7月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録がリリースされた後、ドルインデックスは下げ一服を果たした。このような値動き、前回コラムで指摘したことと一致しているから、引き続きドルインデックスの反騰が続くという見方を堅持したい。
【参考記事】
●米株急落とドル全面安が連動する異変! これからのキーワードは「成長格差」か(2013年8月16日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
前回も強調していたように、ドルインデックスの2011年8月安値から引かれたサポートラインは重要な支持ゾーンとして意識され、8月20日(火)には一時これを下回ったものの、結局戻ってきた。
したがって、同支持ゾーンの役割が再確認され、これからブルトレンド(上昇トレンド)へ復帰する蓋然性も高まったと言える。
■場合によってはユーロ暴落のリスクあり!
となると、もっともポビュラーな推測として、まず、ユーロ/米ドルの頭打ち、さらにベアトレンド(下落トレンド)への復帰が予想される。
実際、ユーロ/米ドルは一時6月高値の1.3416ドルをブレイクしたから、一段と上値余地を拓いてもおかしくないが、1.3452ドル前後にて再度頭打ちを果たせば、早期のベアトレンド復帰も覚悟せざるを得ない。
(出所:米国FXCM)
その上、6月高値の一時ブレイクを受け、4月安値からの値動き、すべてを調整波(つまり、2月高値1.3711ドルを起点とした下落に対する切り返し)とみなす必要も出てきたから、日柄にしても、値幅にしても、調整波の延長がはっきりした形となった。
この見方が正しければ、いったんベアトレンドへ復帰すれば、来るべき下落変動もより大きなモメンタムを保つものになりやすいと推測される。
したがって、「ユーロ高は最終段階、これからユーロ安、場合によってはユーロ暴落のリスクを頭に入れておきたい」といった従来の判断は変わらない。
【参考記事】
●ウォールストリートジャーナルへの市場の反応は過剰! ユーロプチバブル崩壊へ!(2013年7月26日、陳満咲杜)
●米株急落とドル全面安が連動する異変! これからのキーワードは「成長格差」か(2013年8月16日、陳満咲杜)
■米ドル/円はしばらく保ち合いの状態を保つ公算が高い
米ドル/円に関しては、前回提示したチャートのとおり、一段とトライアングル型保ち合いパターンの完成に近づいている。
シンメトリカル・トライングル(※)に近い形なので、時間が経つにつれ、振動幅が縮小していく現象が観察され、まだ近日中は保ち合いが保たれるだろう。
(※編集部注:「シンメトリカル・トライングル」とは三角保ち合いの一種で、上値の切り下げ方と下値の切り上げ方がほぼ同じ形のもの)
(出所:米国FXCM)
この見方が正しければ、米ドル/円は直ちに上放れを果たし、ブルトレンドを展開するよりも、しばらく保ち合いの状態を保つ公算が高いということになる。ゆえに、少なくとも現時点では米ドル/円のブルトレンド復帰といった判断はなお性急だと思う。
■アジア通貨危機再来があれば円安になる? 円高になる?
ところで、FRB(米連邦準備制度理事会)が9月からQE(量的緩和)規模の削減に着手するといった観測が高まるにつれ、新興国からの資金流出の流れが一段と加速している模様。
アジアではインド、インドネシア、南米ではブラジルの状況がもっとも深刻のようだ。特にインドでは、インドルビーが40年来の安値を記録、第二のアジア危機再来を彷彿とさせるような光景が演じられている。
(出所:CQG)
(出所:CQG)
(出所:CQG)
もし、アジア通貨危機の再来があれば、過去の経験では円も…
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