■押し目買いが報われていた米ドル/円
米ドル/円、ジリジリ上がってきましたね。ドイツ銀行やハード・ブレグジット、トランプ、中国などリスク要因は多いのに…。
【参考記事】
●米雇用統計は微妙も12月利上げはOK!? ドル/円は中期的な上昇期待で押し目買い(10月11日、西原宏一&大橋ひろこ)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
「トランプが」とか「ドイツ銀行が」とかリスク要因が取りざたされても「リスクオフの円買い」になりづらくなっています。
もちろんドイツ銀行が経営破たんするような本気のリスクオフなら違うのでしょうが、先月(9月)末から米ドル/円は押し目を拾っていれば必ず報われていた展開。
リスクオフ要因のヘッドラインが出て下げたところは格好の買い場となっています。
【参考記事】
●原油上昇と金反落が米ドル/円をサポート。105円突破すれば109円台へ上昇濃厚!(10月13日、西原宏一)
先週(10月10日~)は中国の貿易統計で米ドル/円の売られる場面がありました。
昨年(2015年)のチャイナショックは人民元安がきっかけでしたが、足元でも人民元安が進行中。

(出所:CQG)
「当局としては中国企業の輸出競争力を高めるために人民元安へ誘導したい、でも急落するようだと去年(2015年)のような混乱を招くので外貨準備を取り崩して米ドル売り人民元買いの防戦介入をしないといけない」という難しい状況。
人民元安のスピードには注意したいし、「米10年国債利回りが上がっているのはFRB(米連邦公開市場委員会)の利上げを織り込んでいるからではなく、中国が米国債を売っているからだ」なんて観測も出ています。
■M&Aと準公的機関の買いが米ドル/円を押し上げる
たしかにアメリカの長期金利上昇は利上げを織り込んだ動きだけとは思えないですね。
ただ、米ドル/円の上昇については10月から新期に入って準公的機関が買っているのと、もうひとつは日本企業のM&A活発化が大きいのでしょう。
2週間ほど前、損保ジャパンとアサヒグループホールディングスによる海外企業の大型買収が相次いで報道されましたよね。
【参考記事】
●米ドル/円は「陰の極」形成後に反発! 重要なレジスタンスを突破し、次は107円へ(10月6日、西原宏一)
ある経営者は「日本の景気はご覧のとおりだから海外に出るしかない。1ドル120円だと手が出しにくかったが2ケタ(90円台)近辺ならM&Aしやすい」とインタビューで話していました。
同じように考えている経営者は多いのでしょう。
(次ページでは米大統領候補の討論会やユーロ相場の話題が…)
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