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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ドル/円のリバウンドは最終段階の可能性。
世界金融市場に混乱拡大のリスクあり!

2013年06月21日(金)17:38公開 (2013年06月21日(金)17:38更新)
陳満咲杜

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■バーナンキショックに冷静な米ドル/円と日経平均

 バーナンキショックが、再びマーケットを直撃してきた。

 日本時間で、昨日(6月20日)未明のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明において、2014年中のQE(量的緩和策)の終焉が示唆され、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の口からも同じことがはっきりと語られた。

 米株安をはじめ、世界中が同材料に反応。そのパニック的な市場心理を語るのに、金の暴落と安値更新がもっとも良い例となっている。 

金価格 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ところで、本日(6月21日)の米ドル/円と日経平均の反応は、今のところ極めて冷静で限定的だ。

 米ドル/円は97円台をキープしている。昨日(6月20日)、98円前半まで続伸したことから考えて、目先の反落は容認できる範囲だ。

 日経平均にしても、昨日(6月20日)の下落に続き、本日(6月21日)200円超安で寄り付いたものの、執筆中の現時点では切り返しを見せ、一時1万2900円を回復していた。

 言ってみれば、今回のバーナンキショックに米ドル/円と日本株が共に冷静でいられるのは、これまでの調整が大きかったからだ。

前回のコラムで指摘したように、短期スパンにおける売られすぎに対する反動で、米ドル/円と日本株はともに戻りの余地があり、米ドル/円の98円台、日経平均の1万3300円手前の打診はその一環であると思う。

【参考記事】
ユーロプチバブルは最終段階で崩壊寸前!一方、「陰の極」にある豪ドルは反発必至!(2013年6月14日、陳満咲杜)

■米ドル/円や日本株の戻りはまだ続くのか?

 問題は、こういった戻りがこれから継続されるか、それとも戻り自体がすでに終了し、これからベア(下落)トレンドへ復帰するかどうかである。

 ここまで書くと、筆者の意図も明らかになるであろう。つまり、筆者としては、先週のコラムで米ドル/円と株の下げ一服やリバウンドを予想していたが、それは、あくまでベアトレンドに対する調整であり、米ドル/円も日本株もなお底打ちしていないと思っていたのだ。

【参考記事】
ユーロプチバブルは最終段階で崩壊寸前!一方、「陰の極」にある豪ドルは反発必至!(2013年6月14日、陳満咲杜)

 そうでないと、戻りの余地云々ではなく、いつブル(上昇)トレンドへ復帰するかを検討しなければならないが、残念ながら現時点では時期尚早だ。

 もっとも、FRBの出口政策は、景気動向を確認してから実施されるとバーナンキ氏は強調している。それでも今回のFOMCが、より明確な言い方で出口政策を表明していること自体、議長を始め、FRBが景気の見通しに自信を持っていることを表している。

 したがって、QE終焉が示唆されたことは、資金の引き揚げが懸念される新興国と違い、米国景気自体にはむしろプラスのサインとして受け止められる。

 それでも米株の大幅安が懸念されているのであれば、それは他ならぬ、米株の買われすぎと米金利の下がりすぎが問題であることを露呈している。

 言い換えれば、度重なる量的緩和の結果として、米株の上昇と米金利の低下がともに「異常」なレベルまで進んでいた以上、その反動も避けられないだろうと、市場関係者らが疑心暗鬼でピリピリしているからだ。

■問題は米株の調整や米金利上昇のスピードだ

 となると、日経平均と米ドル/円のこれからのパフォーマンスに影響を与えるのは、米株の調整や米金利の上昇そのものではなく、それぞれのスピードが重要になってくる

 出口政策の実施で米株の調整と米金利の上昇が避けられないなら、激しく進むか、それとも漸進的に進むかによって、ずいぶん違う結果がもたらされるはずだ。

 米ドル/円に限っていえば、米金利の上昇は本来プラス要素だが、米株の調整とともに、早すぎるスピードはマーケットの波乱をもたらし、リスク回避の動きを強める

 その結果、円がまた買われて、米ドル/円の調整が一段と下値を拡大する可能性を無視できない。要するに、ピリピリしているマーケットはパニックになりやすいから、米ドル/円や日経平均がこれからも冷静にいられるかどうかは不透明なのだ。

■GMMAとRSIから、米ドル/円は安値圏での保ち合いか

 テクニカル的な視点では、今回もGMMAチャートを見てみたい。

 下のチャートが示しているように、鰯軍団(短期組)はいったん鯨軍団(長期組)の下に潜れば、しばらく右下がりに遊離していくが、その前に再度鯨の包囲を確認する習性がある。 

【GMMAチャートに関する参考記事】
先行指標の豪ドル/円が上昇トレンド終了。GMMAチャートは円高の流れを示唆!(陳満咲杜)

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

 

(出所:アイネット証券)

 この意味では、足元の相場はまさに鯨の包囲を試す最中で、同包囲が本物であれば、鰯軍団はまたあきらめて再度下行して、できるだけ鯨に食われないように、大きく遊離していくだろう。

 チャート上にはRSIも併記しているが、もっともシンプルな見方として、同ラインが50の中間線を上回れるかどうかに注目したい。

 GMMAチャートにおける鯨軍団の抵抗と相俟って、RSIが同中間線を継続的に上回れなければ、リバウンドの終了、至って調整波(ベアトレンド)への復帰が予想されるので、継続的にフォローしていきたい。

 仮に、両指標からともに頭打ちのサインを読み取れれば、前回のコラムで指摘していた米ドル/円のリバウンドは、最終段階にある可能性が大きく、再度頭打ちを確認できれば、再び安値を試す値動きとなろう。

【参考記事】
ユーロプチバブルは最終段階で崩壊寸前!一方、「陰の極」にある豪ドルは反発必至!(2013年6月14日、陳満咲杜)

 この意味では、米株を含め、世界金融市場の混乱は一段と拡大される可能性があると意識しておきたい。

 最近は中国の金融引き締めもあり、米国発のみではなく、より広い範囲での波乱も覚悟しておきたい。リーマンショック以降、ずっと量的緩和を続けてきた米国の政策転換は、いつものように米国よりも新興国に与える影響が大きいから、連鎖的な反応を起こしてしまうリスクを軽視できない。 

 一方、週足では米ドル/円のブルトレンドは、なお維持されていることを確認できる。

米ドル/円 週足(クリックで拡大)

(出所:アイネット証券)

 先週(6月10日~)の安値は、ちょうど鯨軍団に支えられていたことが確認できるうえ、RSIも50の中間線をタッチしてから戻ってきている

 となると、仮にこれから米ドル/円が頭打ちとなり、再度安値をトライしようとした場合、よほどの悪材料がない限り、一気に下値を大幅拡大していくのも想定しにくい

 よって、しばらく安値圏にて保ち合いを続けるといったシナリオが、一番有力となる。

■ユーロ/米ドルは頭打ち、ユーロ/豪ドルは「最後の輝き」

 他の通貨では、前回のコラムで指摘したとおり、ユーロ/米ドルの頭打ちが確認されたが、ユーロ/豪ドルの高値更新と相俟って、豪ドル/米ドルはまた安値を更新している。 

【参考記事】
ユーロプチバブルは最終段階で崩壊寸前!一方、「陰の極」にある豪ドルは反発必至!(2013年6月14日、陳満咲杜)

ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

前回指摘したように、ユーロはプチバブルの状況にあるが、ユーロバブルの崩壊はユーロ/豪ドルの反落なしでは確認できないから、目先なお慎重なスタンスが要求される。

【参考記事】
ユーロプチバブルは最終段階で崩壊寸前!一方、「陰の極」にある豪ドルは反発必至!(2013年6月14日、陳満咲杜)

 ただし、ユーロ/豪ドルは目先の高値更新で強い勢いを示すものの、ブルトレンドの最終段階といった判断は不変。この相場はいつ修正されてもおかしくなかろう。

 5月23日(木)前後における米ドル/円と日経平均の強気ムードと同様、ユーロ/豪ドルは最後の「輝き」を放っているだけに、もっとも目がくらむ存在だ。 

ユーロ/豪ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 日足

 このあたりにおけるテクニカル上の検証は、今週(6月17日~6月21日)の終値を待った方がやりやすいので、また次回のコラムに譲るが、豪ドルの安値追いには慎重なスタンスを再度喚起しておきたい。

 最後に余談だが、どうやらバーナンキ氏は、オバマ大統領のヒンシュクを買ってしまったようで、続投ばかりか、早期退任もあり得るとウワサされている。

 事情はともかく、バーナンキ氏の登場はQEのために始まったもので、もしも今回氏の退任と共に、QEの終焉が確認できれば、「ヘリコプター・ペン」のあだ名を持つ同氏への評価は歴史上、いかなるものとなるだろうか。

 「ヘリコプター・ベン」の凋落から、「黒田バズーカ」への連想が膨らんでしまうのは筆者だけだろうか。

(6月21日 14:30)

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