■ヒストリカルデータを入手できるFX会社はどこ?
まず、はじめに読者のみなさんはヒストリカルデータについてご存知だろうか。
ヒストリカルデータとは、文字どおり「過去データ」のこと。相場の世界でヒストリカルデータといえば、通常は過去一定期間の4本値(始値、高値、安値、終値)のことを指す。
ヒストリカルデータは、システムトレードで用いるプログラムなどをバックテストするときに使うのが、その使い方の代表例として挙げられるだろう。そのプログラムを過去の相場にあてはめたとき、どんな成績になるのかを検証する際に、バックテストのデータを使うわけだ。
また、システムトレード以外にも、過去の動きから相場の特徴を探り、今後のトレードに役立てたいというときに、ヒストリカルデータを使うこともできるだろう。
そこで今回は、そのヒストリカルデータを公開しているFX会社を紹介したい。
■アルパリジャパンが1分足、日足のデータを公開開始!
まず、新しいところでは、2014年6月24日よりアルパリジャパン[スタンダード口座]で提供されている為替レートのデータがダウンロードできるようになった。
【参考コンテンツ】
・FX会社徹底比較!:アルパリジャパン[スタンダード口座]
・FX会社徹底比較!:アルパリジャパン[プロ口座]
これは、アルパリジャパン[スタンダード口座]で取り扱われている主要8通貨ペアの「1分足」と「日足」の為替レートをアルパリジャパンのウェブサイト上からCSV形式でダウンロードすることができるというもの。ダウンロード可能なデータ範囲は2011年からとなっている。
ダウンロードできるのは、米ドル/円、ユーロ/米ドル、ユーロ/円、豪ドル/円、英ポンド/円、加ドル/円、NZドル/円、スイスフラン/円の8通貨ペアだ。
ちなみに「CSV形式」とは、データ形式およびファイル形式の1つで、異なるソフトウェア間でデータを交換する場合などに利用されるもの。エクセルなどの表計算ソフトでも読み込むことができるので、プログラミングの知識がなくても比較的簡単に取り扱うことができる。
では、為替のヒストリカルデータを提供しているFX会社はほかにもあるのだろうか? 以下は、ウェブサイトから誰でもヒストリカルデータを入手できるFX会社をまとめたものだ。

※取引ツールなどへのログインが必要なものは除く。
為替レートのヒストリカルデータをウェブサイトで公開しているのは、アルパリジャパンのほかに、セントラル短資FXやマネースクウェア・ジャパン、そして、ひまわり証券などがある。


また、東京金融取引所も取引所FX[くりっく365]で提供している為替レートのヒストリカルデータをエクセル形式にてウェブサイト上で公開している。

先に掲載した表を見てもらうとわかるように、通常、ウェブサイト上で提供される為替のヒストリカルデータは日足や週足、月足といったものが多い。新たにアルパリジャパンが「1分足」のデータを公開し始めたのは、珍しい試みと言えそうだ。
■ログインしてからダウンロード可能なFX会社は?
ここからは、口座開設して取引ツールなどにログインすれば、為替レートのヒストリカルデータが入手できるFX会社を紹介したい。

この表を見てもらうとわかるように、取引ツールのチャート画面からヒストリカルデータをダウンロードできるFX会社が多い中で、少し変わった方式を取っているのがGMOクリック証券だ。
【参考コンテンツ】
・FX会社徹底比較!:GMOクリック証券[FXネオ]
GMOクリック証券では同社の「マイページ」にログインすると、ヒストリカルデータを提供しているページへ飛ぶことができ、そこでヒストリカルデータをダウンロードできるようになっている。
このページではGMOクリック証券[FXネオ]で取り扱う15通貨ペアの為替レートのヒストリカルデータが用意されている。
また、データは「1分足」の4本値(始値・高値・安値・終値)となっており、2007年というだいぶ前からのデータをダウンロードすることが可能だ。
そして、日付ごとにファイルが分かれているので、欲しいデータをすぐに見つけることもできる。
■ティックや3分足、10日足のデータもダウンロード可能!
さて、ここからは取引ツールのチャート画面からヒストリカルデータをダウンロードできるFX会社もいくつか紹介したい。
まず、マネーパートナーズだが、こちらはPC専用の高機能取引ツール「HyperSpeed」や「HyperSpeed NEXT」のチャート画面から13通貨ペアのヒストリカルデータのダウンロードが可能。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:マネーパートナーズ[パートナーズFX]
●FX会社徹底比較!:マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]

HayperSpeed NEXT チャート画面

操作方法は、通貨ペアと時間軸を選択してチャートを表示させたら、右クリックでメニューから「HyperSpeed」なら「CSV形式でデータ出力」、「HyperSpeed NEXT」なら「データ出力」を選択。こうすれば、簡単にダウンロードすることができる。
次にインヴァスト証券だが、こちらは一般的な店頭取引口座の[FX24]のチャート画面から12通貨ペアのデータを入手できる。操作方法は、通貨ペアと時間軸を選んだ後に、チャート画面上で右クリックし、メニューから「CSV形式でデータ出力」を選択すればダウンロードが可能だ。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:インヴァスト証券[FX24]

ちなみに、2つのFX会社の操作方法などを見て、使い方が似ていると思われた方がいるかもしれないが、これは、いずれも「シンプレクス系」のシステムを使っていることが理由だろう。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:注文機能・システムで比べる:使用システム別に並べ替え
これらのシンプレクス系の取引システムは時間軸の自由度が高く、分、時、日、週、月という単位について、それぞれ自由に数字を設定したチャートを表示できる。
たとえば、3分足、10日足、8週足、3カ月足といった風変わりなチャートも表示可能なのだ(もちろん、5分足、1時間足といったよく使うチャートも当然表示できる)。
そして、そうやって表示したチャートのヒストリカルデータがダウンロード可能となっている。ヒストリカルデータはさらにティック(※)レベルでもダウンロード可能だ。
(編集部注:「ティック」とは株式や為替といった相場の細かい値動きのこと。値動きごとに更新されるチャートを「ティックチャート」と呼ぶ。ティックの語源は時計の秒針の動き「Tick」からきているが、秒足を示すものではない)
■独自のシステムのヒロセ通商でもダウンロードできる
そして、シンプレクス系ではなく独自のシステムで展開するヒロセ通商[LION FX]の取引ツールからもヒストリカルデータをダウンロードすることができる。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:ヒロセ通商[LION FX]

こちらは、インストール版のみならず、ブラウザを起動してログインするWindows版やFlash版といった、ヒロセ通商[LION FX]が提供するすべてのPC版取引ツールでヒストリカルデータを入手をすることができる。もちろん、ティックから月足までのデータが入手可能だ。
ちなみに、ダウンロードできる最大本数は、マネーパートナーズが「HyperSpeed」で3000本、「HyperSpeed NEXT」が5000本、インヴァスト証券が3000本であるのに対し、ヒロセ通商[LION FX]はインストール版は1000本、その他は400本となっている。
また、ヒロセ通商の子会社であるJFXでも高機能取引ツール[MATRIX TRADER]のチャート画面からヒストリカルデータをダウンロードすることができる。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:JFX[MATRIX TRADER]
記事冒頭で代表例を紹介したが、ヒストリカルデータの活用の仕方は人それぞれ。興味のある方は、このデータを利用したオリジナルの使い方を考えながら、トレードに活用してみてはどうだろうか。
>>>アルパリジャパン[スタンダード口座]の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>アルパリジャパン[プロ口座]の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
(ザイFX!編集部 庄司正高)
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