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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

手仕舞い売りが出て米ドル/円4.4円急落!
米ドル/円にロング再構築の好機到来

2014年12月11日(木)18:44公開 (2014年12月11日(木)18:44更新)
西原宏一

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■米雇用統計後に米ドル/円は122円近くまで急上昇

 みなさん、こんにちは。

 今月、12月のイベントは米雇用統計、本邦GDP、14日(日)の衆議院選挙、そして、17日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)と続きます。一連のイベントが終わると、2014年はほぼ終了。

 10月31日(金)の日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のダブルバズーカから始まった「株高・円安相場」ですが、先週まで米ドル/円は調整なく続伸。

【参考記事】
日銀とGPIFのダブルバズーカ炸裂で、ドル/円は120円へ向け上昇の可能性濃厚

 そして、12月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、米ドル/円は120円を大きく上抜け、一時、121.85円まで急騰。節目の122.00円へ急接近するところまで急上昇しました。

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

■多くのプレイヤーが「アベトレード」を手仕舞う

 2014年年末を控え、多くのプレイヤーは前述のイベントのいずれかのタイミングで「アベトレード」の利益確定のチャンスをうかがっていました。

 それが先週末を挟んで、米ドル/円は121円台後半、日経平均は1万8000円と急上昇

日経平均 日足

(出所:株マップ.com

 あまりのスピードの速さに、多くのプレイヤーはアベトレードを手仕舞う動きに出ました。

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 自分も日経平均が想定していたレベルに到達したため、「日本株と米ドル/円」を中期ポジションを含め、先週、12月5日(金)にいったんすべて手仕舞ったのですが、今週、12月8日(月)に同じようにスクエアにしたトレーダーの友人が多数(12月6日(土)のメルマガ「FXトレード戦略指令!」を参照)。

 時間的にはもう少し引っ張る予定だったのですが、多くのトレーダーが想定しているレベルにあっという間に到達したため、いっせいに利益確定に出たという流れ。

 結果としては、11月27日(木)のコラムでご紹介したように米ドル/円は当局が望んでいると思われる120円以下に収束しています。

【参考記事】
衆院選までドル/円は116~121円のレンジ。120円接近で口先介入が出やすい理由は?(11月27日、西原宏一)

 米ドル/円の120円超えというレベルは、12月14日(日)に実施される衆議院選挙における自民党の選挙戦において、あまり有利な材料とは言えません。それは、急速な円安に対する批判が選挙戦に不利に働く可能性があるためです。

■日本株と米ドル/円が調整局面入り

 そして、今週(12月8日~)は、原油の急落が誘因したのか、「日本株と米ドル/円」は調整局面入り

NY原油先物 日足

(出所:米国FXCM

 日経平均は1万7000円台まで、米ドル/円は117.44円と、12月8日(月)からのわずか3日間で約4.40円の急落

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 ここで問題になるのが、日経平均。株の下落もあり、米ドル/円は120円以下のレベルに収まっていますが、同時に日経平均は1万7000円台まで急落しています。3日前の12月8日(月)は1万8000円台でしたので、あっという間に1000円急落したことになります。

日経平均 日足

(出所:株マップ.com

 日経平均の1万7000円というレベルは、選挙戦にとって不利になるようレベルではありませんが、問題は下落のスピード

 週末に向けて、株がさらに急落するようであれば、日銀がETFなどの買いを持ち込み、下落を抑制することが想定されます。

■年末にかけての調整局面がドル/円ロング再構築の好機に

 読みにくいのが、選挙戦後の相場。日銀バズーカや、GPIF改革も、見方によっては来たる衆議院選挙に向けての対策と言えます。

【参考記事】
日銀とGPIFのダブルバズーカ炸裂で、ドル/円は120円へ向け上昇の可能性濃厚

 選挙に関しては与党大勝というのがコンセンサス。そして、選挙結果が予想どおりとなれば、「日本株と米ドル/円」にはもう一段、セル・ザ・ファクト(sell the fact)の売り圧力がかかる可能性があります。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 ただ、今週(12月8日~)の下落が、選挙明けのセル・ザ・ファクト(sell the fact)を織り込んだ動きとも言えますので、売り圧力は徐々に緩和されているのではないでしょうか?

 ともあれ、円安の大きな流れは変わらず

 高値から4.40円下落した米ドル/円ですが、日足の一目均衡表・基準線(117.85円)が終値ベースではサポートになっています。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 そして、10月15日(水)安値から12月8日(月)高値の38.2%戻しが115.57円レベルですので、調整が加速しても、そのあたりがボトムになるのではないでしょうか?

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 この意味においては、116~117円レベルが、再び米ドル/円をロングにする好機ではないかと考えています。

 今週末、12月14日(日)の衆議院選挙の結果と米ドル/円の行方に注目です。


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