■テーパリング期待後退でユーロの買い戻し進む
みなさん、こんにちは。
先週ご紹介したとおり、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演により、為替マーケットのドライバーであった「tapering(テーパリング)」(※)というわかりやすいテーマが大きく後退しました。
【参考記事】
●ハト派なバーナンキ証言でドル高収束へ。上値余地拡大のユーロ/英ポンドに注目!(7月18日、西原宏一)
そのため、今週は緩やかな「株高、米ドル安」が続き、ユーロ/米ドルも、豪ドル/米ドルもじり高(米ドル安)の展開となっています。
(※編集部注:tapering(テーパリング)とは、米量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
G20、そして注目された参議院選挙も、あまりにもコンセンサスどおりの結果に終わり、マーケットにはテーマ性がなく、ボラティリティは低下。
ゴルディロックス(※)相場となり、ユーロ/円は緩やかに上昇し、昨日は一時132.75円まで、2013年5月22日につけた、133.84円の高値まであと1円というところまで上昇しました。
(※編集部注:ゴルディロックスとは、過熱もしすぎず、低迷もしていない状態のこと)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
テーパリング相場で注目されたのがユーロ/米ドルであったため、マーケットでは、ユーロ/米ドルとユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)が買い戻される展開が続いており、前述のユーロ/円やユーロ/豪ドルが買い戻される展開となっています。
このユーロクロスの中では対豪ドルであるユーロ/豪ドルに注目です。
■調整終了で、豪ドルは再び上値の重い展開に
5月と6月に急落を演じた豪ドルですが、7月前半は調整に入っており、対米ドルや対円ではレンジ圏での推移を繰り広げていました。
しかし対NZドルでは、淡々と下落を続けています。

(出所:CQG)
豪ドル/米ドルや豪ドル/円が調整局面に入っても、豪ドル/NZドルだけは粛々と下落していたことがわかります。
■RBAの利下げで豪ドル安再開か
そして、昨日(7月24日)、発表されたオーストラリアのCPI(消費者物価指数)の数字を受け、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は8月に利下げに踏みきるのではないかとの予測が台頭しました。
著名なRBAウオッチャーのMcCrann氏が、「豪ドルのインフレ指標はRBAに金利変更の余地を与える」とコメント。
つまり、彼が8月6日のRBAでの利下げ余地を示唆したという報道も加わり、豪ドル/米ドルは0.9300ドルのレジスタンスを明確に超えることなく、0.91ドル台前半まで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 1時間足)
強烈だったのはユーロ/豪ドルで、再び1.44ドル台というユーロ高値圏まで急騰。

(出所:CQG)
現在のところはテーパリング期待が遠のき、総じて米ドルが弱い環境下なので、ユーロ/豪ドルや豪ドル/NZドルといった、豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)での豪ドル安が目立ちます。
ただ、現状、米ドルが軟調に推移している中でも、豪ドル/米ドルが反落していることで、豪ドルの弱さが再び際立ってきました。
■8月には再びボラティリティが高くなる可能性も
今週(7月22日~)は、大きなイベントが終わり、ボラティリティが低下しています。
通常こうしたマーケットでは、リスクアセットである豪ドルにポジティブな環境にあるにも関わらず、豪ドル/米ドルが反落している点に、欧米の短期筋も注目しています。
今週(7月22日~)は大きなイベントの狭間で、ボラティリティが低いため、豪ドルクロスに注目が集まっています。
ユーロ/豪ドルは1.49ドルへ向けてじり高に推移。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
8月に入ると米雇用統計を控え、再びボラティリティが上がってくる可能性が高く、豪ドル/米ドルや豪ドル/円でも、再び豪ドルが値を下げてくる可能性が濃厚でしょう。
豪ドル/米ドルは再び0.9000ドル割れへ。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
8月に向けて、再び値を下げてきた豪ドルの行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。















![ヒロセ通商[LION FX]](/mwimgs/9/7/-/img_975127cf2c6be2ac1a68a003ef3669c022946.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)