■日銀のマイナス金利採用の影響は一時的
1月29日(金)、日銀が動きました。黒田総裁が、ずっと否定的であったマイナス金利を採用することを決定したのです。
前回までのコラムで、1月の追加金融緩和の可能性が以前より高くなってきていることを指摘しました。
ただ、仮に追加の金融緩和が実施されるとしても、今回の影響は一時的なものになる、つまり、株高・円安は一時的に終わるとの見方もしていたと思います。
【参考記事】
●日銀の追加緩和あっても効果は一時的!問題は長期化…戻りはしっかり売っていく(1月21、今井雅人)
●日銀追加緩和は今回なくても近々あるか!?米ドル高相場にならないと思う理由とは?(1月28日、今井雅人)
■今回の金融緩和の影響は非常に小さかった
実際は、どうだったか?
マイナス金利を採用した1月29日(金)こそ、大幅な円安・株高になりましたが、週が明けると(2月1日~)動きは鈍くなり、結局、反転して円高・株安が進行。
当コラムを書いている時点では、すでに、金融緩和をする前の段階よりも株安・円高の水準となってしまいました。
やはり、今回の金融緩和の影響は非常に小さかったということです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
(出所:株マップ.com)
■日銀の金融緩和も3回目で、効果が薄れた
どうして、こういう動きとなっているのでしょうか? その理由は、3つあると思います。
まず、1点目は、今回の政策変更は、安倍政権が発足して以来、3回目の金融緩和だという点です。
言うまでもなく、こうした政策変更はサプライズ効果をもたらすことで、市場を動かすことができるというものですが、さすがに何回もやるとその効果が薄れるということです。
2点目は、現在の日本を取り巻く環境があまり良くないということです。
最近の中国経済の低迷と株安、それに伴うその他の新興国の景気低迷。さらには、中国の影響で原油価格が下落し、オイルマネーが世界の資本市場から資金を引き上げています。
(出所:CQG)
また、日本の企業の10-12月期の決算が軒並み悪くなり、これまで発表されている決算の平均をとっても、前年同期比6%以上の減少となっています。日銀短観を見ても、製造業、非製造業ともに先行きが大幅に悪化していますし、家計調査における消費も落ち込んでいます。
こうした環境の悪さが、今回の動きをもたらしているということでしょう。
3点目は、マイナス金利の効果に…
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