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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円
への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に

2015年05月21日(木)18:26公開 (2015年05月21日(木)18:26更新)
西原宏一

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■米ドル/円はレジスタンスの122円に再び接近

 みなさん、こんにちは。

4月23日(木)のコラムでご紹介した米ドル/円ですが、大方のコンセンサスどおり、118円台でボトムアウトし、じり高で推移。これまでの高値は5月21日(水)につけた、121.48円。

【参考記事】
ドル/円は122円超、日経平均は2万2000円へ上昇するのが濃厚と考える理由とは?(4月23日、西原宏一)

 米ドル/円は、じわじわとレジスタンスである122.00円に再び接近してきました。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

■米ドル/円の118円台では「くじら」がサポート

 米ドル/円は、2015年4月~5月にかけて、何週にもわたり、118.00円割れをトライしたのですが、執拗な米ドル買い需要にサポートされました。

 特に、4月30日(木)に日経平均が1日で500円強という急落劇を演じた局面でも、米ドル/円は118.00円を割り込めず、安値は118.50円どまり

日経平均 日足

(出所:株マップ.com

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 118円台で米ドル/円が底堅い動きを見せていた背景には、マーケットのウワサどおり、くじら(日本銀行、ゆうちょ銀行、3共済、かんぽ生命、GPIF)の存在が挙げられます。

 そのくじらに関しては、「巨大くじら」であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)からのリスク資産買いがそろそろ一定額を終えて、彼らからの米ドル買い需要が細ってきているという報道も見受けられます。

■米ドル/円と日本株を支えるのは「ゆうちょ」か

 しかし、ここにきて脚光を浴びているのが「子くじら」と呼ばれる「ゆうちょ」の存在です。

 先週末、マーケットでは、その子くじらの中期計画が話題に。

 報道によれば、昨年(2014年)1年間でゆうちょ銀行が外債投資を10兆円増やしていたことが判明。

 ゆうちょ銀行の中期計画を確認すると、2018年3月までに外国債券や株式などのリスク資産を3割増やし、60兆円にするのが目標であるとのこと。

 2015年3月期では、これが32兆円になっていますので、今後3年間で30兆円増える計算になります。

ゆうちょ銀、外債・株投資3割増 17年度60兆円に

株式上場を目指す日本郵政は1日、2015年度からの中期経営計画を発表した。傘下のゆうちょ銀行は17年度に外国債券や株式への投資を現状より3割多い60兆円とし運用収益を増やす計画だ。

出所:日本経済新聞

 巨大くじらである、GPIFの玉切れがウワサされる中、今後は子くじらである、ゆうちょ銀行、そして、かんぽ生命が、日本株と米ドル/円を支えると予想されます。

日経平均 日足

(出所:株マップ.com

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

■2015年の米ドル/円は昨年夏までの動きと相似

 テクニカル分析では、フィボナッチ・リトレースメントで確認すると、米ドル/円の118円台前半は、2015年1月安値と3月高値の61.8%戻し(118.20円)水準であり、フィボナッチ・リトレースメントの分析では、これを割り込まなければ、米ドル反発が示唆されていました。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 これまで、米ドル/円の118円台は、彼ら(くじら)からの米ドル買いで支えられていた模様。

 本稿執筆時点までの、2015年の米ドル/円相場を振り返れば、昨年(2014年)夏までの動きに相似してきました。

【参考記事】
ザイFX!で2014年を振り返ろう!(1)【相場:前編】金融政策の方向性が軸に
ザイFX!で2014年を振り返ろう!(2)【相場:後編】黒田バズーカで円安進む!

 2015年に入ってからの米ドル/円は、2014年年末に10円暴騰して以降、おおむね118~121円のレンジで推移。

 つまり、米ドル/円は急騰後の調整が、大きな値幅調整を伴わず、時間調整で終了するというわけです。

 そして、ほぼ5カ月という時間調整を経て、じわじわと121円を越えてきています

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 欧州や米国勢の米ドル/円への関心も戻りつつあります。

■ユーロ/米ドルは当面、調整相場が継続か

 今年(2015年)の為替相場の中心はユーロ/米ドル。

 そのユーロ/米ドルですが、前回のコラムのとおり、調整局面入り。

【参考記事】
ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。反発中のユーロ/円に注目する理由とは?(5月14日、西原宏一)

 大きな流れは依然として「ユーロ安・米ドル高」なのですが、ユーロ/米ドルは短期間に、ほぼ1000ポイント調整し、マーケットには利益確定されていないユーロショートも数多く残されています。こうしたことから、当面は高値圏での調整相場を余儀なくされそうです。

ユーロ/米ドル 日足

(出所:米国FXCM

■ロングにするべき通貨は、米ドルと英ポンド

 マーケットのコンセンサスとしては、ロングにするべき通貨は、まず米ドル

米ドル VS 世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 あえて言えば、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の次のステップは利上げと言われている英ポンドもです(以前のコラムを参照)。

【参考記事】
英ポンド/円は190円へ上昇濃厚! なぜ、ここに来て、英ポンドは注目を集めている?(4月30日、西原宏一)

 対ユーロでの米ドル買いが調整に入ったため、米ドル買いの対象通貨として円が選好され、再び米ドル/円が注目されつつあります。

■米ドル/円は122.50円を目指す可能性が濃厚

 本稿執筆時点での米ドル/円は121.05円で推移。

 今週(5月18日~)に入って、米ドル/円は120.50円、121.00円といったレジスタンスをじわじわと突破してきました。

 米ドル/円の122.50円には巨大な米ドル売り注文がウワサされていることもあり、一気に米ドル/円が急騰することはないのでしょうが、引き続き、下値を固めつつ、122.50円を目指す可能性が濃厚

 仮に、米ドル/円が122.50円を越えれば、長らく狭いレンジで調整相場を演じていた米ドル/円が再びメイントレンドである米ドル上昇相場に戻り、125円に向け、上昇する公算が濃厚

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 118円台で底固めし、米ドル高トレンドに回帰しつつある米ドル/円に注目です。


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