■米国債利回り高騰に追随しない米ドル/円
この展開の中でマーケット参加者が驚いたのが、待望の米10年国債利回りの高騰に米ドル/円相場が追随しなかったこと。
むしろ株の下落に連れ、米ドル/円は本稿執筆時点で111円台前半まで反落しています。
(出所:Bloomberg)
このコラムでも何度かご紹介させていただきましたが、米国債利回りの急騰は、必ずしも米ドル/円の上昇には結びつきません。米国債利回りの急騰は株の調整を引き起こすからです。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
●米ドル/円は111円割れなら108円へ下落も! 不気味な米ドルの売り手の正体とは!?(2017年11月24日、西原宏一)
そして、ここでマーケットの注目を集めたのが、「株の上昇にも米10年国債利回りの上昇にも」追随しなかった米ドル/円。
株と米国債利回りの上昇には連動しなかった米ドル/円ですが、どちらも反落局面においては、米ドル/円は連動して下落する傾向があります。
(出所:Bloomberg)
本稿執筆時点での米ドル/円は、111円台ミドルで推移。
昨年(2017年)末同様、本邦機関投資家のオープン外債(為替をヘッジせず、オープンで投資する外債)への米ドル買い需要が米ドル/円をサポートしているようですが、「株と米国債利回り上昇」のどちらにも連動して上昇できなかった米ドル/円の上値は重い展開。
前回のコラムで紹介させていただいたように、2018年の米ドル/円は、年後半から通商問題を発端に105円割れへと円高が進行するのでは?と想定していました。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
しかし、「株と米国債利回りの上昇」という追い風にも関わらず、上昇気流に乗れなかった米ドル/円は下値余地が拡大。
仮に、111.00円を割り込めば107円台へと円高が進行する可能性も高まります。
(出所:Bloomberg)
2018年初頭、動意を見せてきた米ドル/円の動向に注目です。
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