■米ドル/円はレンジ推移、101円台での押し目買い継続
みなさん、こんにちは。
例年、ゴールデンウィークの時期は、ボラティリティが高まって、為替市場は活況となります。
ところが、2014年の米ドル/円は、これまで100円-105円のレンジに収束。この時期になってもボラティリティは上がらず、101円-103円の狭いレンジで推移しています。

(出所:米国FXCM)
米ドル/円が動意づくかは明日、5月2日(金)の米雇用統計の結果待ち。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
米ドル/円は前回コラムに続き、100.70円が割れない限り、101円台での押し目買い継続。
【参考記事】
●今のような膠着相場で儲ける方法とは?米ドル/円は100.70円近辺で底値のメド(4月24日、西原宏一)

(出所:米国FXCM)
■ボラティリティの高い通貨ペアが選好される傾向
先週のコラムで、このところの主要通貨のボラティリティの低さから、短期トレーダーにはボラティリティの高いユーロ/豪ドルか英ポンド/円が選好される傾向があることをご紹介しました。
【参考記事】
●今のような膠着相場で儲ける方法とは?米ドル/円は100.70円近辺で底値のメド(4月24日、西原宏一)
この背景には、米ドルの動きが明確でないことがあります。

(出所:米国FXCM)
回復基調にあると言われている米国経済ですが、このところの米国指標はまだら模様。
雪の影響と言われていますが、米国ほど天候に影響される国は他に見当たらないこともあり、米国経済の回復に疑問符がついてきています。
そんな中、英国の雇用環境が改善し、利上げ期待が高まってきた英ポンドが主要通貨の中で一歩抜け出した展開。

(出所:米国FXCM)
■米医薬品大手の買収報道が英ポンドの底堅さに
加えて、マーケットではファイザーとアストラゼネカの大型買収報道が英ポンドを底堅くさせています。
ファイザーのアストラゼネカ買収、提示額引き上げが必要
米医薬品大手ファイザーによる英医薬品大手アストラゼネカ 買収計画について、提示額を約1050億─1100億ドルに引き上げ、現金支払いの割合を高める必要があると投資家はみている。
ファイザーからの2度の買収提案をアストラゼネカは拒否。英国の買収関連規定に基づき、ファイザー側は5月26日までに買収計画を進めるか、撤回するかを決めることになる。
(中略)
ファイザーが1月に提示した額は588億ポンド(988億ドル)相当、1株当たり46.61ポンド。これを現金30%、株式70%の割合で支払うという内容だった。ファイザー側は、この提案の引き上げが可能かを検討する見込み。
アストラゼネカは自社を「著しく」過小評価した提案で、特に現金支払いの割合が低いことを問題視した。
(出所:ロイター)
買収が成功するかどうかはまだわかりませんが、提示総額は987億ドル(約10兆円)との噂もあります。どの部分がキャッシュ払いなのか、どのくらいの為替が出るのかという話題がマーケットでは飛び交っており、英ポンドを底堅くしています。
■英ポンド/円は170円台後半まで上値余地拡大か?
英国の雇用改善に加え、医薬品会社の大型買収の噂もあり、英ポンドは主要通貨に対して軒並み堅調。
ユーロ/英ポンドは、今年に入ってサポートの0.8200ポンド近辺で何度も止められていますが、調整が終わり、このレベルを割り込むと次のターゲットは0.8000ポンド。

(出所:米国FXCM)
このところ、ユーロ/円が140円-142円で膠着しており、米ドル/円も前述のようにレンジ。
結果としてじわじわと上昇している英ポンド/円の上昇余地が拡大。

(出所:米国FXCM)
170円台後半あたりまで上値余地が拡大してきているのではないでしょうか?
主要通貨のボラティリティが軒並み低下している中、じり高で推移している英ポンド/円に注目です。
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