FX会社のスマホアプリを徹底比較!
読者のみなさんの中には、スマホアプリを使ってFXトレードしている人がたくさんいるのでは?
また、スマホでトレードしてみたいけれど、どのFX会社のアプリを使ったらいいのかよくわからない……なんて人もいるかもしれない。
そこで今回は、主要FX会社のスマホアプリを徹底比較してみた。
今回、スマホアプリを紹介するのは、外為どっとコム、GMOクリック証券、ヒロセ通商、SBI FXトレード、YJFX!、外為オンライン、DMM.com証券の7社。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:モバイル対応で比べる
以下の表は、各FX会社のスマホアプリの特徴をざっとまとめたものだ。
【参考記事】
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FX会社 | テクニカル 指標 |
チャート分割 | 描画 機能 |
スピード 注文 |
ニュース | クイック 入金 |
レートの 更新設定 |
SBI FXトレード | 23種類 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
外為どっとコム | 17種類 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
ヒロセ通商 | 13種類 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
外為オンライン | 13種類 | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
YJFX! | 12種類 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
DMM.com 証券 |
12種類 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
GMOクリック 証券 |
10種類 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※テクニカル指標の種類は記者の調査によるもの
こうして見ると、アプリによって搭載されている機能に違いがあることがわかる。
大きな違いはチャートシステムにあり?
このように、FX会社によって機能に違いがあるスマホアプリ。その中でも、今回、とくに注目したいのが、チャートシステムだ。
以下の表は、上の表から7社のスマホアプリのチャートシステムの部分を抜き出し、そこに少し書き加えたものだ。
FX会社 「サービス名」 |
テクニカル指標 | チャート分割 | 描画機能 |
SBI FXトレード | 23種類 | 2・4 画面表示 |
× |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
17種類 | × | × |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
13種類 | 2・4 画面表示 |
○ |
外為オンライン | 13種類 | × | × |
YJFX! 「外貨ex」 |
12種類 | × | ○ |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
12種類 | 4 画面表示 |
× |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
10種類 | × | ○ |
※テクニカル指標の種類は記者の調査によるもの
記者が調べたところによると、スマホアプリに搭載されているテクニカル指標の数は、SBI FXトレードが23種類でダントツ。次に、外為どっとコムの17種類、ヒロセ通商と外為オンラインの13種類となっている。
【参考記事】
●独自路線を行くSBI FXトレードが公式ホームページ一新! ビフォーアフターを比べると?
そして、各FX会社がスマホアプリに搭載している、テクニカル指標は以下のとおり。
外為 どっとコム |
GMO クリック証券 |
ヒロセ 通商 |
SBI FX トレード |
YJFX! | 外為 オンライン |
DMM.com 証券 |
|
トレンド系 | |||||||
単純移動 平均線 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
指数平滑 移動平均線 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
加重移動 平均線 |
- | - | - | ○ | - | - | - |
一目均衡表 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ボリンジャー バンド |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
パラボリック | ○ | - | ○ | ○ | - | - | - |
エンベロープ | ○ | - | - | ○ | - | - | - |
スパンモデル | ○ | - | ○ | - | ○ | - | ○ |
スーパー ボリンジャー |
○ | - | ○ | - | ○ | - | ○ |
GMMA | - | - | - | - | - | ○ | - |
オシレーター系 | |||||||
MACD | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ストキャス ティクス |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
スロースト キャスティクス |
○ | - | - | ○ | - | ○ | ○ |
RSI | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
DMI | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
RCI | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ROC | - | - | - | ○ | - | - | - |
CCI | - | - | - | ○ | - | - | - |
サイコロジ カルライン |
○ | - | - | ○ | - | - | - |
乖離率 | ○ | - | - | - | - | ○ | - |
ボラティリティ | - | - | - | ○ | - | - | - |
強弱レシオ | - | - | - | ○ | - | - | - |
オシレーター | - | - | - | ○ | - | - | - |
MAER | - | - | - | ○ | - | - | - |
モメンタム | - | - | - | ○ | - | - | - |
その他 | |||||||
平均足 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィボナッチ | - | - | - | ○ | - | - | - |
トレンド系なら単純移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドといったもの、オシレーター系だとMACDやRSIといった、人気のあるテクニカル指標は7社すべてで見ることができる。
それに加えて、比較的珍しいテクニカル指標をラインナップに入れているFX会社もある。
たとえば、SBI FXトレードのスマホアプリには23種類のテクニカル指標が搭載されているが、その中には、加重移動平均線や強弱レシオ、さらにROCやCCIといった、テクニカル分析を中心に取引するトレーダーが使いそうなマニアックなものも入っている。
(出所:SBI FXトレード)
大人気!? マニア向けのテクニカル指標って?
そして、スパンモデルとスーパーボリンジャーは外為どっとコム、ヒロセ通商、YJFX!、DMM.com証券のスマホアプリのチャートシステムに搭載されている。
このスパンモデルとスーパーボリンジャーは、マーフィーこと、元インターバンクディーラーの柾木利彦さんが一目均衡表とボリンジャーバンドを元に考案したものだが、これもなかなかマニアックなテクニカル指標だ。
【参考記事】
●【大公開】ひろぴーが本気で使ってるスーパーボリンジャー。その独自手法とは?
それを、4社のFX会社がスマホアプリのチャートシステムに搭載している。これは貴重だ。
ここからは、外為どっとコムのスマホアプリを使って、スパンモデルとスーパーボリンジャーを表示させながら、どういった特徴があるテクニカル指標なのか紹介しよう。
はじめにスパンモデルだが、これは、一目均衡表をベースにアレンジを加えたもので、「買いか、売りか」が明確に示されるというもの。
(出所:外為どっとコム)
このスパンモデル、先行スパン1が先行スパン2を上回ると「買いシグナル」、先行スパン2が先行スパン1を上回ると「売りシグナル」と判断するのが一般的な使い方だ。
上の画像のとおり、外為どっとコムのスマホアプリでは先行スパン1が先行スパン2を上回ると、先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンが青く表示され、先行スパン2が先行スパン1を上回ると、先行スパン2と先行スパン1に挟まれたゾーンが赤く表示され、大変見やすく、わかりやすくなっている。
結局、青なら買い、赤なら売りというわけだ。
この先行スパン1と先行スパン2で形成されたゾーンは、レジスタンスやサポートとして使うこともできるという。これは、一目均衡表で表示される「雲」をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれない。
次に「スーパーボリンジャー」だが、こちらは、名前からもなんとなくわかるように、ボリンジャーバンドをアレンジしたもの。
(出所:外為どっとコム)
これを見てもらうと、スーパーボリンジャーはボリンジャーバンドに一目均衡表の遅行スパンを加えたものとなっていることがわかる。
このスーパーボリンジャーは、バンド幅の拡大と縮小、遅行スパンの動きなどから、トレンドがある相場か、トレンドがない相場かを判断することができるそうだ。
スマホの画面でトレンドラインがサクッと引ける
ここまで、スマホアプリに搭載されているテクニカル指標について紹介してきたが、チャート画面がトレンドラインなどを引くことができる描画機能を搭載しているかどうかもポイントのひとつだ。
今回、スマホアプリを紹介しているFX会社で、チャートにトレンドラインが引けるといった描画機能を搭載しているのは、GMOクリック証券、ヒロセ通商、YJFX!の3社だけ。
ラインの描画機能はPC版の取引ツールでは搭載されていて当たり前のものだが、スマホアプリで搭載されているのは貴重なのだ。
実際に記者がYJFX!のスマホアプリのチャートで描画機能を使ってトレンドラインを引いてみた。
(出所:YJFX!)
スマホの小さい画面で、正確にトレンドラインを引くのは難しいのでは……と思っていた記者だったが、やってみると人差し指でストレスなくラインを引くことができた。
それを可能にしたのが、YJFX!のチャート描画機能に搭載されているマグネットモード。
(出所:YJFX!)
この機能を使うと、ローソク足にラインの始点や終点を近づけるだけで高値と安値に張り付いてくれるのだ。
さらに、YJFX!とGMOクリック証券のスマホアプリでは、フィボナッチリトレースメントを表示させることもできる。
以下は、GMOクリック証券のスマホアプリで描画機能を使ってフィボナッチリトレースメントを表示させたもの。
(出所:GMOクリック証券)
操作は簡単で、メニューからフィボナッチリトレースメントのアイコンを選んだら、チャート上で、始点と終点を決めるだけでOKだ。
チャートが分割表示できるアプリは意外と少ない…
そして、スマホアプリのチャートでは、分割表示ができるのかというのもチェックしておきたいポイントだ。
たとえば、複数の通貨ペアの動きをチャートで見たいとき、1画面だと画面を切り替えなければいけない。
そんなとき、スマホの画面を分割して複数のチャートを表示させることができるなら、とても便利だ。
以下は、ヒロセ通商のチャートで画面を4つに分割させたものとなっている。
(出所:ヒロセ通商)
何をいまさら……と思われた人がいるかもしれないが、確かに、記者もこうした機能は搭載されていて当たり前ぐらいのことを思っていた。
しかし今回、主要7社のスマホアプリを調べてみたところ、チャートの分割表示ができるのは、ヒロセ通商、SBI FXトレード、DMM.com証券の3社だけ。チャートの分割表示は全社でできるわけではなかったのだ。
そして、ヒロセ通商とSBI FXトレードは2画面と4画面表示が可能。DMM.com証券は4画面でのみ表示させることができる。
複数の通貨ペアでトレードしているという人は、こうした機能を搭載したアプリを使ってみると、効率よくトレードできるかもしれない。
ここまで、主要FX会社7社のスマホアプリについて紹介してきた。今回はとくにチャートシステムについて注目したが、テクニカル指標だけでなく、描画機能やチャート分割などアプリによって違いはさまざまなので、自身のトレードに合ったチャートシステムを探してみてはどうだろう。
スマホアプリのチャートシステム以外の機能については、またの機会に徹底比較していくのでご期待ください。
(ザイFX!編集部・庄司正高)
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