(「専業トレーダー・おばらっちさんに突撃(1) 最初の成功&失敗から学んだこと」からつづく)
みなさん、こんにちは、葉那子です。
今回も引き続きFX専業トレーダー、おばらっちさんのインタビュー模様をご紹介します。
前回の記事でおばらっちさんがどういうトレーダーかというのをご紹介しましたので、まだご覧になっていない方はそちらをチェックしてみてください。
【参考記事】
●専業トレーダー・おばらっちさんに突撃(1) 最初の成功&失敗から学んだこと
【元ディーラー・西原宏一さんへの取材記事】
●元ディーラー西原宏一さんに突撃!(1) FXトレーダーに向いてる人、向いてない人
●西原宏一さんに突撃!(2) 銀行ディーラーと個人トレーダーの決定的な違いとは?
●西原宏一さんに突撃!(3) トレーダーになるため、第一にすべきこと!
●西原宏一さんに突撃!(4) 成功ルールを作るためにすべきこと
さて、今回はおばらっちさんのトレードスタイルについて具体的にお聞きしました。
前回の記事ではおばらっちさんはテクニカルをとことん研究したと言いましたが、手法以前におばらっちさんが重要視しているのが、トレードに対する考え方だそうです。
「自分はものすごく普通な人間なので、トレードをする時はトレーダーモードに切り替える」と言うのです。
トレード前の毎回欠かさない儀式とは?
その方法は、自分でトレードの「トレード心構え」をいくつか書いたものがあり、それをトレードを始める前に音読するというもの。
おばらっちさんは欧州が始まる15時頃(夏時間の場合)からトレードを始めるそうですが、毎日これを行なっているらしいです。
「たとえば野球選手で、バッターボックスに入る前に素振りをしないで入る人はいないというのと同じだと思っています」と実にわかりやすいたとえ。
少し拝見させていただいたのですが、パソコンのワードに書かれたその「トレード心構え」は意外と長く、毎日10分くらいかけて音読するそうです。
その「トレード心構え」をすべてお見せすることはできませんが、概要は以下のとおりです。
○トレードに関してのメンタリティ(内容を要約)
(1) 裁量はルールに従ってエントリーするかどうかの最終判断と位置付け、素早く判断してチャンスを掴み取れ。
(2) 損をしてもそれは数多いトレードの結果の1つに過ぎないのだからいちいち心を揺らされることなく、利食いしても損切りしても次のチャンスを得た事を喜ぼう。
(3) 逆張りは転換点を探すのではなく天井と大底を探すことを意識しよう。
(4) トレンド発生中はそろそろ終わるかもしれないなどと予想するような無意味なことはせず、流れに素直に乗ってチャンスを掴むことを考えよう。
(5) 勝っても負けても自分の判断は常に最善であると考えよう。逆に自分の判断に少しでも不安を感じるような時はトレードを中断すべきである。
(6) 自信を持って挑もう。
今日も良いトレードをしてがっちりチャンスを掴もう!!
慎重かつ大胆に相場に挑んでいこう!!
折角トレードするのだから相場自体を楽しんで充実した一日を過ごそう!!
相場には預けてある預金を引き取りに行くくらいの余裕をもって挑もう!!
○基本ルール
(1) 自分で決めたシステムのルールは常に尊守すること。
(2) トレードは真剣に。ただし楽しむくらいの心のゆとりを失わないこと。
(3) エントリーの判断理由、ストップ値及び利食い幅の根拠を誰かにきちんと説明できる場合のみエントリーを行う。
(4) 損をした次のトレードでは気持ちを落ち着かせて(できればロットを下げて)挑むこと。
(5) 調子が良い時も敢えてロットを下げて常に冷静なトレードに励むこと。
(6) 精神的にも肉体的にも充実している時のみトレードを行うこと。
(7) 負けた時はどれほど辛くてもその場で気持ちを切り替えて原因分析を。
(8) 負けを取り戻そうという気持ちがある時はトレードを行わない。
(9) トレードの際はPipsだけを見てその後ろにあるお金を見ないこと。
(10) 万全の態勢でトレードに取り組むために規則正しく健康的な生活をしよう。
それぞれの項目にはもっと細かい説明があるのですが、今回は一部を掲載させていただきました。
また、このおばらっちさんオリジナルの「トレード心構え」のほかにも、書籍『デイトレード』(オリバー・べレス他著、林康史監訳)の中にある「トレーディングにおける7つの大罪」という箇所をPDF化したものもいっしょに音読するらしいです。
確かに2つ合わせると10分はかかる量です。
また、「音読」するというのがポイントだそうで、読んでいる途中で嫌になる時があるらしく、そういう時は精神状態が良くないということでトレードはしない、というのがおばらっちさん流のルール。
これから勝負をしようという時に、準備段階で煩わしさやめんどくささを感じるということは、自分が勝負できる状態になっていない、といのが理由。
トレードは負けるのが標準
「そんな時に限って相場に振り回されるんですよ」とおばらっちさんは言います。
「基本的にトレードは負けるのが標準だと思っているので、環境が万全じゃない状態で勝つというのは考えられない。少しでも条件のいい状態の時に挑んで、初めて五分くらいなのかなと思っている」というのがおばらっちさんの考え方。
トレードはメンタルが大きく左右すると言いますが、おばらっちさんはそれを考慮した上で、ご自身のメンタル状態を確認するバロメーターを持っているんですね。
さて、トレードに対する向き合い方をお聞きしたところで、やはり気になるのがおばらっちさんのトレードスタイル。
もちろんこの質問は欠かせません。
Q. おばらっちさんのトレードスタイルについて教えてください。
スキャルピングほど短くはないけれど、短期のデイトレード。
メインの取引通貨ペアは、ユーロ/円、ユーロ/米ドル、英ポンド/円、あと英ポンド/米ドル。
ポジションを1時間以上持つことはあまりなく、大体早ければ5~10分以内で、ごくまれに動きが激しい時は1分という時もあるとのこと。
「動かないポジションを長く持っているのが嫌い」で、ポジションを持ったのに動かないということは思惑と外れたということなのでさっさと切ると言います。
この潔さは見習うべきところですね。
また、利益確定の値幅は20~30pips。
メインでトレードをする時間軸は5分足、15分足で、そのほか1時間足、4時間足、日足をチェックしているそうです。
パソコン環境は、ノートパソコン2台、デスクトップ1台、モニター2枚。
おばらっちさんの実際のトレード環境は動画でもご覧になれます。
そして、使用テクニカルインディケーターは、ボリンジャーバンド(±2、3σ、ミドルラインは26)がメインで、8移動平均線が1本、RCIを4本です。
おばらっちさんは今は裁量トレーダーらしいのですが、トレードをはじめて最初の2年はバリバリのシステムトレーダーだったらしく、裁量に移行した理由をお聞きすると、
「楽だから。システムトレードは結局あらゆる局面で勝てるわけではないし、相場に慣れてくると自分の判断を入れたほうがなんとなくわかりやすいと感じるようになった」とおばらっちさんは言います。
一見システムトレードのほうが楽なようにも思えますが、トレード経験が長くなるとシステムにはできないトレードの勘が身につくんですね。
楽にトレードをしたい
また、おばらっちさんのスタンスは、基本的に楽にトレードをすること。
「仕事は好きなのでいい仕事があればやりたいと思ってはいるけど、仕事ができなくなったらトレードで食べていくことになると思う。そう考えた時に、長く続けようと思ったら自分にとって楽なことじゃないと続けられない」
おばらっちさんの経験上、無理をしているとどこかでひずみができて、少しでも歯車が合わなくなると、そういう時に限って大負けするのだそうです。
とはいえ、無理せず楽にトレードができるようになるのはそう簡単なことではないですよね。
私も早く楽にトレードができるようになりたいです。
トレードをあえて誰かに報告する
さて、ここでおばらっちさんが勝てるようになった頃のお話に戻ります。
トレードを始めてすぐに大きな損失を出したものの、その後トレードの勉強を真剣にやるようになってからは、なんと10カ月で収支的に生活していけるくらいの利益を出せるになったおばらっちさん。
何年経っても勝ちトレーダーになれない人が多い中で(私も含め…)、10カ月でそれなりに勝てるようなったというのは「早い!」と周囲にも驚かれたようです。
そこでおばらっちさんは「もしかしたら誰かの参考になるかもしれない」という思いから、半年間ほどツイッターでご自身のトレードを細かくツイートしていたのです。
説明できないトレードはしなくなる
1回のトレードが終わった時に、どの通貨ペアをどういう理由でエントリーしたというのをつぶやいていたらしく、当時は100名ほどのフォロワーさんがいて、トレードの質問などにも答えていたそうです。
これをすることでおばらっちさんに何かメリットはあったのか聞いてみると、
「あります! 自分のトレードを誰かに報告する義務を持つと、それだけでトレードって落ち着くんです」とのこと。
なぜなら、ツイッターのフォロワーが見ていると思うと、恥ずかしいトレードはできないという意識が働き、人に説明できないトレードをしなくなったからだそうです。
以前は1日に100回トレードをしていたこともあるそうですが、ツイッター効果でよりトレードを厳選するようになり、トレード回数がかなり減ったと言います。
今はチャンスがなければトレードをしない日もよくあり、多い日でも1日4~5回。
おばらっちさんは相場が大きく動く時が得意だそうで、そういう時はいつもより多めにトレードをするそうですが、それでも二桁はいかないとおっしゃっていました。
私も本連載で毎回1週間のトレード報告をしていますが、確かに以前よりも慎重になった気がします。
ただ、厳選しすぎてなかなかエントリーできずにいるので、それはそれで問題かなと…。
さて、今回はおばらっちさんのトレードに対する考え方やトレードスタイルについてご紹介しましたが、いよいよ次回は具体的な手法のお話になります。
来週もお楽しみに!
(「専業トレーダー・おばらっちさんに突撃(3) ボリンジャーバンドとRCIの使い方」へつづく)
【葉那子のトレード報告2012年8月27日(月)~8月31日(金)】
0勝1敗1分(1注文ミス)
勝ちトレード:なし
負けトレード:ユーロ/米ドル +274円(+7pips)、英ポンド/米ドル -550円(-24.1pips)
合計収支:-276円
口座残高:9万8243円
結局8月は一度も勝てずに1カ月が終わってしまいました。
しかも先週は1日しかトレードをしなかったのですが、この日は発注する通貨ペアを間違えたり、取引数量を間違えたりして(少ないほうにですが)、結局損切り。
今は毎晩チャートの前に張りつくことができないので、デイトレードは自分のライフスタイルに合っていないと感じています。
数日ポジションを保有するトレードスタイルに変えたほうがいいのは薄々気づいているのですが、それには手法の検証が必要になります。
9月は今のデイトレを続けながら、新しいトレードルール作りも始めようかと思います。
皆さん8月のトレードはいかがでしたか?
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0.2銭原則固定 (9-27時・例外あり) |
0.3pips原則固定 (9-27時・例外あり) |
1000通貨 | 30ペア |
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