■米ドル/円は直近安値の119.22円がニ番底に?
前述のように、アベノミクスが苦境に追い込まれている中、最重視している「日本株」も不安定な状況。結果、「チームアベ」が徐々に追い込まれている流れに。
日経平均が、一時、1万8000円を割り込んだことから、急落を防ぐために、9月2日(水)も公的資金を大量投入。
ただ、本丸のNYダウが不安定な展開の中、一度クラッシュした日本株はなかなか、もとの上昇トレンドには戻りません。
(出所:株マップ.com)
本稿執筆時点(9月3日13時台)のマーケットですが、米ドル/円は120.60円近辺で推移。前回コラムでご紹介した、200日移動平均線(=120.80円)は上抜けていませんが、フィボナッチで見ると、今回の急落の50%(=120.70円近辺)レベルまで戻した展開。
【参考記事】
●NYダウはさらに暴落するリスクあり!? 株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)
(出所:米国FXCM)
日経平均も公的資金の投入が効いて、なんとか1万8000円台を保っています。
米ドル/円は、公的年金の米ドル買いにより、直近安値である9月2日(水)につけた、119.22円レベルがニ番底になる可能性も台頭。
(出所:米国FXCM)
ただ、日足より長い足の米ドル/円をチェックすると、月足、週足ともTDシーケンシャル(※)はカウントダウンを点灯。つまり、トップアウトならびに続落を示唆しています。
(※ 編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
この相場環境の中、仮にNYダウが1万5000ドルを割り込むと、日経平均と米ドル/円は底割れする危険性をはらんでいます。
【参考記事】
●NYダウ下落リスクにはまだ警戒が必要! 9月13日近辺が危ないと囁かれる理由は?(9月1日、西原宏一&松崎美子)
■待望される日銀の追加緩和、本邦当局の対策は?
今回の「株安・円高」は中国経済の失速という外部要因にあるのですが、仮に「日本株安・円高」が加速すれば、安倍政権の支持率急低下につながります。
そこで、再び脚光を浴びるのが、前回のコラムでもご紹介した日銀の追加緩和。
【参考記事】
●NYダウはさらに暴落するリスクあり!? 株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)
NYダウが不透明な展開の中、公的年金の投入により、日本株は1万8000円台、米ドル/円は120円台をなんとか保っていますが、こうした手段だけだと、NYダウの1万5000ドルが決壊すれば、日本株と米ドル/円にあっさり伝播してしまいます。
この状況を避けるためには、、補正予算だけでは、効果があまり期待できないことから、やはり、日銀の追加緩和が待望されることに…。
こうした本邦当局からの抜本的な対策がなければ、不安定な上海株とNYダウが急落し、再びリスクオフ相場が再現される可能性が濃厚。
(出所:CQG)
(出所:CQG)
直近では、二番底を確認した米ドル/円相場は上値を模索する展開ですが、株が壊れやすい状況では、いつ急反落するかわからない状態。
公的年金以外の本邦当局の対応に注目です。
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