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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

もはや豪ドルは「資源国通貨」ではない?
米ドルには上昇を強く示唆するシグナル!

2012年10月26日(金)17:26公開 (2012年10月26日(金)17:26更新)
陳満咲杜

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■RABは豪ドル高を阻止できるのか

 実際、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のたび重なる利下げは豪ドル高を是正することが目的であるのは明白で、これは豪州への資金流入を防ぐといった側面が強い。よって、豪ドルは仮にこれから利下げがあっても、相当な優位性が失われることはなかろう。

 RABの豪ドル高阻止は、果たして利下げだけでできるものだろうか。大投資家、ジム・ロジャーズ氏はかつて「中央銀行がやりたいものの逆を張れば、最後は儲かる」と言っていたようだが、これは多少大げさだとしても、肝心の部分は間違いないだろう。

豪ドル高はファンダメンタルズにおける優位性を背景としているだけに、安易に阻止できないと思う。

 直近の市況では、豪ドル/円が一番これを証左する可能性が高いと思われる。豪ドル/円の日足を見てみよう。

豪ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 昨日(10月25日)、豪ドル/円は9月高値を更新していた。このブレイクの意味を過少評価すべきではないし、シグナルとして見逃せないところだ。

 昨日(10月25日)、筆者が配信したレポートから一部を引用し、その意義を解釈したいと思う。以下は引用文。

「日足では、まず注意していただきたいのは、今年7月以来、大型中段保ち合い変動における主要高、安値、殆ど3月高値を起点とした全下落幅に対する38.2%や61.8%FIBO位置の前後に集中し、これから高値更新があれば、全幅戻し、つまり3月高値の回復を目指す機運を高める。

この場合、8月高値を「ヘッド」とした「ヘッド&ショルダーズ」の崩壊をもたらし、同フォーメーションを「ダマシ」と見做した場合、上放れは強力な買いシグナルと化す。また、値幅的には、前記フォーメーションの値幅をそのまま上乗せした「倍返し」がもっとも有力視され、同計算では87.60前後のターゲットを示し、3月高値(88.60)に一円程度の差しかなく、中期スパンにおける目標として意識しておきたい」

 当然ながら、前述の予測どおり、豪ドル/円の上値余地が拡大すれば、米ドル/円も相応のパフォーマンスを示すはずだ。言うまでもないが、米ドル/円もしばらく上値志向を強めるのではないかとみる。

■米ドル/円の上昇は続く可能性が高い

 ここで米ドル/円の上昇可能性について、今回はやや異なる視点で見てみたい。

 下の日足で注目していただきたいのは、まず、2011年3月震災時の一時安値を除き、2009年以来、米ドル/円のボトムはほぼ10カ月~11カ月前後の周期(サイクル)をもって底打ちのタイミングを示してきた。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 2011年10月末の安値から考えると、2012年9月13日(木)をもっていったん底打ちし、上昇に転じたのは自然の成り行きだ。

 それだけではなく、9月13日(木)の安値をもって2011年10月安値からのサイクルを完成したのであれば、明らかにそれ以前の3つのサイクルとは違った構造を示していたことがわかる。

 具体的に言うと、前の3つのサイクルでは、上昇周期の方が下落周期より周期も短く値幅も小さかったが、9月安値で完成した最近のサイクルは、下落値幅のほうが上昇値幅より小さかった

 これは、ブル(上昇)トレンド展開の可能性を強く示唆するシグナルであり、米ドル/円の続伸を意味するサインとして受け取れる。

 このあたりの詳説はまた次回。

(10月26日 13:20執筆)

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