昨日は日銀の金利会合で、資金供給の倍増が決定された。これで大いにリスクテークが進んだわけだが、この資金供給はとくに金融緩和を直接の目的にはしていない。通常のマネタリーベースの勘定に加算されるものではなく、景気支援策の一環としてのもので、金融機関の貸出増加を支援する制度である。
したがって追加緩和というべきものではなかったのだが、それでもマーケットは簡単に反応して、日本株は大幅上昇を演じることとなった。そして発表直後にはドル円も安値攻めをしていたのだが、すぐに急反発。102.50も越えてきた。
こうなってくると私としてもドル円の買いで参戦せねばという気になってくる。まったくディップをつくらないからだし、純粋なトレンドフォローの意味もある。日銀のアクションそのものには私も懐疑的なものを残しながら、目をつぶって102.54で買って行った。
とりあえず15ポイントのリスクだけ取ってみて、値幅は30ポイントを狙うというつもりだ。この急上昇の過程で買い遅れたプレーヤーの押し目買いが強力に入ってきて、リスク資産は総じて堅調な動きが続いた。
それでも株価の伸びがなくなってくると、ドル円もル食い売りが出てくるようになった。どことなく頭が抑えつけられたかたちとなって、ドル円の高値は012.73まで。欧州序盤を待つまでもなく、ドル円が垂れてきたので私もほとんど同値でやめることにした。海外勢の行動を見てから、次を考えよう、、、。
アメリカの経済指標はいろいろ出てきてが、悪いものが並んだ。エンパイア指数では景況感の悪化が示され、対米証券投資も予想と異なる純流出だ。また住宅のデータもこれまた大きく予想を下回った。でも今のところは悪天候のためだという理由が用意されていて、大きなリスク回避には至っていない。
そして米国株は再び歴史的な高値を臨む位置につけている。半日で届きそうな距離である。しかしさらにリスクを取っていくには根拠に乏しいので、米国株の値幅は実に小さいものに留まっている。昨日のニューヨーク時間では為替相場もほとんど動かず、狭い動きに終始した。
ドル円もユーロドルも20ポイントも動かなかった。先週からの高値追いの調整が出ているポンドくらいしか目立つものはない。やや値を崩している。でもポンドドルでさえもその値幅は50ポイント程度しかなかった。
消費増税の前には景気の腰折れを懸念して、日銀が追加緩和を実行するのではという観測もあったが、今のところは温存した格好になっている。海外の中央銀行はすべて出口戦略に向かっているなかで日本だけは緩和の維持を期待されているというの、なんともである。
3月に向けてはシーズン的に日本企業のリパトリもあるとされているので、よりいっそう円高への対抗策が出てくるのか。それを考慮すれば3月中盤までドル円は下がらないかもしれない。しかし今年のレンジの半値が103円台の前半に位置しているので、ここを越えてくれば、しばらく腰の強い相場展開も考えられるが、それを越えない限りは依然として戻り売りでよいのではないかと考えている。
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