■ザイFX!の為替チャートにビットコイン登場!
2016年9月26日(月)、ザイFX!の「FXチャート&レート」に、新たに仮想通貨の代表格、ビットコインのチャートが加わりました!
今回登場したのは、ビットコイン/円(XBT/JPY)、ビットコイン/米ドル(XBT/USD)、ビットコイン/ユーロ(XBT/EUR)の3つ。
米ドル/円などその他の通貨ペア同様、1分足、5分足、10分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足の10の時間軸でチャートを表示することができます。
試しに日足チャートを見てみると、こんな感じ。なんだか結構、動いているな…という印象です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/米ドル 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/ユーロ 日足)
上のチャートはスペースの問題でリサイズしていますので、伝わりにくいかもしれませんが、ビットコインの個別チャートは、他の通貨ペアと比べると、横長に表示される仕様になっているので、より見やすくなっているはずです。
■ユーロ建て世界最大手のKraken(クラケン)がレート提供
そう言えば、ビットコインには、世界中にたくさんの取引所があり、各取引所によって価格が異なっていたりするものなのですが、ザイFX!のチャートが、どのビットコイン取引所のレートを採用しているのか、まだお伝えしていませんでしたね。
ザイFX!では、ユーロ建てのビットコインでは世界最大手の取引所・Kraken(クラケン)からレート提供を受けています。これは、米国のサンフランシスコで創業した取引所です。
あとで少し触れますが、Kraken(クラケン)は、FX会社、マネーパートナーズがビットコイン導入に向けて交渉をスタートさせた取引所で、FX業界では比較的知られているビットコイン取引所の1つ。
ちなみに、ビットコインの通貨ペアは、一般的によく「BTC」と表記されますが、冒頭で記載したとおり、ザイFX!では、基本的に「XBT」と表記しています(「BTC」も併記はしている)。これは、レート提供元であるKraken(クラケン)の表記に従ったからなのですが、実はもう1つ理由があります。
どうやら、国際的な通貨記号のルール(ISO-4217)では、国や地域が管轄しない通貨については頭に「X」とつけるというものがあるそうで、たとえば、金を「XAU」、銀を「XAG」と表すのは、そのルールに則っているからなのだそう。
ISO(国際標準化機構)に従うならば、「XBT」の方が良いかしら、ということでザイFX!でも原則、「XBT」と表示しています。「XBT」と「BTC」のどちらが正しい、なんて話ではありませんので、悪しからず。あ、そういうものなのね、程度に覚えておいてください。
■1ビットコインは、日本円でいくらくらい?
ザイFX!のビットコインレートが、Kraken(クラケン)から提供を受けているということを確認したところで、今、だいたいビットコインの価格水準ってどのくらいなのかをここで改めて確認しておきましょう。
対円チャートを見ると、1ビットコインは、2016年9月26日(月)現在、このくらい。1ビットコイン=6万円前後です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
初めてビットコインの価格帯を知った人は、意外と高いのね…なんて思うかも。1米ドル=110円くらいという通常の為替レートの感覚で考えると、かなり高いと感じるかもしれませんね。
以前からそんな価格帯だったのか? もう少し長い時間軸でチャートを表示してみましょう。チャートの仕様上、最大でも2014年12月分からしか見ることができませんが、それでも2015年はじめの2万数千円から、一時は8万円を超えるところまで上昇していたことがわかります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 週足)
やはり、結構、値動きは荒そうですね…。まあ、その分、取引をすれば一気に儲けを出すチャンスも多そうですが。
2016年9月現在にいたるまで、ここ1年ほどはとてもキレイな右肩上がりを描いています。ザ・上昇トレンドって感じ! 価格の上昇に合わせてなのか、ビットコインの利用者数も増加傾向にあるようです。
■ビットコイン/円の5分足チャートは故障ではありません!
なお、ザイFX!で閲覧できるビットコインチャートは、5分足などの短い時間軸だと、ちょっと見づらい感じになっていることがあります。
特にその傾向が強いのは、ビットコイン/円チャート。お伝えしたとおり、Kraken(クラケン)はユーロ建てでは世界最大級なのですが、どうしても対円の取引量が現状では少ないようで、短い時間軸だと、あれ? 壊れているのかしら? みたいなチャートになっていることがあります。
少し見づらいことがあるかもしれませんが、ご容赦ください。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 5分足)
また、Kraken(クラケン)のビットコイン価格は、土日を含め365日・24時間動き続けていますが、ザイFX!では、事情により土曜日午前7時~月曜日午前7時の間、ビットコインのチャート・レートが動きません。
土曜日午前7時~月曜日午前7時の間の値動きは、月曜日午前7時の段階で遡って更新しますので、それまでお待ちいただければ…と思います。
■逆転通貨ペアの表示も! 単位の由来は「サトシ・ナカモト」
さて、冒頭で記載したとおり、ビットコインは、ビットコイン/円、ビットコイン/米ドルなどのように通貨ペアの左側に記載されるのが通常ですが、ザイFX!では米ドル/ビットコイン、ユーロ/ビットコインという逆転通貨ペアのチャートも用意しています。これは、他のサイトではなかなか見られない機能かも。
以下のように、ザイFX!の「FXチャート&レート」で「米ドルVS世界の通貨」や「ユーロVS世界の通貨」を見ると、各通貨が米ドルやユーロに対して強いのか、弱いのかをぱっと確認できますが、ビットコインもここに逆転通貨ペアとして表示されます。
逆転通貨ペアのチャートを個別に表示することも可能ですが、「VS世界の通貨」で見ると、米ドルやユーロに対してビットコインが強いのか、弱いのかを他の通貨といっしょに確認できるのです。
たとえば、マーケット全体が米ドル高や米ドル安、あるいはユーロ高、ユーロ安に傾いている時、対ビットコインではどうなのか?を瞬時にチェックすることができますよ。
ちなみに、「米ドルVS世界の通貨」では、ビットコイン以外でも米ドル/ユーロや米ドル/豪ドルなどの逆転通貨ペアを提供しています。このコーナーでは、米ドルをすべて通貨ペアの左側に揃えることによって、米ドル高が進むと、どのチャートも右肩上がりになるようにしているのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
ただし、ビットコインの逆転通貨ペアの単位については、小数点以下のケタ数が多くなりすぎないようにするため、「ビットコイン」よりも小さな単位、「Satoshi」(1ドルに対する1セントみたいなもの)を採用していますのでご注意ください。1Satoshi=0.00000001ビットコインを表します。
余談ですが、この単位名の由来は、ビットコインの生みの親と言われている「サトシ・ナカモト(中本哲史)」からきているそうです。
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!?そもそもビットコインとは?
■トップにビットコイン/円とトルコリラ、南アフリカランドも!
ここでもう1つ、今回のビットコインチャート導入に伴って、ザイFX!サイトが進化した部分をお伝えしておきたいと思います。
ザイFX!サイトのトップを表示すると、画面の中央付近にドデンとチャート画面が表示されます。
以前は、米ドル/円やユーロ/円など主要6通貨ペアが表示されていましたが、今回のビットコインチャート導入に伴い、トップのチャート画面を強化、従来の6通貨ペアに加えて、ビットコイン/円を追加しました!
さらに、ビットコイン/円の隣には、人気の高金利通貨、南アフリカランド/円とトルコリラ/円のチャートを追加!
ザイFX!サイトのトップで、これらの通貨ペアの値動きをちゃちゃっと確認できるようになっていますので、ビットコインチャートとあわせて、ザイFX!サイトトップに表示されるチャートもチェックしてみてくださいね。
■ビットコインを知っていると回答したのは、77%に留まる
さて、お伝えしてきたとおり、今回ザイFX!は、新たにビットコインチャートの提供を始めましたがが、そもそも、いったいどれだけの人がビットコインのことを知っているのか?という基本的なことを、ザイFX!公式ツイッター(@ZAiFX)で調査してみたところ、やや意外な結果が出ました…。
あなたはビットコインを知っていますか?
— ザイFX! (@ZAiFX) 2016年9月24日
「あなたはビットコインを知っていますか?」という質問に対して、
482票の回答が集まり、その内、知っていると答えたのが77%、知らないと答えたのが23%という結果に…。
ザイFX!公式ツイッターアカウントをフォローしている人なので、一般の人よりも金融商品や投資情報に敏感なユーザーが多いと思うのですが、その割に、ビットコインを知っていると答えた人の割合はやや少なかった印象です。
ということは、ザイFX!が、どうして今、このタイミングでビットコインチャートを導入したのか? 疑問に感じる方が実は結構、いらっしゃるかもしれませんね…。
ザイFX!的には、「先駆けて」導入したつもりなのですが、いったい何に先駆けてなのか? ここからは少し、日本国内のビットコインを取り巻く環境について振り返っていきましょう。
■Fintechの大本命「ブロックチェーン」で株価爆上げ!
過去には、マウントゴックスの事件もあり、同社CEO(当時)が片言の日本語で行った記者会見の印象が強くて、なんとな~く、うさんくさい雰囲気がつきまとっていたビットコインですが、ここ1、2年で状況は急速に変わってきています。
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(2) マウントゴックスの真の罪とは? 高値1242ドルは自作自演?
たとえば、2016年前半の株式市場における一大テーマとなったFintech(フィンテック)の大本命は、ビットコインの基盤技術である「ブロックチェーン」というもの。「ブロックチェーン」関連銘柄が、株式市場で怒涛の爆騰劇を見せたことを覚えている方は、多いのではないでしょうか?
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!?そもそもビットコインとは?
●マネパがビットコインレートの表示開始! ビットコインが夏に上昇しそうな理由とは?
●仮想通貨の法規制化への動きを受けて、マネパGの株価が9営業日で3倍超上昇!
■ビットコインの法規制に向けた動きが加速
また、時を同じくして法規制に向けた動きも加速しました。
2016年3月には、ビットコインを正式に通貨の機能を持つものと認め、取引所も金融庁を監督庁とする登録制にするということを盛り込んだ改正資金決済法が国会に提出され、これが5月25日(水)に成立。1年以内の施行が予定されています。
同じく3月に行われた決済システムフォーラムでは、日銀の黒田総裁が日銀決済機構局内に、「Fintechセンター」を設立すると表明し、翌4月には同センターが設立されました。
【参考記事】
●仮想通貨の技術に日銀も興味津々!? FX会社でビットコイン1万円相当が当たる!
以降、銀行や証券会社などの金融機関をはじめ、法律や関連技術を保有する企業が参加するフォーラムが開催されるなど、ビットコインを始め、FinTechに関するあらゆる側面からの意見交換が継続されています。
今やビットコインは、日銀や国会、各省庁、民間企業、法律家、投資家を巻き込み、決済・財務その他あらゆる方面に技術革新をもたらすかもしれないFinTechという分野のシンボル的な存在として注目されているのです。
■とはいえ、まだ法律施行前の今は、不安な面も…
ただし、2016年8月には、香港を拠点とする大手ビットコイン取引所で、顧客のビットコインがハッキングにより数十億円相当盗まれたとされる事件が起きていたりします(本当に盗まれたのか、真相はまだ不明です)。
また、改正資金決済法の施行もまだもう少し先ですので、現段階では日本国内の取引所も登録制ではありません。
したがって、2016年9月現在においては、まだ日本国内のビットコイン取引所にうさんくさいところが混じっていてもおかしくはない…。
でも、改正資金決済法が施行され、取引所が登録制になれば、こうした不安も解消されていきそうです。そういう意味では、まだビットコイン市場は、「夜明け前」の状態と言えるかもしれませんね。
■マネパがいち早くビットコイン取引実現に向けて行動開始!
FX業界においては、少し時を遡って、2015年7月にFX会社・マネーパートナーズの親会社で、東証1部上場のマネーパートナーズグループが米大手ビットコイン取引所・Kraken(クラケン)との「業務提携に係る基本合意に関するお知らせ」を発表。
2016年1月には、マネーパートナーズのウェブサイトでビットコイン/米ドルのチャート表示を始めるなど、いち早くビットコイン取引の実現に向けて動き始めました。マネーパートナーズが業務提携の話を進めているのは、まさしくザイFX!にビットコインレートの提供をしてくれているKraken(クラケン)です!
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!?そもそもビットコインとは?
●マネパがビットコインレートの表示開始! ビットコインが夏に上昇しそうな理由とは?
また、2016年春には、セントラル短資FXやFXトレード・フィナンシャルが、ビットコインプレゼントキャンペーンを実施するなど、先ほどお伝えしたマネーパートナーズを皮切りに、FX業界にも少しずつビットコインの波は押し寄せてきています。これは、見過ごせない事実。
【参考記事】
●仮想通貨の技術に日銀も興味津々!? FX会社でビットコイン1万円相当が当たる!
●動画あり:「こじるり」こと小島瑠璃子さんがFXTFの新イメージキャラクターに!
■ビットコインの消費税は非課税になりそう?
さらに、最近の話題としては、2016年8月末に金融庁が提出した税制改正要望において、ビットコインを含む仮想通貨が消費税の対象となるのかどうかを明確にするよう求めており、今後、ビットコインにおける消費税の扱いがどうなるのか?が注目されています。
ビットコインを物品購入やサービスの対価として支払いに使う際は、もちろん消費税がかかってきます。これは、まあそうでしょう。
しかし、ビットコイン自体を購入する際にも消費税がかかるとしたら、どうでしょう? 単純にビットコインを購入するだけならまだしも、トレード対象にするとしたら、取引するたびに消費税がかかるなんて、たまったものではありません。
海外ではビットコインを非課税とする国が多いらしいのですが、日本の場合はどうなるのか? 欧米の制度にのっとって非課税になるとしたら、ビットコインの用途はこれから格段に広がりそうです。
消費税の問題に決着がつき(ユーザーにしてみればもちろん非課税で落ち着いてほしい)、先ほどお伝えした改正資金決済法が施行されれば、取引所も金融庁を監督庁とする登録制になるワケですから、お上のお墨付きがつくということで、取引所に対する安心感もぐっと増してきます。
そうなれば、FX業界でもマネーパートナーズはもとより、それ以外にも、ビットコインの取扱いを宣言するFX会社や証券会社が増えてくるのではないでしょうか?
言ってしまえば、今後、数カ月前後でFX業界も巻き込んだ空前のビットコインブームが来てもおかしくなさそうな雰囲気なのです! で、近い将来に起こるかもしれないこうした状況に「先駆けて」、ザイFX!では、今回ビットコインチャートの導入に踏み切ったというワケなのです。
■ぜひ、ブーム到来前!?から情報のチェックを!
いかがでしょうか? マウントゴックス事件などによって、ビットコインに負のイメージしか抱いていなかったみなさまにとっては、新鮮な話もあったのではないでしょうか?
きっと読者のみなさまの中にも、きちんと法整備がなされて環境さえ整えば、ビットコイン取引自体には興味があるという人もいると思います。
法律の施行もこれからですので、お伝えしているとおり、まだ「夜明け前」の状況ではありますが、今のうちから情報をチェックしておいて損はなさそうです。
ということで、当記事では、ザイFX!の「FXチャート&レート」に、新たに加わった対円、対米ドル、対ユーロの3つのビットコインチャートについて紹介するとともに、ビットコインを取り巻く環境について振り返ってきました。
今後もザイFX!では、FXに関する情報だけではなく、ビットコインに関する情報もお届けしていく予定ですので、お見逃しなく!
(ザイFX!編集部・向井友代)
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