■相場のうたげは終わりに近い?
今週(4月16日~)モルガン・スタンレーが、興味深いレポートを配信していましたのでご紹介します。
相場のうたげは「終わりに近い」-モルガン・スタンレーが警告
景気サイクルの終わりが近づき、米国市場は既に最良のシナリオを織り込み済みであるため、投資家は下げ相場に対して準備する必要があると、モルガン・スタンレーが警戒を促した。
マイケル・ジーザス、マシュー・ホーンバック、アンドルー・シーツ氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは17日付けのリポートで、財政出動が短期的には成長を後押しするが、その効果はすでに「織り込み済み」の公算が大きく、景気サイクルの終わりに際し相場が下落に向かう可能性が高まっていると指摘。
米国株のバリュエーションは税制改革成立前にピークを経過。株価は年内、企業の実質的な利益の伸びや利益率も今年終盤か来年初めにそれぞれピークに達する見通しという。
出所:Bloomberg
昨年(2017年)末から米国株がトップアウトし、個人的に米ドル/円と日経平均のショートをしつこくキープしていたのは、FANG(※)を中心とした米ハイテク企業の好調さは、もうマーケットが織り込んでおり、上げ幅はあまりないのではないか、という考え方が中心となっていました。
(※編集部注:「FANG」とは、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字。アップルを加えて「FAANG」とする場合もある。いずれも読み方は「ファング」)
上記の記事は、多くのポジティブ材料は織り込み済みという考え方は同じです。
■セル・イン・メイに向けて米ドル/円は100円を目指す
4月は前回のコラムでご紹介させていただいたように、「外国人投資家は、2001年から17年連続で4月に日本株を買い越しており、4月はいったん調整で、株、米ドル/円とも戻すのではないか? というのがアノマリー」になっています。
【参考記事】
●米通商政策に加えて、シリア情勢悪化が懸念材料に…。 米ドル/円は戻り鈍く反落か(4月12日、西原宏一)
そのアノマリーどおり、日経平均は戻りを演じていますが、通商問題を背景に米ドル/円の戻しは極めて限定的。
(出所:Bloomberg)
今月(4月)も後半に入り、そろそろ例年の「セル・イン・メイ」で株の調整が起きやすい時期が迫っています。
(出所:Bloomberg)
本年(2018年)初旬も、日本株が反発に入っても、米ドル/円は追随せず、結局、どちらも調整相場入りしています。
「セル・イン・メイ」に向けて、再び100円への下落基調に入る可能性が高まる米ドル/円相場の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)