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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

正体はショート筋が踏み上げられたこと!
スピード違反のトランプ・ラリーも終焉近し

2016年11月25日(金)17:42公開 (2016年11月25日(金)17:42更新)
陳満咲杜

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■米ドルの勢いは止まらず、一段と全面高に!

前回のコラムで予想した、米ドル全体の早期頭打ち、また反落するといった市況が見られず、むしろ一段と米ドル高になっている。

【参考記事】
ドル/円は今晩から反落?トランプノミクスはウォール街のハゲタカが演出した幻想だ!(2016年11月18日、陳満咲杜)

ドルインデックスは102の節目にトライ、2001年高値(約121)~2008年安値(約70.79)の全下落幅の半分程度を回復し、米ドル/円は一気に114円の節目手前に迫り、2015年高値(約125.86円)~2016年6月安値(約98.95円)の全下落幅の半値戻し(約112.41円)をすでに超えている。 

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足

(出所:CQG)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 いわゆる「トランプ・ラリー」がもたらした相場の大逆転、また変動率の拡大は為替相場に限った話ではないが、米ドル/円に限って言うと、この3週間の急伸は、事実上、変動相場制に移って以来、もっとも大きな上昇率を記録したのではないだろうか。詳細なデータをチェックしないと言い切れないが、仮にそうでなくても、2番目の記録を達成したことは間違いないと思う。

■米ドル高の原動力はどこにある?

 となると、米ドルのブル(上昇)トレンドが継続され、これから米ドル全面高が続くといったシナリオが当然視されるが、ここで米ドル高の原動力がどこにあるかをもう1回確認しておきたい。

既述したように、トランプ氏の当選はマーケットにとってサプライズだったが、それ以上にサプライズだったことは、やはり「トランプ・ラリー」の進行だと思う。この意味合いにおいて、「トランプ・ラリー」の行きすぎがあれば、勝者のみでなく、敗者サイドの事情も見なければならないかと思う。

【参考記事】
トランプ・バブル!? 暴落から急反発はなぜ? ドル/円は100円をめざす前に110円打診か

 米ドル/円の話なら単純だ。

 トランプ優勢が伝わった11月9日(水)の朝から米ドルのショートポジションが積み上げられ、同日夜、米国株の上昇とともに、ショート筋が踏み上げられ、その後の米ドル上昇につながった

 その後、米ドルのロング筋が米ドル高を推し進める一方、急速な米ドル高の進行を見て、「ここまでの米ドル高は行きすぎだろう」と思った新規ショートの参入が、米ドルを一段と押し上げた可能性が大きい。

 換言すれば、史上まれに見る米ドル高のスピード違反を、売りチャンスととらえた新規ショート筋が結果的にまた踏みあげられたので、「行きすぎた」米ドル高がさらなる「行きすぎ」をもたらしたわけだ。このような構図は、米ドル全体にも通用するかと思う。

 もっとも、相場が行きすぎかどうかを測るのは、決して容易なことではない。また目先の相場のように、「行きすぎ」の判断自体が正しいとしても、必ずしもトレードの根拠としてよい結果につながるとは限らないのが相場の難しいところだ。

 とはいえ、一本調子の相場がこのまま継続されていくことは当然ない上、あまりにも見られない一本調子の市況だから、冷静に再考する価値があると思う。

 筆者は、前回のコラムにて指摘した可能性…

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