■公的年金のポートフォリオ入れ替えはかなり進んでいるか
さて、金融市場は、レンジ相場に入ってしまった感があります。
日経平均も、大きく下げた日もありましたが、その後は、ジリジリ値を戻してきています。
(出所:株マップ.com)
為替市場も、方向感がなくなってきているようです。先行きが読みにくくなってきました。
そんな中、今週6月29日(月)、日銀の資金循環統計2015年1-3月期分が発表されました。中身を見てみると、公的年金は、ほとんど海外証券投資を行っていないという実態がわかりました。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などが動いていないということですから、少し驚きでした。その代わり、おそらく郵貯マネーと考えられるところが3兆円ほど海外証券投資をしています。
ひょっとすると、公的年金のポートフォリオの入れ替えは、かなり進んでいて、その代わりに、郵貯が円売りして、海外への投資を増やしているという状況になっているのかもしれません。
【参考記事】
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)
●金融市場に衝撃が走った3つの要因とは?ドル/円は年内に120円まで上昇の可能性(2014年11月6日、今井雅人)
■当面は、122円台~124円台での推移になるだろう
ただ、最近の市場での動きを見ていると、こうした機関投資家は、米ドル/円が下がったところを買いたいと、じっと待っているようです。先日も、米ドル/円の122.50円あたりから121円台にかけては、買い注文がびっしりと並んでいました。
こうした買い注文が、米ドル円相場を下支えしていますが、かといって上をどんどん買っていく状況でもないので、結局、レンジ相場に入りこんでいるのだと思います。
米国の利上げも、年内1回、あるいは2回程度というのがコンセンサスになってきているので、こちらも相場を動かす材料には、なりにくそうです。
【参考記事】
●米政策金利予想チャートに珍しい形出現!?中期的に円安でも、しばらくはレンジ相場か(6月19日、今井雅人)
当面は、122円台から124円台での推移になってくると考えておきます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
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