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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ユーロプチバブルがいよいよ崩壊開始!
一時100円突破したドル/円は上値限定的

2013年09月06日(金)17:28公開 (2013年09月06日(金)17:28更新)
陳満咲杜

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■ドルインデックスはブルトレンド復帰を示唆

 ドルインデックスは一段と切り返してきた。昨日(9月5日)は、8月2日(金)高値の82.50を上回り、ブル(上昇)トレンドへの復帰を示唆している。

 本コラムで繰り返し指摘してきたように、「相場の宿命」から見ると米ドル高は必然的であり、テクニカル上の可能性を持つ以上、ファンダメンタルズはどうであれ、結局米ドル高に作用してしまうから、目先のドルインデックスの上昇は、まだ序の口だと思う。

 というのは、相場の歴史を振り返ってみると、相場の内部構造に沿った値動きが先行し、後を追う形で何らかの材料が発生して値動きを証左したり、さらにトレンドが発生して、それが大相場に発展していくケースが枚挙に暇がないからだ。

 昨日(9月5日)の出来事も同じことを繰り返しているように見える。

■ユーロ安はまだ始まったばかり

 昨日(9月5日)、ユーロは再び急落した。8月高値1.3451ドルから大きく下落してきたところ、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が利下げの可能性に言及し、ユーロ安をさらに推し進めた。

 今晩(9月6日)の米雇用統計は、値動きの可能性を証左する意味合いでは、やはり米ドル高に作用する内容となるのではないかと推測される。ユーロ安はまだまだ始まったばかりであろう。

 言い換えれば、相場を予測した場合、現時点の材料ではなく、相場の内部構造に着目すべきであり、またそうすることで、いち早くトレンドを発見でき、他人より一歩先が読める。

 現在ユーロ/米ドルの状況は、本コラム8月23日(金)の記事でも言及したが、筆者の8月21日(水)のレポートをもって、より具体的なテクニカル要素をもった説明ができる。

【参考記事】
アジア通貨危機再来なら円安か?円高か?中国崩壊論より、ユーロ暴落に注意!(2013年8月23日、陳満咲杜)

ユーロ/米ドル 日足(8月21日作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

ウェーブカウント、新たなに数え直し、4月安値から調整波の継続と見做す。

上のチャートで示しているように、2月高値1.3711から大型下落波を展開、4月安値1.2745をもって第1子波(紫)を完成した公算。この場合、同安値から足許までの切り返し、すべて調整2波(紫)に属しており、調整2波(紫)自体、大型拡散型トライアングルの形成をもって完成される見通し。

同拡散型トライアングル、7月安値1.2756から強い切り返しを展開、値幅の延長をもって最終波E(緑)の蓋然性を示唆。拡散トライアングルにおける各子波の値幅、上昇波としてのA波(緑)は約C波(緑)の8割に相当、同比例が保たれた場合、足許続いているE波(緑)、1.3530前後の上値余地を拓ける。

もっとも、各子波自体、ジグザグ変動パターンを示し、7月安値1.2755を起点とした切り返し、上昇フラッグといったフォーメーションをもって同ジグザグ変動を強化している。この場合、「フラッグ」の上限ラインに当たる抵抗ゾーンが1.3500前後の限界を示し、第1波(紫)の76.4%反騰位置と合致、同高値前後におけるトップアウトの可能性を意識しておきたい。いずれにせよ、調整波の最終段階といった判断を堅持、今週におけるトップアウトのサインの点灯、可能性として大きいから、見逃せない。

 実際、ユーロ/米ドルは1.3500ドルの節目にタッチせず、早期トップアウトしたが、基本的なウェーブカウントや位置づけは前出のレポートのとおりで、ベア(下落)トレンドの加速はむしろこれからだろう。

 早晩、4月、7月安値の1.2745ドル、1.2756ドルといった下値ターゲットゾーンを再打診する公算が大きい。

■ユーロクロスもそれぞれユーロプチバブル崩壊を示唆

 ユーロブチバブルの崩壊は本コラムでは繰り返し指摘してきたが、ユーロクロスの状況も、同じシグナルが物語っているはずだ。

【参考記事】
ウォールストリートジャーナルへの市場の反応は過剰! ユーロプチバブル崩壊へ!(7月26日、陳満咲杜)
ユーロ/円は年内に118円台の可能性も! ユーロクロスの異変がユーロ全面安を示唆(8月9日、陳満咲杜)
アジア通貨危機再来なら円安か? 円高か? 中国崩壊論より、ユーロ暴落に注意!(8月23日、陳満咲杜)

 まず注目されるユーロ/豪ドルは、しっかりしたダブルトップを形成し、これからベアトレンドを推進していくサインを灯していることがわかる。

ユーロ/豪ドル 日足(クリックで拡大) 

(出所:米国FXCM

 日足では、RSIが示す弱気ダイバージェンスが6月上旬から継続され、煮詰まりつつあったことがわかる。

 ユーロ/豪ドルのダブルトップの形成やその後の反落は当然の成り行きで、むしろ遅すぎた感がある。バブルというものは、弾けるまでわからないと言われるが、その兆しをしっかり押さえれば、少なくとも高値づかみは回避できるはずだ。

 次はユーロ/英ポンドだが、こちらもダブルトップの様相を深め、ユーロ高の終焉を示唆している。 

ユーロ/英ポンド 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ところで、たびたび指摘してきたように、豪ドルの売られすぎと相俟って、ユーロ/豪ドルに見るユーロプチバブルは、もっとも度合いが深刻であった。

 ゆえに、筆者は一貫して豪ドルの売られすぎを主張し、8月23日(金)のコラムで述べたとおり、8月5日(月)の安値0.8848ドルを起点とした切り返しがもう終了したと判断することは時期尚早であった。実際、日足における逆三尊型(※)というフォーメーションは、再構築されたものの、なお有効である。

【参考記事】
アジア通貨危機再来なら円安か? 円高か? 中国崩壊論より、ユーロ暴落に注意!(8月23日、陳満咲杜)

(※1 編集部注:「逆三尊型」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す形の1つ。真ん中に一番深い谷があり、その左右にそれより浅い谷が並ぶ)

■豪ドル/米ドルは0.95~0.96ドル前後まで上昇の余地あり

 ユーロ/豪ドルと逆の形で、豪ドル/米ドルにおけるRSIは、5月半ばから一貫して強気ダイバージェンスを構築。かなり煮詰まりつつあったところ、これが日足における逆三尊型の形成につながった。ゆえに、豪ドル/米ドルの切り返しは今後も継続し、少なくとも0.9500ドル~0.9600ドル前後までの上値余地があるだろう。

豪ドル/米ドル 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

■豪ドル/円はリバウンドを継続する公算が高い

 豪ドルの切り返しは、もう1つの通貨ペア、つまり豪ドル/円からも観察される。

 結論から申し上げると、豪ドル/円は当面いったん底打ちを果たした公算が大きく、リバウンドを継続するだろう。根拠は以下のチャートをもって説明できる。 

豪ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 まず、上のチャートで示しているよう、4月高値105.43円からの下落波は、きれいな5波構造を形成し、8月28日(水)安値、8月7日(水)安値を更新できず、5波構造を持つ下落波の完成を示唆していた。要するに8月安値86.40円からリバウンドの展開を推し進めているということだ。

 次に、1-2-3の法則で測る底打ち、至って反騰の公算も大きいから、豪ドル/円のリバウンドは、当面起こりやすいとみる。

 1-2-3の法則に関しては、本コラム開始時にて紹介していたので、わからない方はさかのぼってご覧いただきたい。

【参考記事】
中川問題は関係ない!? 為替相場で円安が進んでいる本当の理由(2009年02月20日、陳満咲杜)

豪ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 豪ドルの底打ち、至って切り返しは、本質的には先の売られすぎに対する反動で、テクニカル的な要素をもってその可能性を見てきたが、本日(9月6日)となっては「豪州中銀が次の利下げ時期を言及していなかったから、利下げ観測の後退で買われる云々」と解釈される。

 理屈はともかく、豪ドルの切り返しは、売られすぎに対する反動がまだ始まったばかりである以上、ほかの外貨(米ドル以外の通貨)と分けて考えるべきだ。

 なぜなら、ユーロ/米ドルにしても、英ポンド/米ドルにしても、ベアトレンドに復帰してはいるが、売られすぎといった状況にはほど遠いからだ。

 ユーロ/豪ドルにしても、英ポンド/豪ドルにしても、先の買われすぎに対する修正が起こっただけで、反落波の継続は、まだこれからだ。

 この意味では、いささか異常に見えるが、ドルインデックスとリンクした形で豪ドルも上昇していく可能性さえある。

 もっとも、ドルインデックスに豪ドルは含まれていないことを記しておく。

■米ドル/円の上値は限定的とみる

 最後に、肝心の米ドル/円だが、100円の大台のブレイクをもってブルトレンドへ復帰し、これから高値更新していくだろうか。

 筆者は米ドル/円の100円大台乗せを受け、下値リスクの後退と受け止めるが、たちまち上値追いの展開となるかについては懐疑的だ。

 言い換えれば、従来のトライアングルの上放れをもって直ちにブルトレンドへの復帰を認定するには性急で、また違ったトライングルの形成も考えなければならないと思う。あくまでイメージだが、シナリオは下図のとおりだ。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 この根拠の詳説は次回に譲りたいが、ユーロ/円と英ポンド/円の日足からヒントをまず得たい。 

ユーロ/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

英ポンド/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ユーロ/円のトライングルにしても、英ポンド/円のダブルトップにしても、上放れなしでは依然反落の可能性が大きいから、こういった局面においてやはり米ドル/円がガンガン高値を取っていく時期ではないと思う。

 よって、米ドル/円の保ち合いパターンはなお続く公算が高い(なお、米ドル/円について詳しくは筆者のブログにて解説しているので、ご興味のある方はご覧いただきたい)。市況は如何に。

(9月6日 13:30)

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