■日経平均は約21年ぶりの高値! 米ドル/円も追随へ
前述のように、注目の「朝鮮労働党創建記念日」を無事終えたのですが、その後の米ドル/円のマーケットには、大きな動きがありません。
それは、オプションの影響。
今年(2017年)の米ドル/円は、110~115円での推移が長く、その影響で113~114円のオプションが、結構、残存しています。
たとえば、113.00円のオプションが今週(10月9日~)、13日(金)のNYカットまで約21億ドルあるとウワサされています。
21億ドルというのは、米ドル/円相場においてそれほど巨額な金額ではありませんが、今週(10月9日~)のような低ボラティリティのマーケットが続くと、どうしても影響されてしまいます。
しかし、株に目を向けると「朝鮮労働党創建記念日」を終えて、マーケットに変化があります。
たとえば、日本株。
10月11日(水)の日経平均は、約21年ぶりの高値に続伸しています。
(出所:Bloomberg)
米国株も堅調。
(出所:Bloomberg)
こうした環境下、マーケット参加者の間で話題になったのが、米系ファンドによる「日本株と米ドル/円の買い」。
アベノミクス初期の頃は、欧米参加者がアベノミクスに便乗して「日本株」を購入するときは、同時にヘッジとして米ドル/円の買いも持ち込んでいました。
ところがその後、相関性が下がったからなのか、そうしたトレードは減少傾向にありました。
それが今週(10月9日~)、ひさしぶりに米系ファンドによる「日本株と米ドル/円の買い」が同時に持ち込まれたことから、再び、米ドル/円と日本株の相関性が高まるのではないかと話題になったわけです。
■米ドル/円は依然として118円への上昇過程に
前述のように、9月8日(金)を挟んで米ドル/円、ユーロ/米ドル、金ともにトレンドは反転しています。
振り返れば、昨年(2016年)12月15日(木)に、同じようなタイミングで米ドル/円と金(ゴールド)はトレンドを一変させています。
その後は、今年(2017年)9月8日(金)まで、米ドル/円での米ドル安と金(ゴールド)高の流れは変わりませんでした。
その意味においては、9月8日(金)に転換した米ドル/円での「米ドル高・円安」の流れは、まだ継続していると考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
前回のコラムでも触れましたが、9月からの米ドル/円相場は1年の値幅の約半分を1カ月で回復するという急騰を見せました。
【参考記事】
●米ドル/円は「陰の極」達成から約6円急騰! バイオマス発電に絡んだ米ドル買いって…!?(10月5日、西原宏一)
加えて、前述のように節目節目でオプションが上値を阻んでいることから、113.00円からの上昇は時間がかかるのかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、米系ファンドによる「日本株買い、ヘッジとしての米ドル/円の買い」というオペレーションも見受けられ、米ドル/円のダウンサイドリスクは限定的。
米ドル/円は依然として118円への上昇の過程にあると考えています。
「朝鮮労働党創建記念日」を終えたあとの米ドル/円、そして日本株の行方に注目です。
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