■日米首脳会談は無事終了
みなさん、こんにちは。
注目の日米首脳会談は、日本時間本日(4月19日)未明に無事終了。
日本が米国に「TPP(環太平洋連携協定)の再検討」を要請しても、トランプ大統領は一貫して2国間協定を要望しており、「TPPは好ましくない」というご意見。
よって、この実現は、かなり難しい展開です。
とはいえ、安倍首相は、北朝鮮問題に関しては、トランプ大統領から日本にとって好ましい意見を引き出しています。
そのコメントは、「今後いっそう日米で緊密に連携しながら、すべての拉致被害者の即時帰国に向けて、北朝鮮への働きかけを強化していく決意だ」といった内容。

写真は共同記者会見での安倍首相とトランプ大統領。安倍首相は通商政策でTPPの再検討を要請したものの、トランプ大統領は2国間協定を要望した (C)Joe Raedle/Getty Images
トランプ大統領の判断は、相変わらず即決です。
ただし、トランプ大統領にとって、首脳会談はディール。
北朝鮮問題に関する協力に対して、日本は通商問題において、なんらかの答えを出さなければいけません。
トランプ大統領は、「米朝首脳会談」についても、「成果がないと判断すれば、米朝首脳会談は実現しない」とコメントしているように、早急な結果を求めています。
■注目が通商問題に移ると、米ドル安・円高になりやすい
日本は、米国から武器、自動車、農産物の輸入を拡大することなどを検討する模様。
日米両政府は、新たに茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表がトップに就く新しい枠組みで、この件について議論する方針です。
この展開は、実質的な日米FTA(自由貿易協定)交渉の開始といったところではないでしょうか?
相場の方は、日米の政治の注目が通商問題に移行する中で、どうしても「米ドル安・円高」になりやすい展開となっています。

(出所:Bloomberg)
■相場のうたげは終わりに近い?
今週(4月16日~)モルガン・スタンレーが、興味深いレポートを配信していましたのでご紹介します。
相場のうたげは「終わりに近い」-モルガン・スタンレーが警告
景気サイクルの終わりが近づき、米国市場は既に最良のシナリオを織り込み済みであるため、投資家は下げ相場に対して準備する必要があると、モルガン・スタンレーが警戒を促した。
マイケル・ジーザス、マシュー・ホーンバック、アンドルー・シーツ氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは17日付けのリポートで、財政出動が短期的には成長を後押しするが、その効果はすでに「織り込み済み」の公算が大きく、景気サイクルの終わりに際し相場が下落に向かう可能性が高まっていると指摘。
米国株のバリュエーションは税制改革成立前にピークを経過。株価は年内、企業の実質的な利益の伸びや利益率も今年終盤か来年初めにそれぞれピークに達する見通しという。
出所:Bloomberg
昨年(2017年)末から米国株がトップアウトし、個人的に米ドル/円と日経平均のショートをしつこくキープしていたのは、FANG(※)を中心とした米ハイテク企業の好調さは、もうマーケットが織り込んでおり、上げ幅はあまりないのではないか、という考え方が中心となっていました。
(※編集部注:「FANG」とは、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字。アップルを加えて「FAANG」とする場合もある。いずれも読み方は「ファング」)
上記の記事は、多くのポジティブ材料は織り込み済みという考え方は同じです。
■セル・イン・メイに向けて米ドル/円は100円を目指す
4月は前回のコラムでご紹介させていただいたように、「外国人投資家は、2001年から17年連続で4月に日本株を買い越しており、4月はいったん調整で、株、米ドル/円とも戻すのではないか? というのがアノマリー」になっています。
【参考記事】
●米通商政策に加えて、シリア情勢悪化が懸念材料に…。 米ドル/円は戻り鈍く反落か(4月12日、西原宏一)
そのアノマリーどおり、日経平均は戻りを演じていますが、通商問題を背景に米ドル/円の戻しは極めて限定的。

(出所:Bloomberg)
今月(4月)も後半に入り、そろそろ例年の「セル・イン・メイ」で株の調整が起きやすい時期が迫っています。

(出所:Bloomberg)
本年(2018年)初旬も、日本株が反発に入っても、米ドル/円は追随せず、結局、どちらも調整相場入りしています。
「セル・イン・メイ」に向けて、再び100円への下落基調に入る可能性が高まる米ドル/円相場の行方に注目です。
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