週明けの昨日のアジア市場では、円売りの勢いが強まった。これは私の想定とは反対の動きだった。私としては、先週末の米国株の不調や原油価格の下落などで、今週はリスクオフの流れで始まると思っていたのに。それもかなり強烈なリスクオフとなるのではないかと期待していた。
クロス円もそろそろ高値警戒感の出てきそうなレベルでもあったし、そのうえドル円の79円台のミドルアッパーはオファーがたっぷりと聞く。もちろんオファーがたくさんあろうが、重要なテクニカルポイントがあろうが、上がる時は上がってしまうものだが今年のドル円の一日当たりの変動幅を考慮に入れても、とても80円台までとづくとは思われなかった。
そういったことも引きずっていて、私としてはドル円やユーロ円の売り場探しというスタンスで臨むこととなった。それでもレベルが高いので、単純な逆張りでいいとは思っていない。できるなれば、下がりっぱなを叩くという感じになるのが最もよい。
しかしアジア時間では日本の悪材料ばかりが出てきた。朝の貿易赤字は中国への輸出が減っているのだから予想にかなったものとしても、午後に出た地区経済の報告がほとんど悪い結果となった。ドル円は79円台の前半だったものが、着実に売りものをこなしながら前進。欧州時間になるころには79.80あたりまで上昇。
ドル円の80円台はあと一歩!というところまで来た。問題は短期的な買い戻し、ストップ注文の量である。値幅も小さいことから、そんなに巨額の買い戻し注文が並んでいるとも思えないが、それでも一段高の後押しにはなる。
さらに円安の背中を押すこととして、日本株が東京時間で大きく反発したことだ。これは日本の悪材料にも関わらず、それが円売りにつながって、その円安を好感したというもの。株高は欧州株にも伝染して、グローベックスでの米国株も高い。こうした株高が間接的にリスク許容度を増大させ、それがさらにリスクテークを誘い、円売りに向かう原動力になり得るということだ。
結局、欧州時間からニューヨーク時間にいたるまで円安は続き、ドル円はいまにも80円台に乗せそうなレベルまで上昇して、そのまま高値引け。ユーロ円も104円台に乗せてからはまったくの押し目を作らなかった。
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