■中国株暴落が、2016年の「李万ショック」をもたらす
本コラムにて指摘したように、7~8年サイクルが繰り返されてきたなら、2015年は2007年に相当、2016年は2008年に相当する確率が高い。
2007年の米サブプライム問題が、翌年のリーマンショックを引き起こしたのと同様、2015年の中国株暴落や中国人民元切り下げが、2016年の「李万(リーマン)ショック」をもたらすだろう。
2008年のマーケットの混乱ぶりを鑑みると、目先、世界的な金融相場の下げは、まだ序の口だろう。少なくとも2016年前半に限って言えば、明日はより悪く…といった覚悟が必要かと思う。
リスク資産から手を引くことを筆者は繰り返し指摘してきたが、これからも見方は変わらない。そして、また、それを指摘する機会があるかと思う。
【参考記事】
●パニック相場に備えリスク資産は手放せ!世界を揺るがすチャイナリスクの真相とは?(1月15日、陳満咲杜)
というのは、1月21日(木)、原油相場が反発してきたことに象徴されているように、ベアトレンドでも一直線にはいかないからだ。
そして、これからスピード調整のリバウンドがあれば、いつものように、「もう大丈夫だ」とか、「今、仕込まないと今度のブル相場に乗り遅れる」といった論調が浮上し、多くの個人投資家が惑わされる局面が来ると思っているからだ。
■マーケットはリバウンドする公算が大きい
筆者は持論を維持するものの、目先、日経平均1万6000円割れ寸前、そして、英ポンド/円の164円割れ寸前というのは、どちらも相場の行き過ぎを物語っている。
ついこの間(2015年年末)まで強気だった一部エコノミストやアナリストの弱音を聞かされる足元では、むしろ下げ相場が一服し、まず、リバウンドしてくる公算が大きいのではないかと思う。
何しろ、今回の「李万家」、すなわち上海株の行き過ぎが鮮明になってきた。
(出所:CQG)
上海総合指数は2016年の年初から急落し、2015年安値をいったん更新するほどの急落ぶりを示しており、年初来、わずか17営業日で20%近い下落率を達成。
いくらなんでも行き過ぎたと思う。
■中国株の動向は中国人民元次第と言える
もっとも、世界の金融市場が中国株次第という言い方が成立するなら、中国株は中国人民元次第だと言える。
中国人民元のオフショア相場は、一時、猛烈に売られていたが、中国政府の介入で中国人民元が買い戻され、落ちついている。だから、中国株安の一服があってもおかしくないとみる。
(出所:CQG)
そして、中国人民元の代わりに香港ドルと香港株がショート筋の攻撃対象になっているが、香港政府の香港ドル防衛で、目先たちまちパニック相場になるということは考えにくく、香港株の割安感も目立ってきた。
中国A株と同様、いったん底打ちを図ってもおかしくなかろう。
(出所:CQG)
香港株の代表指数は…
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