先週の金曜日は日銀の金利会合に注目が集まった。これは今年に入ってからの顕著な傾向なのだが、まずは1週間前から期待だけが先行してマーケット全体がリスクテークに入る。具体的にはドル円が必要以上に上がってしまうのだ。そして実際には何もできないことがわかると、それで失望売りを誘う。ドル円は急落する。
そして問題はそのドル円の下落が上昇の前の発射点よりも上にいるのか下にいるのかである。先月末のイギリスの国民投票からすでにドル円は107円台まで上がり、多少は下がってきたとは言っても5円近くも上のレベルにいるわけである。それがどうなるかである。
金利会合では予想されたほどの追加緩和が行われなかった。量的緩和の拡大もないし、マイナス金利の変化もなし。効くか効かないか不明のETFの買い入れだけを増額した。これでは完全に失望である。
ファーストアクションではショートカバーが怖いので、ドル円は105円台まで急速に上がった。しかし上がりはしたものの、やはり不満だということで102円台まですぐに急落した。
だが103円台まで戻してきて、夕方からの黒田総裁の会見待ちとなった。あまりにも乱高下が早くて、しかも久しぶりの激しい動きだったので、私もスモールポジションで対処した。しかし勝敗は五分五分で、損益は大して出なかった。
黒田総裁はETF購入の拡大だけにとどまったのは、これが最適なアクションだと言い訳したが、どうも逐次投入の観を免れない。やるときは一気にやると発言してきただけに、達成感がまったくでなかった。
それが金融当局のできることの限界を匂わせることにつながった。続く海外市場では再びリスク回避の流れとなってきて、ドル円も104円台に戻すことなく、じりじりと後退。今度は102円台に再度の突入が懸念された。
アメリカのGDPが予想よりも悪かったので、ドル金利の低下は顕著に低下。素直にドルは全面安となり、ドル円は102円台に落ち込んだ。そのまま戻しらしい戻しも作らずに、ニューヨーククローズ間際には101円台まで下落した。
そしてそのまま安値引けとなった。テクニカル的にも、このドル円相場の行方が今週の流れを決定しそうである。もちろんスタンスはドル円の戻り売りで臨むのである。
日本時間 15時30分
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