めに帰った人が次どうなるのかというのを見ていると、やはり負けていることが多いことに気づいた梅原さん。
今日は勝ったからいいや、次は負けるかもしれないから気持ちがいいうちに帰ろう、という考えではダメ。
感覚としては10勝ったら、7負けるくらいの気持ちでやるのだそうです。
10勝ったまま舞い上がって帰ってしまうと、自分は10勝てる人間だと思ってしまうのです。
確率の偏りがあるということを理解し、負けるべき負けはその日にきっちり負けて帰る。
そうすることで、また次の日はチャンレンジャーとして頑張ることができるわけです。
格闘ゲームもFXも終わりがない世界です。
ゴールがない勝負を続ける人は勝ちに喜びを見出すのではなく、成長に喜びを見出さないといけないと梅原さんは言います。

1回1回の結果に一喜一憂しているようではダメなんですね。
勝った時ほど冷静に、負けた時は次に頑張るための割り切りが必要。
FXをする上でも参考になりそうな考え方ですね。
【葉那子のトレード報告2012年10月1日(月)~10月5日(金)】
トレードなし。
口座残高:10万210円
先週1週間は実はシンガポールに行っていたため、トレードはできませんでした。
今週からまた頑張ろうと思います。
(「世界のトップゲーマー・梅原大吾に聞く!(3) 常に新しいことにチャレンジする姿勢」へつづく)
(取材・文/葉那子 撮影/和田佳久)
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