■ECBも金融政策正常化で、ユーロ/円は135円に
ここで、126円という重要なレジスタンスを突破し、上昇トレンドに入ったユーロ/円がどこまで上伸するのかテクニカル分析で探ってみます。
詳細は5月25日(木)のコラムでご紹介しているとおりです。
【参考記事】
●メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資がユーロに追い風! 130円突破なら135円へ(5月25日、西原宏一)
(編集部注:以下の箇所は、5月25日(木)に公開した「ヘッジファンドの思惑」からの引用です。ただし、チャートは最新のものに更新して掲載しています)
では、どこまでユーロ円は上がるのでしょうか?
中期でのユーロ/円の動きを確認すると、まず、2016年6月24日(金)のBrexit時に到達した安値となる109.57円をボトムに上昇基調に入っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 週足)
ユーロ/円は過去4度、75週移動平均線に上値を押さえられていましたが、フランス大統領選後の上昇で、このレジスタンスを上抜けてきました。
(出所:Bloomberg)
まず、これでユーロ/円が上昇トレンドであることを確認します。
では、ユーロ円はどこまで上がるのか?
それは、ユーロ/円の上値のメドをフィボナッチ・リトレースメントで探ります。
起点の高値は2つ選択できます。
まず最初は、2014年12月8日(月)につけたユーロ/円の高値となる149.78円。
これは、米ドル/円がアベノミクスの上昇相場で121円の高値をつけた局面です。
そしてもうひとつは、2015年6月4日(木)高値、141.06円です。
2014年12月高値149.78円と昨年(2016年)6月安値109.57円のフィボナッチ・リトレースメントでは、61.8%=134.42円、38.2%=124.93円で、現在はこの38.2%レベルでもみ合っているのがわかります。
(出所:Bloomberg)
そして、もうひとつの高値である、2015年6月高値141.06円と昨年(2016年)6月安値となる109.57円でフィボナッチ・リトレースメントすると、61.8%=129.03円、38.2%=121.60円となり、38.2%はすでに通過して61.8%に向かう動きの中にあります。
(出所:Bloomberg)
ここでは、149.78円または141.06円から109.57円への大きな下落の動きから戻り高値を計算しましたが、高値計算としてはフィボナッチ・エクスパンションも使うことができます。
昨年(2016年)6月のBrexit時の安値109.57円と、昨年(2016年)12月高値124.10円、そして今年(2017年)4月のフランス大統領選挙を前にした安値114.85円で計算することができます。
フィボナッチ・エクスパンションの計算をすると、最初の目標値(COP)は125.32円で本稿執筆時点はこのレベルで推移。
そして、この先の目標値(OP)は129.38円となります。
(出所:Bloomberg)
チャートをご覧いただくと、先ほどのフィボナッチ・リトレースメントの61.8%(129.03円)と、エクスパンションのOP(129.38円)は全体が40円もの大きな相場の値動きの中で40銭程度しか差がありません。
このため、129円から130円付近はフィボナッチが重なる強い上値抵抗となる可能性が考えられます。
また、この130円付近には200週移動平均線もあり、この点からも、130円前後が上値抵抗となる可能性が考えられます。
当面はこの130円付近が目標となりやすいものの、今後ECBの出口論が活発となれば、ユーロ/円の上昇余地はさらに拡大します。
仮に130円レベルの上値抵抗を上抜けてくるようであれば、149.78円と109.57円の61.8%が位置する135円付近への上昇も想定できます。
(出所:Bloomberg)
このようにテクニカル分析でも、ユーロ/円の上昇余地はかなり拡大しているといえます。
本邦機関投資家の欧州への投資も再開され、130円へ続伸する公算が高まっているユーロ/円の動向に注目です。
(編集部注:以上の箇所は、5月25日(木)に公開した「ヘッジファンドの思惑」からの引用でした。ただし、チャートは最新のものに更新して掲載しています)
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