昨日も欧州序盤ではドル円の切り返しがあった。ここ2週間ほど、ずっとそうである。パターン化してきているので、みんながショートの外し場であると踏んでいる。そして基本的にはドル円をショートで持っていたいと考えているからか、そのためのドル売りが出てきて、結局は下げてしまう。
そうした流れに乗って私も112.38でショートに振っていった。何分にも今年はまだ111円台を見ていない以上は、ほとんど今年の最安値圏でのコストでショートすることになる。雇用統計の日は112円台のショートを持つのはさすがに嫌だったが、昨日はあまり不安なく過ごせた。雇用統計スルーで利上げ観測のトーンが薄くなったというのが大きいのだろう。
ドル円が111円台を見るのには何かの材料が必要なところだのだが、昨日はイベントがほとんどなし。だとしたらテクニカルに忠実に動くことになる可能性が高い。やはり今年の最安値のちょっと手前では、いったんは買い戻しとなる。
しかるに112.10でビッドして待っていたのだが、ニューヨークオープンの頃にダンになった。その後は112円台のミドルまで戻している。私は早々に寝てしまったが、夜中にドル円が112円台を割り込んできた。これは主にユーロ円の下げ圧力によるものだ。
ドル円が111円台に突入しても、いまひとつ走りが足りなかったのはユーロ円が120円ちょうどで踏ん張っていたからだ。ニューヨーククローズでも円がらみは値を戻すことはなく、ドル円もユーロ円も安値引けの形で終了した。
トランプ氏が大統領になって不透明感を増したと言っている割には、米国株がどんどん上がってきて、そのまま歴史的な最高値の水準に張り付いているままである。先週から見られるドル円の下落に加えて、いよいよクロス円の代表であるユーロ円も下げが鮮明になってきた。
それなのに資本市場は完全にリスクを無視している格好となっている。週末に日米首脳会談を控えている以上、出てくるアジェンダに対して必要以上の期待をするのは、マーケットの先行きを見誤る危険がある。
トランプ氏のこれまでを見ていると、基本的には有言実行。手続きが下手な面もあるが、やると言ったことに対しては極めて速やかにアクションを起こしている。為替レートの問題にしても、トランプ氏は明らかに円安だと表明しているのだ。
周りの官僚がブリーフィングすれば学習するだろうというような評論家たちがいっているようなことに踊らされるべきではないと思う。来週には107円とかを見ることになっても驚かないという姿勢で対応しないといけないところだ。
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