■中国警察当局が動き、ビル・グロス氏も動揺
ただ、暴落する上海株に対し、本日(7月9日)、中国政府はさらなる対応策を打ち出します。
中国警察当局が「悪意のある空売りを捜査する」とコメントしたのです。
中国当局、特に警察当局が動くというところに市場は激しく動揺。
このコラムでも、ご紹介しましたが、中国株の急落を予測したビル・グロス氏(※)も、あわてて中国株は売っていないとコメントしています。
(※編集部注:「ビル・グロス氏」は、米国の債券運用会社「パシフィック・インベストメント・マネジメント・ カンパニー(PIMCO)の共同創業者で、「債券王」との異名を持つ世界的に有名なファンドマネージャー。2014年にPIMCO社を退社し、現在は、米国の資産運用会社「ジャナス・キャピタル・グループ」に所属している)
【参考記事】
●ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?(6月4日、西原宏一)
投資環境、厳しさ増す=グロース氏
8日にはブルームバーグに対し、中国株の急落に先立つ6月時点で空売りを勧めていたが、自身はこの取引を行っていなかったことを明らかにした。
出所:ロイター
これを受けて、上海株は一気に急反発。
(出所:CQG)
本日(7月9日)早朝には、一時、600円もの急落を見せていた日経平均も急反発。
(出所:株マップ.com)
呼応して、米ドル/円もあっさり121円台を回復しています。クロス円も軒並み反発。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 30分足)
こうした措置は長期的には中国株の魅力を半減させると見ますが、捜査という言葉に「空売り」をしていた参加者は急激にポジションを縮小せざるを得ない状態です。
■米ドル/円はいったん120.00円でサポートされる可能性
中国警察当局の対応に、反発した上海株。
それに呼応して、ボトムアウトしたのが米ドル/円。クロス円の急落に連れ、122円のサポートが決壊した米ドル/円でしたが、120円台ミドルで下げ止まり。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
6月4日(木)のコラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円は125円台到達でトップアウトした後は、調整局面入りし、下値を模索していましたが、今回の下落により、いったん120.00円でサポートされる可能性が出てきました。
【参考記事】
●ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?(6月4日、西原宏一)
ギリシャ問題がまだくすぶる中、米ドル/円も急伸するのは難しいのでしょうが、節目でサポートされた米ドル/円は、1カ月の調整局面を経て、120円レベルでサポートを確認する展開となる可能性が濃厚。
中国警察当局からの驚きの発表により、120円台でサポートされた米ドル/円が底固めできるかどうかに注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)