■米中貿易戦争回避で米ドル/円は窓を開けて上昇!
5月17日(木)~18日(金)にワシントンで開かれた米中の通商交渉は、中国が歩み寄った形となり、共同声明ではいったん、貿易戦争が回避された内容となりました。
これを受けて、今週(5月21日~)の米ドル/円は、上窓を開けて始まっています。
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先週(5月14日~)は、110円がレジスタンスとなって、上値が抑えられていましたが、下値を切り上げてきたこともあり、その後、110円を突破。突破後は、これまでレジスタンスだった110.00円がサポートに切り替わり、強い状況が続いています。
【参考記事】
●米ドル/円週足8連陽でトランプラリー超え! 米ドル高を当てた正解者さえ困惑する強さ(5月18日、陳満咲杜)
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昨日(5月21日)、110.75~80円付近に開けた窓がまだ閉まっておらず、ここからも強い動きとなっています。
■今回の窓は埋まりやすい窓!?
ただ、この窓は、埋まりやすい窓だと思います。
埋まりにくい窓とは、通常、窓を使ってもみ合いをブレイクした場合や、何か大きな材料が出て窓ができた場合が多いです。
今回に関しては、米中の貿易戦争が一時的に回避されただけであって、新しい材料が出たわけではなく、もみ合っていたわけでもないため、この窓は埋まりやすい窓だと思います。
■豪ドルを筆頭に資源国通貨が上昇!
米中の貿易戦争がいったん回避されたことから、豪ドルを筆頭に、資源国通貨が上昇してきています。
豪ドル/米ドルは、0.7560~70ドルにレジスタンスがありましたが、昨日(5月21日)、これを越えてきました。
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米ドル高でもあるため、ユーロ/豪ドルや英ポンド/豪ドルでの、豪ドル高の方が目立ちます。
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■弱い状態が続いていたNZドルも反転の可能性
5月10日(木)のRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])理事会で、RBNZ総裁が、今後は利上げと利下げのどちらもあり得る、という発言をしました。
これを受けて、NZドルは弱い状態が続いていました。
ただ、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は利上げ方向だと思いますし、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月に利上げを行い、今後も利上げを行います。
ECB(欧州中央銀行)も出口に向かっていることを考えると、RBNZが利下げをするようには思えません。
とすれば、NZドルが下がり続けるとは考えにくいです。
チャートも、NZドル/米ドルは、長期的に0.6780~0.6800ドルがサポートされています。
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目先も、0.6850ドルがサポートされ始め、5月17日(木)に上ヒゲ陰線を出したものの、翌日(5月18日)は陽線で下げ切らず、昨日(5月21日)も下ヒゲ陽線と、反転する可能性が出てきています。
(出所:Bloomberg)
■目先はまだ、豪ドルもNZドルも強そう
NZドル/円の方も、75.50円が約1年半もサポートされており、今回もその水準から反発してきています。
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目先は反発していますが、週足では上値を切り下げてきていることもあり、長期では下抜ける可能性があります。
ただ、ここから目先はまだ、豪ドルもNZドルも強いといえそうです。
■ドルインデックスはレジスタンスに接近!
ここまで米ドルの上昇が続いていることから、対ユーロや対英ポンドで、豪ドルを買うのがいいかと考えています。
ただ、ドルインディックスの94はレジスタンスで、ここを越えても95にもレジスタンスがあり、この水準では止まると思われることから、そのときは、豪ドル/米ドルも上昇しやすいのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
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