ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

今井雅人_投資戦略メルマガ
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

チャイナショックで狂ったFRBのシナリオ、
雇用統計強くても米ドル高は続かない!?

2015年09月04日(金)16:10公開 (2015年09月04日(金)16:10更新)
陳満咲杜

ザイFX限定!口座開設&取引で最大10000円もらえる! トレイダーズ証券みんなのFX

■利上げどころかQEだという声も根強い

 次に、2015年年内の米利上げ観測が多い一方、利上げどころか、次の一手が再度QEだといった声も少なくない。

 注意すべきなのは、こういった「過激」な見方が、米ヘッジファンド大手のブリッジウォーター・アソシエイツ創立者レイ・ダリオを始め、投資業界の重鎮らに根強く、決して一蹴できるものではないことだ。

 換言すれば、見方が激しく対立している現在、政策の流動性自体が大きなリスクと化しており、不確実性の増大により、再びリスクオフに傾く局面になりかねない。これは米ドルのロング派にとって安心できる状況にはほど遠いだろう。

 さらに、仮に米利上げが実施され、かつ株式相場も安定して推移した場合でも、利上げ自体がもたらした効果が長く続かない可能性も大きい。何しろ、マーケットの注目は早くも次の焦点、つまり、利上げの程度やその速度に集まるだろうからだ。

■利上げされてもドル買いは一時的なもので終わる可能性も

 FRBは利上げを実施すると共に、景気やインフレの状況に配慮し、次の利上げ観測を牽制する公算が高く米ドル買いがあっても長く続かず、一時的なもので終わるといった可能性も念頭に置きたい。

 言うまでもないが、最近の世界市場の波乱がFRBの判断を一層難しくしたことは間違いない。市場における変動率の高まりで、従来の予想よりさらに強い数字の米雇用統計が出て来なければ、FRBは慎重なスタンスを保つと推測される。

 中国景気減速懸念をきっかけに始まった株式市場の反落は、裏を返せば、FRBに自重を促すようなメッセージにも読み取れ、FRBの決断を遅らせる可能性も無視できない。

■ドル/円は再度ベアトレンドへ復帰か。1年程度の円高覚悟

 肝心の米ドル/円については、米ドル高の基調がすでに転換され、長ければ1年程度の円高傾向が続くという判断を維持していきたい。

 目先の状況について、先週のブラックマンデー(8月24日)で急落した分、スピード修正的なリバウンドもすばやいものだったが、それは8月高値を起点とした全下落幅の61.8%反騰位置に留まり、また、再度200日移動平均線を下回って推移していることから考えると、米ドル/円が再度ベア(下落)トレンドへ復帰した公算は高いとみる。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)
ベアトレンドに復帰した公算の高い米ドル/円

(出所:米国FXCM

 さらに、8月24日(月)の大陰線が非常に大きかったので、その後の日足がすべて「はらまれている」ことが日足チャートにて確信できる。その上、9月1日(火)の陰線もあとの日足を「はらんでいる」から、ダブル・ハラミかつ、「母線」の下値を打診する勢いの目先は、やはり、下値リスクを警戒しておきたい。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)
ダブル・ハラミとなっている米ドル/円

(出所:米国FXCM

 米ドル/円の値動きに先行し、英ポンド/円はすでに8月24日(月)安値を割り込み、ユーロ/円に至っては5月安値を割り込んでいる。7月17日(金)の本コラムで指摘した三尊型(※)の形成や下放れを、ちょっと遅れた形で実現したわけだ。

【参考記事】
リスクオンなら米ドル買い? 米ドル売り?三尊型形成中のユーロ/円下落に要注意!(2015年7月17日、陳満咲杜)

(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)

英ポンド/円 日足
8月24日(月)安値を割り込んだ英ポンド/円

(出所:米国FXCM

ユーロ/円 日足
5月安値を割り込んだユーロ/円

(出所:米国FXCM

 本日(9月4日)の米雇用統計次第では、再度、一時的に円安局面に振られる可能性を排除できないものの、やはり、円高基調の継続を覚悟したほうが無難だ。市況はいかに。

(PM1:30執筆)

GMO外貨[外貨ex]
人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
経済指標速報記事 田向宏行 トレーディングビュー記事
経済指標速報記事 田向宏行 トレーディングビュー記事
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る