■大きな押し目も形成せずに上昇した米ドル/円
そして、フランス大統領選が無事終了。
前述の6月FOMCがかなりタカ派なトーンであることを確認した後、彼らは遅れている米ドル買いに出ます。
しかしFOMC後、米ドル/円は急騰するわけではありませんが、大きな押し目も形成せず、7月5日(水)の欧米市場では一時113.69円まで上昇。
6月14日(水)FOMC前後の安値、108.83円からすでに4.86円も上昇しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円は押し目がないまま続伸したため、本邦機関投資家は充分な米ドルを手当できないままの状態が続いています。
そのため、米ドル/円の下落余地はますます限定的となっています。
■米ドル/円は6カ月サイクル継続! 上昇トレンドは不変
テクニカルな要因としては、やはり米ドル/円の6カ月サイクルが効いていると想定しています。
詳細は6月22日(木)のコラムでご紹介しているとおりです。
【参考記事】
●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
(編集部注:以下の箇所は、6月22日(木)に公開した「ヘッジファンドの思惑」からの引用です。ただし、チャートは最新のものに更新して掲載しています)
米ドル/円が99.02円の安値に到達したのが、昨年(2016年)のBrexit(英国のEU離脱)時の6月24日(金)。
その後、FOMCの利上げを織り込む形で米ドル/円が118.66円に到達したのが、昨年(2016年)12月15日(木)。
ちょうど1年前になる昨年(2016年)の6月24日(金)に安値をつけ、6カ月後の12月15日(木)に高値に到達していることになります。
そして今回、FOMCが利上げとバランスシートの縮小を発表したのが6月14日(水)。その直前に108.83円の安値に到達した米ドル/円はその後、急反発しています。
(出所:Bloomberg)
(編集部注:以上の箇所は、6月22日(木)に公開した「ヘッジファンドの思惑」からの引用です。ただし、チャートは最新のものに更新して掲載しています)
このところの米ドル/円は、6カ月サイクルできれいに流れを切り返しており、今回も同様な展開が続くと想定すると、時間的にはまだ5カ月も上昇トレンドが続くことになります。
(出所:Bloomberg)
今年(2017年)前半、米ドル/円は115円レベルで何度も上値を抑えられており、114~115円を超えるには一定の時間を要するのでしょうが、本邦機関投資家の米ドル買い遅れ組も目立つ中、米ドル/円の上昇トレンドは変わらず。
こうした状況から、米ドル/円は短期的に115円、中期的には120円を目指す展開になりそうです。
108.83円で流れを切り返し、続伸する米ドル/円の動向に注目です。
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