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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

今からでも遅くない! 米ドルは買い!!
日経平均の上げっぷりにドル/円も追いつく

2017年10月27日(金)17:35公開 (2017年10月27日(金)17:35更新)
陳満咲杜

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■ユーロ、英ポンド、豪ドルのうち、上昇するのは?

 ところで、ユーロ、英ポンド、豪ドルで、ファンダメンタルズの明暗が鮮明に分かれる可能性がある

 利上げ観測がくすぶる英ポンドの優位性が浮上し、相対的にユーロ、豪ドルの方が下がっていくと思われる。

 出口戦略維持でも「タカ派」色を抑え込むECBや、CPI(消費者物価指数)の低下で利上げ観測が低下した豪州に比べ、「秩序なし」のEU(欧州連合)離脱といったリスクを抱えるものの、利上げに踏み切る公算の大きい英ポンドの優位性が突出している。

 英ポンドはしばらく、対ユーロ、対豪ドルの優位性を保ち、その結果として、やはりクロス円の中では、英ポンド/円が円安をリードしていく可能性が大きい。ゆえに、9月高値に対する更新は、次は英ポンド/円の方が有望であろう。

■クロス円の上昇は米ドル/円の上昇なしではあり得ない

 もっとも、ドルインデックスがすでに底打ちのパターンを完成し、これから上昇を加速していくと想定されるなか、クロス円の上昇は米ドル/円の上昇なしではあり得ない

 米ドル/円は今週(10月23日~)も堅調に推移していた。テクニカル上のポイントは、10月24日(火)に書いたレポートをご参照いただければ、わかりやすいと思う。

 本文は以下のとおり。

米ドル/円 日足(10月24日作成、クリックで拡大)
米ドル/円 日足(10月24日作成、クリックで拡大)

(出所:FXブロードネット)

ドル/円は昨日一旦114大台をトライしてから反落、陰線引けとなったものの、デイリーの指摘通り、途中のスピード調整と位置づけ、過大評価すべきではかなろう。また、本日の値動き次第、調整が短命に終わり、ブルトレンドの継続でまた高値更新していく公算。

昨日陰線の評価、以下の2点からみれば、前記のような結論を付ける。まず、6日高値のブレイクを果たした20日の「長大線」の後に続いていること、次に、調整があっても、本日ザラ場の安値を含め、6日高値前後をキープしていること。

6日高値の再更新、トレンドの継続や加速を示すサインになることは繰り返し指摘してきた通り。同日罫線が示した弱気「リバーサル」のサインに鑑み、典型的な「スパイクハイ」でもあっただけに、長い「上ひげ」の部分があった。更に、9月27日からの日足の多くも「上ひげ」の形を示し、重要な抵抗ゾーンだったこと示唆。ごくシンプルな見方だが、元抵抗ゾーンが一転して支持ゾーンになるはずで、またなったところを重視すれば、昨日の陰線がもたらした調整が早期完成される蓋然性は高いとみる。

換言すれば、6月高値のブレイク自体を強気サインと見做しているから、同高値前後にて支持を確認できれば、強気サインの健在が証左され、ブルトレンドの維持が有力視される。再度高値更新があれば、7月高値114.51のトライにつながる。

■米ドル/円と日経平均の相関性が薄れているが…

 しかし、米ドル/円と日経平均の相関性は、最近だいぶ薄れてきたようにみえる。日経平均の史上最長16連騰があったにもかかわらず、米ドル/円はいまだに7月高値をブレイクしていない(執筆時点)。

 よりマクロの視点では、2015年高値から引かれるメインレジスタンスラインを打診する勢いが示され、このまま再度、そこがレジスタンスゾーンと化した場合、米ドル/円は日経平均に追随するのではなく、早期頭打ちになる、といった観測も聞かれる。

米ドル/円 月足(クリックで拡大)
米ドル/円 月足

(出所:FXブロードネット)

 さらに、そもそも日経平均が買われすぎなので、ここから日経平均が反落してくる形で米ドル/円との乖離が解消されていく、といったシナリオも一部市場関係者から提示されている模様だ。

 結論から申し上げると、筆者は先月(9月)、チャートに点灯した強気「リバーサル」のサインを重視し、同サインが結果的に「フェイクセットアップ」のサインになる可能性が大きいから、7月高値の更新はもちろん、前述のレジスタンスラインのブレイクも十分想定されると思う。

【参考記事】
現在のドル/円日足チャートはユーロ/ドルが6月に上昇し始めたときと同じサインが点灯!(2017年10月20日、陳満咲杜)

 

 換言すれば、7月高値の更新はあくまで通過点であり、また、メインレジスタンスラインのブレイクをもって2017年年初来高値の再打診が視野に入るため、目先、弱気になる必要はないと思う。

 このような結論になるので、当然のように、米ドル/円と日経平均の乖離がこのままずっと保たれていくと思っていない上に、株安で乖離が解消されるとも思っていない。要するに、米ドル/円は早晩上昇を加速して、その乖離を解消していくといった可能性が高いからだ。

米ドル/円VS日経平均 日足
米ドル/円VS日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

 その理屈については、また次回にて詳説したいが、米ドル全体が底打ちのパターンを完成した以上、今からでも素直に米ドル/円買い、ユーロ/米ドル売りを仕掛けて別に遅くないと思う。

ユーロ/米ドルに関しては、1.15ドルの節目を割り込み、2017年年内には1.13ドルの節目割れもあり得るとみる。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 市況はいかに。

(12:45執筆)

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