昨日は日本がお休み。だからというわけでもないのだろうが、アジア時間では為替相場も動きらしい動きはなかった。ただ週明けにはいよいよギリシャ問題の今後を左右する様々なテストがあった。しかしそれも市場の予想通りにすべてが無難に片づいた。
ECBへの債務返済も行われ、また遅延していたIMFへの返済も行われた。その代わりに消費増税も実施されている最中であり、銀行業務が再開したといっても部分的ではあるようだ。まだ不安な箇所を残しながらのギリシャ情勢であるが。それでもマーケットは大きく安心感を取り戻し、欧州株は上昇してスタート。
為替相場では朝からドル買いが先行した。ドル円は先週後半に124円台に乗せてきたが、週明けの動きも堅調。一度も124円の大台を割り込んでこない。下がらないだろういうドル上昇への信頼感も高かった。ユーロドルも1.08台での推移が続く。やはりドル高水準を堅持している。
ドル円は欧州時間で124.40まで高値を広げ、ユーロドルも1.08台の前半まで差し込んだ。しかしニューヨーク時間ではドル高相場の流れが変わらないまま、小幅なレンジ内にとどまった。ブラード総裁が9月の利上げに前向きな発言をしたこともドル高に弾みをつけたようだ。
いっぽうでドル金利の先高観にともなう最近のドル高は、金利のつかないコモディティ相場は不況を極めている。原油価格が安いのは昨年末からの生産高の調整など需給にも起因するが、ここにきて金価格の下落も明瞭になってきた。
金価格は1100ドル台を割り込んできて、5年ぶりの安値圏へ。これは金で持つか、ドルという現金で持つかの究極の選択になるのだから、金利上昇局面での振る舞いとしてはわかりやすい。
しかしこうしたコモディティ価格の下落は、マーケットのリスク許容度の減退をもたらさずにはすまない。つまり株価などの下落を伴うであろうということ。それがいつ来るのかはわからない。
でももしリスクオフの動きとなった場合、いちばん直撃を受けるのはドル円であろう。ドル円の下げのリスクを意識してのドルのロング攻めが必要な状況が、いましばらく続くことになりそうだ。
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