2023年分の確定申告の受付期間は2月16日から3月15日まで。
FX取引で一定の利益が出ていた場合は必ず確定申告が必要!
2024年(令和6年)2月16日(金)から、2023年分(令和5年分)の「確定申告」が始まりました。
出所:国税庁「確定申告特集」
FX取引の利益は申告分離課税の対象となるため、昨年2023年1月1日~12月31日の間に行ったFX取引で一定以上の利益が出ていた場合、提出期限の3月15日(金)までに申告を行って、所定の金額を納税する必要があります。
「一定以上の利益」とは、会社員なら給与や退職所得以外にFXなどの利益を含めて20万円、主婦(主夫)や学生ならFXの利益などで得た所得が48万円を超えた場合が、具体的な例として挙げられます。詳しくは、以下の【関連記事】を参考にしてください。
【※関連記事はこちら!】
⇒FXの「税金」と「確定申告」を詳しく解説! FXの税金の基本情報、確定申告のやり方や申告に必要なもの、知っておきたい節税対策についてもまとめて紹介!
2023年のFX取引でどれだけの損益が発生したかは、FX会社が「年間損益報告書」などの名称で発行している書面で確認できます。ほとんどの場合、ログイン後のマイページや取引ツール内から確認とダウンロードによる取得が可能ですので、2023年中に1度でも取引したFX口座の損益の状況は、必ずチェックするようにしましょう。
FXの利益にかかる税率は一律で20.315%。CFDやバイナリー
オプションの損益と相殺が可能! 申告しなければペナルティも
FX取引で出た利益にかかる税率は、利益の大小にかかわらず一律で20.315%です(※所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)。
また、取引所FXの「くりっく365」も含め、FXの利益は税法上、CFD、バイナリーオプション、日経225先物などと同じ「先物取引に係る雑所得」に分類されます。そのため、FX以外の「先物取引に係る雑所得」に分類される金融商品も取引した人は、それらの年間の損益も確認して、トータルの損益額を計算しなければなりません。その結果、一部の金融商品の取引で損失が出ていた場合、利益と損失が相殺されて、納税額が抑えられる可能性もあります。
【FXとの損益通算が可能な金融商品の一例】 CFD・バイナリーオプション・日経225先物・TOPIX先物・日経225オプション・商品先物 ※上記はあくまで一例です。詳しくは国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」を参考にしてください |
なお、申告の義務があるにもかかわらず、期限までに申告書の提出を行わなかった場合、ペナルティがあるので注意が必要です。ただし、確定申告書類を提出したものの、やむを得ない事情で期限までの納税が困難なときは、規定の条件を満たしている場合に限り納税の猶予が認められる「猶予制度」があります。
また、猶予制度を受けられる条件を満たしていなくても、納付期限を延長できる「延納制度」も設けられていますが、この場合は本来納めるべき税額の2分の1以上を納付する必要があるだけでなく、未納分には利子税の負担が生じるため注意が必要です。
確定申告書の作成から提出までの一連の作業は、
e-Taxを使えばスマホやPCだけで完結!
確定申告書は「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を活用すれば、作成から提出までの一連の作業をすべてスマホもしくはPCだけで完結させることが可能です。e-Taxは少し前からテレビCMも公開されているので、名前だけでもご存知の人は多いでしょう。申告書は印刷して税務署へ郵送することもできますが、いずれにせよ、一昔前のように税務署などの確定申告会場へ足を運ぶ必要はなく、作成から送信まで非常にスムーズに行えるのがメリットです。
e-Taxの利用には、あらかじめ16桁の「利用者識別番号」を取得しておく必要がありますが、一度取得してしまえば原則、同じ番号を使用し続けることが可能です。マイナンバーカードがあれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から簡単に取得できますし、マイナンバーカード以外を使ったさまざまな取得方法も用意されているので、確認してみてください。
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確定申告書も「確定申告書等作成コーナー」から作成できます。確定申告書等作成コーナーへは、確定申告に関する詳しい情報が掲載された「確定申告特集ページ」からも移動することができるので、特に初めての方は確定申告特集ページにある「確定申告情報」などで手順を確認してから作成を始めるとよいでしょう。
「確定申告特集ページ」を読めば、たいていのことは理解できると思いますが、不明な点や作成の操作に不安が残る場合は、YouTubeの「国税庁動画チャンネル」にもさまざまな解説動画が公開されていますので、こちらもぜひ参考にしてください。
そのほかにも、国税庁の公式サイトから利用できるチャットボットの「ふたば」や、税金に関するよくある質問をまとめた「タックスアンサー」、電話による相談なども活用することが可能です。
FXに関連する書籍の購入代金やセミナー参加費用、有料メルマガの
購読代金は、「必要経費」として利益から差し引くことができる
FXの確定申告では、1年間の取引で得た利益から必要経費を差し引いた「所得金額」に対して課税されます。
なにが必要経費として認められるかに明確な定義はありませんが、FXの場合は一般的に、FX取引を学ぶために購入した書籍の代金、有料のセミナーや講習会などへの参加費(受講料)、ザイFX!が提供する「ザイ投資戦略メルマガ」のようなFXに関する有料メルマガの購読代金などを、必要経費として差し引くことができるとされています。
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また、FXの取引手数料(売買手数料)はほとんどのFX口座で無料ですが、ごく一部の外枠の取引手数料がかかるFX口座で取引した場合は、その取引手数料も必要経費として認められると考えられます。外枠の取引手数料を徴収しているFX口座の場合、「年間損益報告書」に払った取引手数料の金額が掲載されていますので、その分を所得金額から差し引くのを忘れないようにしましょう。
年間の損益がマイナスだった人も確定申告は無縁ではない!
「繰越控除」で、将来の利益に対する納税額を抑えることも可能
2023年の年間損益が残念ながらマイナスだった場合は、納税が生じないので確定申告を行う義務はありません。しかし、損益がマイナスだったことを確定申告しておけば、将来的に納税額を抑えることができる「繰越控除」を受けることが可能です。
上の図のように、年間の損益がマイナスだったことを確定申告することで、向こう3年間にわたって「繰越控除」を受けることができます。翌年以降も損失を繰り越す期間中は確定申告を常に行う必要はありますが、それなりの損失が出てしまった場合は利用するメリットが大きいので、この制度を活用することをおすすめします。
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以上、2024年(令和6年)の「確定申告」について紹介しました。2月16日(金)から3月15日(金)までの確定申告の提出期間中に、必ず申告が完了するようにしましょう。
当記事は、ザイFX!編集部が国税庁の公式サイトなどを参考に作成しています。記載内容に不備がないよう細心の注意を払って作成していますが、正確性や完全性を保証するものではありません。不明点がある場合は、必ず国税庁の公式サイトや税理士などの専門家、税務署、FX会社などで確認・相談するようにしてください |
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