FXプライムbyGMOといえば、約定力の高さで定評のあるFX会社ですが、スプレッド縮小にも力を入れてきています。
そして、2018年1月には、このところFX業界で注目が高まっているメキシコペソ/円の取扱いをスタートしました。
ポーランドズロチ/円の取扱いもスタートしていた!
実はこの時、同時にポーランドズロチ/円の取扱いもスタートしているのですが、大々的に始動をアピールし、リリース記念のキャンペーンも実施しているメキシコペソ/円に比べ、ポーランドズロチ/円については取扱いを始めるというお知らせのみ。
地味にスタートしたという感じではありますが、今回はポーランドズロチについて少し解説したいと思います。
ポーランドズロチ/円も1000通貨から取引可能!
FXプライムbyGMO「選べる外貨」でポーランドズロチ/円の取扱いが始まったのは1月20日(土)。スプレッドは5.9銭原則固定で、買いスワップ金利(スワップポイント)は、1万通貨で1日あたり10円(2月19日現在)。1000通貨単位から取引できます。
同じく1000通貨単位からポーランドズロチ/円を取引できるのが、ヒロセ通商「LION FX」。通常スプレッドは5.6~6.6銭なので、FXプライムbyGMO「選べる外貨」とそれほど変わりはなさそうです。
ただし、ヒロセ通商「LION FX」の買いスワップ金利は、-20円(2月19日現在)となっているので、スワップ金利に関しては、FXプライムbyGMO「選べる外貨」の方が断然有利です。
また、サクソバンク証券では5万通貨から、IG証券では1万通貨からポーランドズロチ/円を取引することができますが、スプレッドやスワップ金利は「取引システムから確認」となっており、誰でも閲覧できるホームページ上には公開されていません。
このほか、住信SBIネット銀行の「Oh!FX」や、SBI証券「SBI FXα」でもポーランドズロチ/円を取引できますが、スプレッドは、それぞれ10銭、8.8銭と、やや広め。取引単位も1万通貨からとなっています。
ポーランドズロチ/円は、取引所FXのくりっく365でも取扱っており、スプレッドは変動制ですが、2月19日(月)現在のスプレッドは3銭程度。スワップ金利は1日あたり11円となっており、スペック的にはくりっく365が有利といえそうです。
ただし、取引単位は1万通貨なので、まずは1000通貨程度の少額で試してみたいという場合は、FXプライムbyGMO「選べる外貨」かヒロセ通商「LION FX」の2択ということになりそうです。
【参考コンテンツ】
●特集「くりっく365」はなんで安心なの?
そもそもポーランドってどんな国?
ところで、ポーランドといっても、多くの方にとってはどんな国なのか今一つピンとこないのではないでしょうか?
ポーランドといって思い浮かぶのは、ショパンとアウシュビッツくらいという方も少ないないでしょう。
ワルシャワのワジェンキ公園内にあるショパンの像(筆者撮影)
旧東欧の貧しい国というイメージを持たれがちですが、2016年の世界銀行のデータによると、EU(欧州連合)加盟国のなかでは、人口は6番目に多く、名目GDPは8番目にランキングされています。
また、リーマンショックの影響で多くの国がマイナス成長に陥った2009年でさえ、EU圏で唯一、プラス成長を誇り、現在も+3%前後のGDP成長率をキープしています。
首都ワルシャワの夜景。意外と?近代的(筆者撮影)
さらに、ポーランドの銀行は世界でもトップクラスに数えられるほどイノベーションが進んでおり、欧州金融市場協会(EFMA)とアクセンチュアが公表するアワードなど、さまざまな賞を受賞しています。
また、2017年に高騰し、大いに注目度がアップしたBTC(ビットコイン)も、以前から活発に取引されています。
【参考記事】
●ザイFX!で2017年を振り返ろう!(6)暴君ビットコイン、天を衝く上昇相場を演出!
つまり、ポーランドは、旧共産圏のイメージとは裏腹に、かなり近代的な国なのです。
ビットコイン関連のイベントも大人気。筆者も参加してみました(筆者撮影)
旧共産圏のイメージは過去のお話
実は筆者は、2017年からポーランドに拠点を移しています。実際に生活する中で感じることは中間所得層に勢いがあるということ。
経済に造詣の深いポーランド人の友人によると、「ポーランドのモダン・エコノミーは1990年にスタートした」と言います(旧共産体制を脱し、1989年にポーランド共和国誕生、90年にワレサ大統領就任)。
それから約28年。人間で28歳というと、学校を卒業して社会に出て、仕事も収入も安定してきたころ。将来に向けても、まだまだ明るい展望を描けるし、使えるお金も増えてきたので消費にも積極的になれる時期ではないでしょうか? まさに、今のポーランドもそんな印象です。
紙幣とコイン。タッチセンサー型のデビットカードがかなり普及しており、ジュース1本でも気軽にカードで買えるため、普段は現金はあまり持ち歩きません(筆者撮影)
もちろん明るい話題ばかりではありません。2015年秋の総選挙で誕生した現政権は、強硬な言動が多く、国際的にも批判されることもしばしば。このあたりは、リスク要因の一つといえるかもしれません。
ポーランドズロチ投資の注意点は?
では、実際にポーランドズロチ/円を取引する場合、どのようなところに着目すべきなのでしょうか?
ザイFX!では以前、JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉さんに、新興国のファンダメンタルズや為替の見通しについてインタビューした記事を公開しています(ポーランドズロチの話は、「JPモルガン棚瀬氏に聞く新興国通貨(2)」2017年のおすすめ新興国通貨はコレだ!」に出てくる)。
【参考記事】
●JPモルガン棚瀬氏に聞く新興国通貨(1)「景気が良い=通貨上昇」とは限らない!
●JPモルガン棚瀬氏に聞く新興国通貨(2) 2017年のおすすめ新興国通貨はコレだ!
この時の話を要約すると、ポーランドズロチはユーロとの相関が非常に強いということ。
ポーランドズロチのファンダメンタルズが良くても、ユーロが弱含むとポーランドズロチも下落。ポーランドズロチのファンダメンタルズが悪化しても、ユーロが好調なら上昇する傾向があるということでした。
つまり、ポーランドズロチに関しては、ポーランド自身のファンダメンタルズより、ユーロのファンダメンタルズに左右されやすいのです。
ズロチ投資はユーロの動きを見ていればほぼOK!
どのくらい相関性があるのか確認するためにチャートを見てみましょう。こちらは、ポーランドズロチ/円の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/円の週足チャートと比較してみると、値動きの幅は違いますが、下落するポイントや上昇するポイントなど、同じようなトレンドを描いていることがわかります。
(出所:Bloomberg)
ということは、ユーロ/円のファンダメンタルズを把握していれば、それをポーランドズロチにも応用できるということ。なじみのない通貨だからと敬遠していた方も、ユーロ/円とほぼ同じ動きをすると思えば、ハードルはぐっと下がるのではないでしょうか。
しかもスワップ金利の面からは、現状、ユーロよりズロチの方が有利です。「ユーロを買いたいけど金利がつかないし…」とためらっていた方は、「金利のつくユーロ」という感覚でポーランドズロチに投資するという手段も考えられそうです。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:スワップ金利で比べる「豪ドル/円スワップ金利の高い順」
足元は円高傾向にあるので、タイミングの見極めは必須ですが、FXプライム byGMOでも取扱いがスタートしたことですし、この機会にポーランドズロチへの投資を検討してみるのもありかもしれませんね。
(※各種キャンペーンの詳しい条件、期間などについては、FXプライム byGMOのウェブサイトなどで必ずご確認ください。キャンペーン条件が変更されたり、キャンペーン期間が延長されたり、キャンペーンが終了したりすることなどがあります)
>>>FXプライムbyGMO「選べる外貨」の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
(佐乃美歩絵)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)