■ドルインデックスはブルトレンド復帰を示唆
ドルインデックスは一段と切り返してきた。昨日(9月5日)は、8月2日(金)高値の82.50を上回り、ブル(上昇)トレンドへの復帰を示唆している。
本コラムで繰り返し指摘してきたように、「相場の宿命」から見ると米ドル高は必然的であり、テクニカル上の可能性を持つ以上、ファンダメンタルズはどうであれ、結局米ドル高に作用してしまうから、目先のドルインデックスの上昇は、まだ序の口だと思う。
というのは、相場の歴史を振り返ってみると、相場の内部構造に沿った値動きが先行し、後を追う形で何らかの材料が発生して値動きを証左したり、さらにトレンドが発生して、それが大相場に発展していくケースが枚挙に暇がないからだ。
昨日(9月5日)の出来事も同じことを繰り返しているように見える。
■ユーロ安はまだ始まったばかり
昨日(9月5日)、ユーロは再び急落した。8月高値1.3451ドルから大きく下落してきたところ、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が利下げの可能性に言及し、ユーロ安をさらに推し進めた。
今晩(9月6日)の米雇用統計は、値動きの可能性を証左する意味合いでは、やはり米ドル高に作用する内容となるのではないかと推測される。ユーロ安はまだまだ始まったばかりであろう。
言い換えれば、相場を予測した場合、現時点の材料ではなく、相場の内部構造に着目すべきであり、またそうすることで、いち早くトレンドを発見でき、他人より一歩先が読める。
現在ユーロ/米ドルの状況は、本コラム8月23日(金)の記事でも言及したが、筆者の8月21日(水)のレポートをもって、より具体的なテクニカル要素をもった説明ができる。
【参考記事】
●アジア通貨危機再来なら円安か?円高か?中国崩壊論より、ユーロ暴落に注意!(2013年8月23日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
ウェーブカウント、新たなに数え直し、4月安値から調整波の継続と見做す。
上のチャートで示しているように、2月高値1.3711から大型下落波を展開、4月安値1.2745をもって第1子波(紫)を完成した公算。この場合、同安値から足許までの切り返し、すべて調整2波(紫)に属しており、調整2波(紫)自体、大型拡散型トライアングルの形成をもって完成される見通し。
同拡散型トライアングル、7月安値1.2756から強い切り返しを展開、値幅の延長をもって最終波E(緑)の蓋然性を示唆。拡散トライアングルにおける各子波の値幅、上昇波としてのA波(緑)は約C波(緑)の8割に相当、同比例が保たれた場合、足許続いているE波(緑)、1.3530前後の上値余地を拓ける。
もっとも、各子波自体、ジグザグ変動パターンを示し、7月安値1.2755を起点とした切り返し、上昇フラッグといったフォーメーションをもって同ジグザグ変動を強化している。この場合、「フラッグ」の上限ラインに当たる抵抗ゾーンが1.3500前後の限界を示し、第1波(紫)の76.4%反騰位置と合致、同高値前後におけるトップアウトの可能性を意識しておきたい。いずれにせよ、調整波の最終段階といった判断を堅持、今週におけるトップアウトのサインの点灯、可能性として大きいから、見逃せない。
実際、ユーロ/米ドルは1.3500ドルの節目にタッチせず、早期トップアウトしたが、基本的なウェーブカウントや位置づけは前出のレポートのとおりで、ベア(下落)トレンドの加速はむしろこれからだろう。
早晩、4月、7月安値の1.2745ドル、1.2756ドルといった下値ターゲットゾーンを再打診する公算が大きい。
■ユーロクロスもそれぞれユーロプチバブル崩壊を示唆
ユーロブチバブルの崩壊は本コラムでは繰り返し指摘してきたが、ユーロクロスの状況も、同じシグナルが物語っているはずだ。
【参考記事】
●ウォールストリートジャーナルへの市場の反応は過剰! ユーロプチバブル崩壊へ!(7月26日、陳満咲杜)
●ユーロ/円は年内に118円台の可能性も! ユーロクロスの異変がユーロ全面安を示唆(8月9日、陳満咲杜)
●アジア通貨危機再来なら円安か? 円高か? 中国崩壊論より、ユーロ暴落に注意!(8月23日、陳満咲杜)
まず注目されるユーロ/豪ドルは、しっかりしたダブルトップを形成し、これからベアトレンドを推進していくサインを灯していることがわかる。
(出所:米国FXCM)
日足では、RSIが示す弱気ダイバージェンスが6月上旬から継続され、煮詰まりつつあったことがわかる。
ユーロ/豪ドルのダブルトップの形成やその後の反落は当然の成り行きで、むしろ遅すぎた感がある。バブルというものは、弾けるまでわからないと言われるが、その兆しをしっかり押さえれば、少なくとも高値づかみは回避できるはずだ。
次はユーロ/英ポンドだが、こちらもダブルトップの様相を深め、ユーロ高の終焉を示唆している。
(出所:米国FXCM)
ところで、たびたび指摘してきたように、豪ドルの売られすぎ…
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