■仮想通貨を巡って、ツイッター上で深夜の激論!
つい先日の深夜、筆者(井口稔)が自分のツイッター(@Neko_Iguchi)のタイムラインをふと見てみると、何やら言い争いが起きていた。
どこがアホなんですか?
— 大石哲之 Tetsu Oishi HODL (@bigstonebtc) 2017年11月27日
「アホ」という過激な言葉が飛び交っているが、それだけなら、筆者もそんなには驚かなかっただろう。驚いたのはその応酬をしていたのが、広瀬隆雄さんと大石哲之さんだったからだ。
広瀬隆雄さんといえば、外資系証券会社などでキャリアを積んだ金融の世界の専門家。ザイFX!の兄弟サイト、ザイ・オンラインでのコラム「世界投資へのパスポート」はつい先日、連載500回を迎えた。
広瀬さんは仮想通貨にも並々ならぬ関心を持っているようで、最近は自身のツイッターで仮想通貨関連のツイートを頻繁に行っている。
ちなみに、決して煽るわけではないが、先ほど「外資系証券会社などでキャリアを積んだ」と広瀬さんを紹介したが、その外資系証券会社の1社はJPモルガン証券。
仮想通貨界では「ビットコインは詐欺発言」ですっかり有名になったジェイミー・ダイモン氏はJPモルガン・チェースのCEOだから、かなり昔の話ではあるが、広瀬さんはそのダイモンCEOと同じグループ会社に在籍していたことがあるというわけである。
【参考記事】
●マイナス500万円!? ビットコイン、なぜ暴落? チャイナショック&JPモルガンショックって!?
対する大石哲之さんは仮想通貨といえば、真っ先にこの人の名前が浮かぶという存在。何かと難しい仮想通貨の技術的側面をわかりやすく解説してくれる人だ。
大石さんは元々、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)出身でコンサルタント、作家として活躍してきたが、今は“仮想通貨界の大御所”と表現した方がしっくりくるのではないだろうか。
まったくの余談だが、広瀬さんも大石さんも慶應義塾大学卒業の慶應ボーイであり、日本生まれながら、広瀬さんは米国、大石さんはベトナムと、ともに現在は海外に在住しているという共通点がある。
■広瀬隆雄さんと大石哲之さんがザイFX!上でジックリと対論
このツイッター上での仮想通貨を巡る「広瀬 vs 大石論争」は広瀬さんが大石さんをブロックする形で終わってしまったようなのだが、これで終わってしまってはもったいない。
短文しか書き込めないツイッター上ではなく、ザイFX!上でジックリと論争してもらってはどうだろうか。そうすれば、大いに読者の参考になるのではないだろうか。
そう思った筆者は、お二人に恐る恐る打診したところ、意外と(?)すぐにお二人から快諾が得られた。
今回考えている企画は以下のような「対論」の形を取ることを考えている。
・Aさんが記事を書く
↓
・それを読んだBさんが反論を書き、さらに追加の議論を書く
↓
・それを読んだAさんが反論を書き、さらに追加の議論を書く
↓
(以下、これが続く)
ただし、大石さんについては諸事情により、大石さんが話した内容を、FXにも仮想通貨にも詳しいライターの高城泰さんにまとめてもらうことを予定している。
■キーワードは「トラストレス」
そのようなことでザイFX!にて「広瀬 vs 大石論争」を始めたいのだが、ここではまず、シリーズ記事の「第0回」として、お二人のツイッター上での応酬を振り返っておきたい。
今回、お二人に対論を依頼する際、筆者が仮に立てて、お二人に提示したテーマは「CME上場計画を期に考える仮想通貨の信用性」というものだ。
「信用性」という言葉を使ったのは、今回のツイッター上の論争で「トラストレス」という言葉が重要な論点になっているように見えたからである。
ちなみに、一般的な辞書で「トラストレス」(trustless)の意味を調べると、「当てにならない、信用できない、信頼できない、疑い深い」などと書いてある。trust(信用)がless(ない)状態ということになる。
そして、ビットコインをはじめとした多くの仮想通貨は信頼(トラスト)できる第三者が不在であっても、改竄される心配なく、ブロックチェーンに取引を記録していくしくみになっていることを指して、「トラストレス」という言葉が使われるようだ。
■広瀬隆雄さんが仮想通貨クラスタを挑発!?
11月28日(火)、日本時間午前0時を回ったころ、広瀬さんは何人かの人への返信を含め、「ブロックチェーンのトラストレス」を巡る連続ツイートを始めた。この時点では大石さんはこの論争に参戦していない。
なので、以下しばらくは広瀬さんのツイートばかりになってしまうが、今回の論争に関係あると思われる広瀬さんの一連のツイートを引用しておきたい。
僕は、そうは思わない。あなたはブロックチェーンのトラストレスの意味をはき違えている。だいいち、世の中の殆どは信用で成り立っている。VALUはICOとはぜんぜん違うよ。 https://t.co/iix1ZLubNI
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
誰かにお金を騙し取られたら、ちゃんと法的措置を講じて取り返せる…それがrule of law。これが無くなった世界は無法地帯。仮想通貨クラスタの無教養な連中は、トラストレスというノータリンな言葉を連発する前に、自分が何を口走っているか、よく考えてからものを言え。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
そうです。「誰も信用しなくても働くシステム」です。だけど、いまビットコインはフィアット通貨を基盤としたリアルの社会との「すり合わせ中」なわけで、リアルの世界はRule of lawで動いている。それを無神経に「トラストレス!」を連発するからジェイミー・ダイモンらにバカにされるわけ。 https://t.co/a2bzzJxi5O
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
ビットコインが100万円乗せしたことと、だからビットコインは安泰で、ゴーイング・コンサーンになれるということは無関係だよ。ビットコインは、円、ドルなどのフィアット通貨との交換がいつでも出来るという一点のみに、その全価値を依存している。だから「違法!」と言われたら、無価値になる。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
われわれが心配しなきゃいけないのは、次のフォークじゃない。円やドルなどの法定通貨のレジームとの折り合いを、どうつけてゆくか? これが最大の問題だ。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
いま、トラストをベースにした金融システムは、うまく回っています。だからトラストレスを必要としているのは、ドラッグマネー、テロリストマネー、脱税マネーのみ。「トラストレス」の価値提案は、はっきり言って弱いんだ!
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
オレは仮想通貨クラスタを挑発し、揶揄しているけれど、それは「帝国の逆襲に備えよ!」という老婆心(あ、老爺心かw)から出ている。兎に角、法的な知識を詰め込んで、武装しろ! さもないと反動勢力にお尻ぺちぺちされるぞ。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年11月27日
広瀬さん本人が「仮想通貨クラスタを挑発し、揶揄している」と書いているように、一部過激な言葉を交えながら、「仮想通貨クラスタはトラストレス、トラストレスって言い過ぎ! それだけじゃリアルな社会じゃうまくやっていけないよ」といったことがツイートされているように見える。
ここへ大石さんが参戦してきたのは…
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