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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

日本株安・円高でアベノミクスが苦境に。
待望される日銀の追加緩和はあるのか?

2015年09月03日(木)17:17公開 (2015年09月03日(木)17:17更新)
西原宏一

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■公的年金の買い? 大量の「株買い・円売り」が入る

 みなさん、こんにちは。

 8月24日(月)に起こったミニクラッシュ(株安・円高)に対し、先週(8月24日~)は本邦公的機関からの「株買い・円売り」により、事態が沈静化したのは前回コラムのとおり。

【参考記事】
NYダウはさらに暴落するリスクあり!? 株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)

 ただ、今週(8月31日~)、9月1日(火)にも、NYダウが再び急落。一時、1万6000ドルを割り込み、200週移動平均線が再び見えてきたことから、マーケットは神経質に。

NYダウ 週足
NYダウは、一時1万6000ドル割れ

(出所:CQG)

 連れて、米ドル/円は119.22円まで急落。

米ドル/円 日足
米ドル/円は119.22円まで急落

(出所:米国FXCM

 ただ、先週(8月24日~)同様、9月2日(水)の東京市場では、公的年金とウワサされる「株買い・円売り」が大量にマーケットに投下され、米ドル/円は一気に、120円台ミドルまで反発、日経平均も1万8000円台を回復しました。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:株マップ.com

 マーケット参加者は、改めて本丸であるNYダウが不安定な環境下、「株と米ドル/円」も壊れやすい(fragile)状況にあること、そして、本邦当局からの対応がなければ、続落する可能性が高いことを認識することになります。

【参考記事】
NYダウはさらに暴落するリスクあり!? 株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)

■伸びない設備投資と消費で、アベノミクスは苦境に…

 一方、永田町に詳しい友人によれば、政府関係者の間で「伸びない設備投資」が話題になっている模様。

 第2四半期の法人企業統計によれば、設備投資は相変わらず芳しくない結果に。

法人企業4-6月期に過去最高益、設備投資は前期比減で2次QE下押し

財務省が1日発表した2015年4─6月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、経常利益は円安と原燃料コスト低下を主因に過去最高益となった。一方で、設備投資は前期比2.7%減少し、4期ぶりに落ち込んだ。

4-6月期の国内総生産(GDP)の設備投資が、下方修正される見通しが高まった。

4-6月期の売上高は前年比1.1%増と1─3月期の減収からは脱したが、昨年同期が消費税引き上げ直後だったにもかかわらず、伸び率は低い。前期比では2期連続で減収となった。

出所:ロイター

 過去2年強、アベノミクスがマーケットをけん引してきたのですが、消費は伸びず、多くの企業では、手元流動性が拡大しており、デフレマインドも払拭できないまま。

 麻生財務相も「設備投資に積極姿勢出てもおかしくない」とコメントするほど。

 伸びない設備投資と消費の中、徐々にアベノミクスは苦境に…。

  前述のように、アベノミクスが苦境に追い込まれている中…


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