■2014年年末に向け、米ドル/円は調整相場へ
みなさん、こんにちは。
米雇用統計、日本のGDP改定値、衆議院選挙と、12月の注目イベントのうち3つを先週(12月8日~)までに通過。この間、米ドル/円は121.85円、日経平均は1万8000円台と2014年年内の高値に到達。
そして、12月最後の注目イベント、米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)を待たずに調整入りしていました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

(出所:株マップ.com)
そんな中、2014年年内最後のビッグイベントであるFOMCが12月16日(火)~17日(水)の日程で開催され、日本時間18日(木)未明に結果が公表されました。
FOMC声明文ではconsiderable time(相当の期間)というワードを残しつつ、patient(忍耐強く)を入れるというマーケットへの配慮を見せています。
【参考記事】
●FOMC先取りなどで新興国通貨が下落。タカ派で利上げ前倒し連想ならさらに調整も(12月16日、西原宏一&松崎美子)
そして、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見で、2015年1月と3月に開催される(※)FOMCでの利上げはないとコメントしたことで、「株高・米ドル高」へ。
(※編集部注:2015年2月はFOMC開催が予定されていない)

(出所:米国FXCM)
米ドル/円は一気に119円台まで上昇。

(出所:米国FXCM)
ただ、米ドル/円の119.00円~120.00円にかけては、オプションに絡んだ米ドル売りがぎっしり並んでいます。
12月19日(金)までは、119.00円、119.50円といった節目に5ビリオン(50億ドル)程度の米ドル売り。
120.00円にいたっては、同じく12月19日(金)まで、10ビリオン(100億ドル)ほどのオプションがあるとのウワサ。

(出所:米国FXCM)
この意味においては、このステージで米ドル/円が120円に乗せるのは厳しそうです。115.50~119.50円のレンジがしばらく続くのかもしれません。

(出所:米国FXCM)
■米ドル/円の高値は追わず、押し目待ち
欧米勢にとって来週(12月22日~)はクリスマスシーズンの到来。
ロシア危機の再来が騒がれる中、米ドル/円も12月16日(火)には、115円台ミドルまで急落しましたが、前コラムのとおり、115~116円台は絶好の押し目となり、あっという間に119円台まで反発。
【参考記事】
●手仕舞い売りが出て米ドル/円4.4円急落! 米ドル/円にロング再構築の好機到来(12月11日、西原宏一)
米ドル/円のディップ(押し目)局面では、欧米短期筋も米ドル買いに出てきますが、年末に向けて、119~120円では利益確定売りが目立つ展開。こうした環境下、当面は115~120円ぐらいのレンジでしょうか。もう少し細かく言えば、先ほど書いたとおり、115.50~119.50円程度のレンジではないかと思います。
米ドル/円は121.85円まで急騰した後、調整相場に入っているため、高値追いはせず、ていねいにディップ(押し目)待ち。
■豪中銀総裁のコメントで豪ドルは下落
このコラムで再三取り上げている豪ドルも順調に下落中。
【参考記事】
●衆院選までドル/円は116~121円のレンジ。120円接近で口先介入が出やすい理由は?(11月27日、西原宏一)
●米ドル/円は120円上抜け濃厚で124円へ! 利下げ予測高まる豪ドルの下落鮮明に!(12月4日、西原宏一)
豪ドル/米ドルの上値をさらに重くしたのが、後述するRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスティーブンス総裁の口先介入。
2013年は頻繁に口先介入をしていたスティーブンス総裁ですが、2014年は鳴りを潜めていました。
彼の代わりに副総裁のロウ氏が頻繁に為替レートに言及してきました。
RBAのロウ副総裁は0.86ドルの水準でも「豪ドルは高すぎる」と通貨安に誘導する発言をしています。
【参考記事】
●衆院選までドル/円は短期レンジトレード! 原油安など悪材料多数の豪ドルは売り!(12月2日、西原宏一&松崎美子)
このロウ副総裁の口先介入に加え、ゴールドマンサックスによるRBAの0.5%の利下げ予測(以前のコラム参照)などで、豪ドル/米ドルの上値は押さえられているのですが、下落になかなか弾みがつかない状態が続いていました。
【参考記事】
●米ドル/円は120円上抜け濃厚で124円へ! 利下げ予測高まる豪ドルの下落鮮明に!(12月4日、西原宏一)
そうした状況を打破する意図があるのか、久しぶりにスティーブンス総裁が為替レートに関するコメントをしました。
「RBA’s Stevens says AUD should be closer to 0.7500」(豪ドルは0.75ドル付近にあるべき)
スティーブンス総裁らしく、明確に為替レートのターゲットに言及しています。
この突然のスティーブンス総裁のコメントが、豪ドル/米ドルの下落を加速させ、一時、0.81ドル台前半まで急落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
■短期的に豪ドル/米ドルは売られすぎ状態
短期的に豪ドル/米ドルは売られすぎの状態になっているため、コアポジションをキープしつつ、戻りをていねいに売っていきたいところ。
多くのエコノミストは、2015年の豪ドル/米ドルの下値メドを0.77~0.78ドルとしているのですが、スティーブンス総裁が自ら0.7500ドルであるべきだと公言。
原油を筆頭にコモディティ市況が軟調な中、アジアの資源国通貨の雄である豪ドルの下落も鮮明に。

(出所:米国FXCM)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
スティーブンス総裁も再び口先介入に出た豪ドルの動向に注目。
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