■相場急変は、原油&中国株市場と密接な関係あり
もっとも2015年からの相場の急変は、2つの市場の状況と緊密な関係にあった。1つは原油市場で、もう1つは中国株市場だ。
両市場のリバウンドがともに確認されており、これが世界金融市場の落ち着きにつながっている。両市場に変化のサインがあれば、世界金融市場の基調も再び変わってくるだろう。
(出所:CQG)
(出所:CQG)
ブレント原油にしても、WTI原油にしても、深刻なオーバーシュート(売られすぎ)の状況だったので、2016年2月安値から大きくリバウンドしてきた。
しかし、200日移動平均線(200日線)に近づき、すでに頭打ちになったか、これから頭打ちする公算が高まっている。切り返しが失速する可能性は高まっていると言えるだろう。
原油の安値再打診があれば、リスクオフの気運を高める要素として市場に意識され、世界金融市場は再び揺れやすくなるのではないかと思う。
■目先のリバウンドは、すでに一服。もしくはそろそろ頭打ち
もう1つパラメーターとなる上海総合指数は、2016年1月安値から反騰してきたものの、2015年6月高値から引けるメインの抵抗ラインに拒まれる兆しを見せ、リバウンドがいつ終わってもおかしくない状況だ。
中国株・中国人民元問題は根深いだけに、近々ブル基調に転じる余地は皆無と言える。
(出所:CQG)
要するに原油と上海株を見る限り、目先のリバウンドは、すでに一服したか、これからそろそろ頭打ちとなろう。世界金融市場の安定も、両市場と深い関連性を持つから、両市場に変調があれば、足元の落ち着きもたちまち消失するはずだ。
FRBが重視する市場の安定が、そう長く維持できるものでないのであれば、FRBの利上げも遠いといった観測が再び高まるだろう。
■米ドル/円は、メインターゲット105~106円台打診へ
こうなれば、米ドルのブル基調回復は、そう簡単にいかない。外貨サイドでは、EU離脱問題で売られる英ポンドさえ、2016年2月安値を更新していないから、目下の米ドル全体の切り返しを過大評価すべきではなかろう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
同じように、目下、米ドル/円は113円台を回復しているものの、これはあくまでベアトレンドにおけるスピード調整とみなせる。再度、頭打ちを果たしてから、ベアトレンドへ復帰しよう。
メインターゲットの105~106円台打診は、もはや時間の問題だとみる。市況はいかに。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
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