■米国の早期利上げ期待低下で米ドル高に変化
GW(ゴールデンウィーク)も終わり、日本も、また本格的な活動が始まります。日本がお休みであった1週間の間に、世界の金融市場ではこれまでのトレンドを調整する動きが出てきています。
まず、その1つの要因となっているのは、前回のコラムでもご紹介したとおり、米国の利上げが先に伸びる可能性が高まったことで、利上げを前提とした米ドル高という期待感が低下してきたことがあると思います。
【参考記事】
●大義名分なき追加緩和を見送った日銀!米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か(4月30日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■まずは、米雇用統計に注目したい!
最近の米国の経済指標は、まだら模様で、そのことが早期利上げ期待を低下させています。ですから、今後も、これからの米国の経済指標をよく見ておく必要があるでしょう。
目先の注目は、明日5月8日(金)に発表される米国の雇用統計4月分。非農業部門雇用者数変化が前月比23万人増加、失業率5.4%となると予想されています。
この動向をよく見ておきたいと思います。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
■イエレン発言で米国株下落&長期金利上昇
一方で、それとは少し違った観点ですが、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が興味深いことを発言しています。
昨日、5月6日(水)の講演での発言ですが、「現時点で株式市場のバリュエーションが、総じてかなり高くなっていることに留意してほしい」と警告を発したほか、「債券の安全資産のリターンに比べれば、株式のリターンはさほど高くない。債券のリターンも非常に低い。しかし、ここに危険性が潜んでいる可能性がある」との懸念を表明。
また、「債券利回りは、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが始まったところで、急激に上昇する可能性がある」ことにも言及しました。
つまり今の米国の株価は高過ぎるし、長期金利は低過ぎるという警告をしたワケです。
この発言を受けて、米国の長期金利が急上昇、株価も軟調に推移しています。
(出所:CQG)
(出所:米国FXCM)
利上げの時期が先送りになったのに、こういう動きになるのは、一見逆の動きのように見えますが、それだけ、市場が一方向に歪み過ぎているので、実際に利上げが始まる前に調整しておきたいというイエレンFRB議長の意思表示に反応しているということだと思います。
また、ドイツを始め、欧州の長期金利も…
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