ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

西原宏一_メルマガ取材記事
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
FX情報局

【全文書き起こし1/4】 店頭FX業者の
決済リスクへの対応に関する有識者検討会
(第2回)

2018年05月17日(木)19:48公開 (2018年05月17日(木)19:48更新)
FX情報局

投資情報充実の外為どっとコム!当サイト口座開設者限定キャンペーン実施中!

■金先協会:金商法施行以降、相場急変で損失が発生し、破綻した業者はない

山崎オブザーバー 7ページをご覧ください。ここからは2つ目の業者の観点でFX取引を説明してまいります。この表は、業態区分で見たFX取扱業者の変遷をまとめたものです。業者数は減少しており、2008年度末と2017年12月末を比較しますと、おおよそ半分となっています。

 特に先物専門会社は、3分の1程度まで減少しています。ただその中には、証券会社へと業態変更した業者もいくつかいらっしゃいます。GMOクリック証券もその1社です。

業者(協会員)①(クリックで拡大)
業者(協会員)①

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、7ページの「業界(協会員)①」を掲載

山崎オブザーバー 業者数の減少は競争激化や管理コストの上昇などにより、自主的にFX取引業をやめられたことが主な原因です。

 いわゆる破綻及び登録取消処分により退会した会員は、2008年度から2012年度の間に7社、以降は0社で、また相場急変を原因とした損失の発生により破綻した業者は、金商法施行以降はおりません。

 8ページをご覧ください。この表は、取引高、預かり証拠金、建玉残高について、店頭取引上位10社への集中度を見ていただくために作成したものです。

 上位の会社への集中度が高いのが店頭FX業界の特徴でもあります。

業者(協会員)②(クリックで拡大)
業者(協会員)②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、8ページの「業界(協会員)②」を掲載

山崎オブザーバー 9ページをご覧ください。このチャートはFX取引を専門に行っている先物専門会社の業績推移を示しています。

 1社あたりの営業収益と当期純損益を表しています。参考に、各年度の全店頭FX業者1社あたりの取引高を表にまとめています。2009年度と2016年度を比較しますと、取引高で4.07倍増加していますが、先物専門会社1社あたりの営業収益では18.7%、当期純利益では18.4%の伸びにとどまっています。

 取引高の増加に比べて営業収益が増加しない理由の1つは、ビット・オファー・スプレッドが縮小したためではないかと考えています。

業者(協会員)③(クリックで拡大)
業者(協会員)③

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、9ページの「業界(協会員)③」を掲載

■金先協会:投資家からの苦情件数は2009年度と比べ、2016年度では3分の1以下に減少

山崎オブザーバー 10ページをご覧ください。前回質問にありましたが、店頭FX業者は第一種金融商品取引業者でございます。そのため自己資本規制比率における諸規則の遵守が求められております。

 しかし業者は、画一的に業務を行っているわけではありません。業務の規模の大小もあります。また、この分類にお示ししたような6種類のビジネスモデルのいずれかを採用しています。

業者(協会員)④(クリックで拡大)
業者(協会員)④

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、10ページの「業界(協会員)④」を掲載

山崎オブザーバー 具体的には左から、顧客取引の約定判断を誰が行うか。顧客同士の取引を相殺する、いわゆるマリー取引の有無、顧客やカバー先との売買成立のタイミング、そして配信価格の生成方法の相違などにより、6種類のビジネスモデルに分類されます。

 日本では多くの大手FX業者がモデルⅠを採用し、中小の業者はⅤやⅥの採用が多いようです。

 11ページをご覧ください。証拠金の管理実務について説明いたします。まずFX業者は証拠金規制により、顧客から4%以上の証拠金を預かる必要があります。業者は顧客から注文を受けると同時に、証拠金を受託し、注文を約定します。

業者(協会員)⑤(クリックで拡大)
業者(協会員)⑤

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、11ページの「業界(協会員)⑤」を掲載

山崎オブザーバー 受け取った証拠金は、2営業日以内に信託銀行等へ金銭信託し、区分管理されます。また証拠金規制により、顧客の証拠金口座で残高不足となった場合は、追加証拠金という形で、合理的な期間内に不足額を預託させます。

 協会では業者から毎週、前の週分の信託銀行等が発行した残高証明書と、要区分管理必要額の算出資料を業者から提出いただき、全社分の内容をチェックしています。

 続いて12ページをご覧ください。店頭FX業者の中にはFX取引業務をベースに、外貨決済等の新たなサービスを顧客に提供している業者も出てきております。

 苦情の状況です。各種公規制、自主規制や各社の取り組みの結果、投資家からの苦情件数は着実に減少しており、2009年度と比べ、2016年度では3分の1以下に減少しています。なお2015年度に苦情が増加した要因は、2015年8月のチャイナ・ショック、同年12月と2016年1月の南アランドの急変の影響と考えています。

業者(協会員)⑥(クリックで拡大)
業者(協会員)⑥

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、12ページの「業界(協会員)⑥」を掲載

■金先協会:レバレッジ10倍未満の投資家は64%、レバレッジ10倍以上の投資家は36%

山崎オブザーバー 続きまして、13ページのチャートでございます。これは個人と法人の取引状況です。ここからは3つ目の、投資者の観点から、FX取引を説明してまいります。2010年にレバレッジ規制が個人取引に導入されたことから、法人取引が増加しています。

投資者①(クリックで拡大)
投資者①

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、13ページの「投資者①」を掲載

山崎オブザーバー 2012年度後半からは円安を背景として個人投資が急拡大しましたが、一方で法人取引は比較的穏やかな伸びとなり、その後も安定的な取引状況でした。

 ただ、2017年2月にボラティリティをベースとした、法人取引のレバ規制が導入され、また、その数カ月前から各社が法人取引のレバレッジを自主的に低下させたことから、取引量が減少しています。

 14ページをご覧ください。個人投資家の属性です。協会では昨年「金融先物取引に関する個人投資家の意識調査」を行い、FX取引を行っている135のサンプルを得ています。その結果、個人投資家は決してミセス・ワタナベではなく、男女別では30代男性、職業別では常勤雇用の非管理職、世帯年収が400~700万円の投資家が多いことが分かりました。

投資者②(クリックで拡大)
投資者②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、14ページの「投資者②」を掲載

山崎オブザーバー 本年度はFX投資家に的を絞った意識調査を実施しています。集計結果は次年度取引中に今年度と同様、協会ホームページに公表したいと考えております。

 また、個人投資家は中長期展望の投資手法や、相場のアヤを取るような短期の売買など、さまざまな方法で通貨取引を行っているようです。

 その1例をここに掲載させていただきました。のちほど業者からの説明があると思いますが、投資手法によってレバレッジなどの投資条件を変えているのではないでしょうか。

 15ページをご覧ください。主要会員18社に協力を要請して、集計した実効倍率ごとの顧客分布状況、いわゆるレバレッジの分布状況です。

投資者③(クリックで拡大)
投資者③

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、15ページの「投資者③」を掲載

山崎オブザーバー レバレッジが10倍、いまの顧客数の割合は合わせて64%、建玉残高では51%となっています。これはクローズ時点の状況であり、前ページにありますスイングやロングの投資手法を備えている投資家が、メインとなっているのではないかと考えております。

 データはありませんが、資金効率を考えれば投資家は、このような合理的な投資判断をしていると考えられます。日中のレバレッジと分布状況は、のちほど業者より説明いたします。

 16ページ、17ページは、4つ目の柱、海外の…

おすすめFX会社
link

ザイFX!限定5000円&オリジナルレポート

JFX[MATRIX TRADER]

新規口座開設+1万通貨以上取引でもれなく限定5000円&オリジナルレポート!

link

使いやすい取引環境の【LIGHT FX】

トレイダーズ証券[LIGHT FX]

ザイFX!限定で3000円がもらえるおトクな口座開設キャンペーン実施中!

人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
キャンペーンおすすめ10 トレーディングビュー記事 経済指標速報記事
キャンペーンおすすめ10 トレーディングビュー記事 経済指標速報記事
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る